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週報vol.01

人口6000人、カメムシ6万匹、移住してきた23歳ひとり。
智頭町の愉快なカメムシ退治ライフがはじまった。町ではとにかくカメムシが大量発生していて、築100年くらいの新居にももちろんたくさんいらっしゃる。
寝ても覚めてもカメムシなので、気づけばカメムシのことしか話さなくなってしまった。

カメムシの研究家になるのも悪くないけど、智頭で働きだした1週間のことを少し話そうと思う。

KIGO inc. の1week研修 vol.01

智頭に来て、記号で働くにあたってこの会社が何をしているのかぼんやりわかったようで、わかってないような、そんな感覚だった。企業のお悩み相談?うん、そんな感じだけどでも実際どうなの?という感じ。
入社式で、島田さんから会社のこれまで、今立っている場所のこと、そしてこれから進んでいく道の説明があった。
なるほど、わかったようでわからない、でもわからないけどなぜかワクワクしてくる。
わかることより、わからないことのほうが大切なのかもしれない、そしてこの感覚はこれから大きなヒントになるのかも、と思いながら研修が始まった。

1週間の研修内容は、課題図書6冊とJV・アライアンスに関するセミナーを視聴、週の最後に報告会をするというものだった。
1週間で6冊本を読むって、なかなかしたことがないので終わるかな……とちょっと不安。

課題図書①『アウトサイダーの幸福論』 ロバートハリス

『路上と放浪の人生哲学』との見出しがついたこの本はロバートハリスが旅を続ける中で得た学びを20ほど綴ったもの。彼は「打たれ強く生きろ」と言う。不安を抱えることは多々ある、ときには窮地に立たされることも。どうしようもないときは待つしかない。いけないのは、弱った状態で人に泣きつくこと。自分に対する信頼が揺らいでしまうからだ。落ち目のときこそ歯を食いしばり、スタンスを変えず、信念を持って、妥協も誤りもせず1人で乗り切ると言う彼のストロングスタイル。でも、読み進めると彼自身が若いころに鬱を経験して、人に泣きついて、弱みを見せたことがあるからこうした考えに至ったことがわかる。
成長の過程において、人に弱みを見せる、打たれ弱く生きるのは、ときには必要なのかもしれない。

課題図書②『考えの整頓』 佐藤雅彦

佐藤雅彦が、日常の中に見え隠れする不可解さ「新種の不可解さ」について綴った考察集。彼の「企み力」にはびっくりした。日常の中でちょっと違和感に感じたことを絶対に逃さない。とにかく考え尽くして、誰かに聞いてまわって、具体と抽象を往復しながら自分なりの答えに辿り着く。企てることは、いかに純粋であり続けるかを教えてくれた。

課題図書③『アルケミスト』 パウロ・コエーリョ

旅をする1人の少年を描いた小説。課題図書の中で、一番好きな本であり、これからも見返したい本に出会えた。
この本について、言葉で説明しきれないことが多いけれど、それがいいのかもしれない。
「前兆」という言葉が繰り返し使われる。前兆が見えたら、その前兆に従いなさい。夢を見ることをやめてはいけない、と。

課題図書④『神話の法則』 クリストファー・ボグラー

古来から伝わる神話の、共通の構造について解説されている本書。正直なところ、時間がなくて全然読めなかった。現代は、面白くても時代の変化とともに旬が過ぎていくコンテンツばかりだが、神話は何千年も語り継がれている。時代や価値観を超えて共感するストーリー展開について語られているが、脚本と映画をつくったことのある身からすると、うんうんと頷けるものばかり。
でも難しいのが、完全に当てはめながらつくっていると上手くいかないということ。
よくあるのが、映画の内容について考えるのではなく、「映画について」のことや「構造について」のことを考えてしまう人。僕もその通りで毎回反省するのだが、ストーリーをつくることはどこまでいっても具体的であるべきだと思う。
そして、物語をつくることはいかに琴線に触れる体験を作れるかということ、全然読めなかったので、じっくり読み進めたい。

課題図書⑤『ワルのしかけ』 今井裕志

「人がいいでは会社を維持できない」「手段は選ばない」「敵を作れ!」というかなりの尖り本。内容は中小企業の戦い方について。とにかく具体的に、そもそもなぜ広告をつくるのかというところから、実際にお客を呼ぶためにやるべきことを一つずつ、ちょっと尖ってるけどなるほどな、と思わず頷いてしまう。
映像をつくってきた身として、企画したプロモーション映像が全然再生されなかったとき「これって何のためにつくったんだ?」という悲しい疑問を抱いたことを思い出した。映像をつくっても、YouTubeで流れたところまでしかわからないから、この映像が会社の成長に貢献しているのか、そこまで考えが及ばなかった。
そしてこの本は、あとがきが好き。
「わかった、そうやればいいんだ!」は誤解であり、無思考である。そもそもセミナー、ビジネス本を買い漁るのはなぜか、答えがわからないから。
本当にわかるというのは、自ら考えるというプロセスを辿ること、実践してみること以外にないと断言する。
ここまで言ってくれたら、非常に助かります。

課題図書⑥『知性の正しい導き方』 ジョン・ロック

この本が一番難しかった。単語は理解できるんだけど、文章が理解できない。本当に2.3ページくらいしか読めなくて、島田さんに聞いたら僕も1年間で20ページくらいしか進みませんでした、とのこと。
よくよく見たら、ジョンロックって政治経済で覚えた名前だ!ってなるくらい昔の人。
でも、内容をひとつひとつ頑張って噛み砕くと今にも通じることがたくさん書いてある。
もうちょっと、ちゃんと読み進めたい、、、

JV・アライアンスの講義

「アライアンス」という単語すら聞いたことなかったのですが、よくよく見ていくと自分が映像をつくっているときと本質的には変わらない。
アライアンスとは、企業間の業務提携であると言葉で言われても理解はできるのですが、わかった気になるのが一番怖いところ。
でも、大事なところは共通していると感じました。独りよがりにならないこと、相手の目線になって考えること、自分一人で抱え込まないこと、理解はできるからこそ、実際にやってみながら何回も見返していくコンテンツになるのかもしれません。

研修を通して

報告会ではスライドにまとめる形で発表することにした。発表中あれ、この本とこの本で実は言っていることが同じだ、となることが多々あった。
例えば、『アウトサイダーの幸福論』と『アルケミスト』はどちらも旅についての本であったが「夢を追うことは苦しい、でも夜明けの直前に最も暗い時間が来る」ことや
『ワルのしかけ』と『JV・アライアンス講義』では「まず実践してみなさい、それ以外に道はない」と言われているし、
何よりすべてのコンテンツで「著者の解」が示されていた。もちろん当たり前のことではあるが、著者は何かしら考えを尽くし、具体と抽象をおうふくしながら、ああでもないこうでもないと思案し、そしてようやくその解に辿り着いたのだ。その人しか持っていない解があるとすれば、それを求めて人はやってくる。
今はとにかく吸収する時間。吸収し、そして考え、それを巡らせ、大きな問いと解を見つけていきたい。
今週はさらに1冊増えて7冊、講義の方もボリューム満点だ。

人口6190人目になりました。

本音のところ

楽しかった!というのが感想になります、、、
ものすごく、果てしなく続いていく道の第一歩を踏めたみたいで爽快だった。
あと、田舎暮らしは全然スローライフじゃない、むしろ戦い。
あとカメムシスプレーを吹きかけると大量に寄ってきて、そして死んでいくので、明るい時間帯になるべく複数人でやってください。
そして、猫を飼うとネズミ退治をしてくれるけど、のんびり系の猫ちゃんだったらサボることもあるらしいのでアテにしないでください。
なんだかんだ、一番嬉しかったのは庭に猫ちゃんがたくさんいること。カメムシが全部猫ちゃんならいいのになあ。

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