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雑多な本棚

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#サンライズ瀬戸

Far away from home...

高松駅を出発した寝台特急は、ガタンゴトンと小気味良いリズムを刻みながら、瀬戸大橋を駆け抜けていく。 瀬戸内海は黒々と輝き、海面はまるで枯山水のように線を描く。あれ、そもそも枯山水は水を用いずに水を表現するものなんだから、順番が逆か。私は何を言っているんだか。流れていく車窓に視界を任せ、独り、缶チューハイをカシュッと開けた。 四国に散りばめられた煌めきが遠ざかる分、本州の街明かりが近づいてくる。それは旅の終わりとの、そして日常との距離がどんどん狭まっていることも意味している