透明な球体(経験した死の数々)
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私が「死」という事象に強く興味を持つのは、ごく自然な流れであったと思う。
父方の祖父と母方の祖母は、私が生まれたときにはすでに亡くなっていた。二人とも両親がまだ幼い頃、あるいは若い頃に病死したようである。
私が小学生の頃、父に付き添う形で出席したよく知らない誰かの結婚式に、祖父の遺影が置かれていた。祖父の顔を見たのはこのときぐらいだったはずだが、肝心のその顔はまったく覚えていない。祖母の顔にいたっては見る機会すらなかった、と思う。
では母方の祖父はといえば、記憶に