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涼州詞の思い出

そんなんある?

ええ、あるんですよ。そんな人はあまりないと思う。

涼州詞は、高一の時、漢文の授業で習った、中国の悲しい詞。

葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
酔臥沙場君莫笑
古来征戦幾人回

授業で返り点をつけて、意味を説明して、先生が、これを10分くらいだったか、「自分なりの文章にしてみよう」という課題で、時間が来るとプリントを集めて、次の授業の時、先生が良かったと思う生徒のを印刷して、発表させた。

その時、私も当てられて、「この表現はニクい」と先生に言われて嬉しかったのだけど、私の次に当てられたO君が、童顔に反した渋い声で読み上げたもの

美味なる酒を
呑むほどに
琵琶の音遠く
鳴り響く
酔いつぶれても
笑うこと勿れ
かつて帰りし
人は無し

(… …え?? 何?なんでそんなことできるの?
七五調で?なんでそんなこと思いつくの?あの短い時間で??このクラスにそんな人いたのか!)

斜め前のほうに座る、華奢めでちょっとシャイの漂う学ランの背中をびっくりして見つめた。

私は一回聞いただけで、この詩が忘れられなくなった。今もこうしてそらで書ける。

O君とはしゃべったこともないし、その後もしゃべったことなかったけど、あんまり驚いたので、他のクラスの女子の友達に、興奮してかっこいい!かっこいい!としゃべってたら、部活が同じだったかで、O君にそのことを伝えてくれて、O君が「俺もあれ、かっこいいと思ってんて~」と言ってたと聞いて、大笑いした😆

涼州詞自体は辛い詞だけど、O君に私の感動が伝わって良かった❤️





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