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師走

 気づけばもう12月である。今年ももうすぐ終わる。

 武漢で新型肺炎が騒がれ始めたのも去年の12月であった。その頃も自分はこたつでパソコンを見ながら、「これが世界規模で流行したりするんだろうか、でもこういうの、大抵そんな大事(生活に直結するような事態)にはならないんだよな」などと思っていたのを覚えている。残念ながらその後、自体は悪い方向へ進んでいくのだが。

 とはいえ、幸いなことに個人の生活という面ではそこまでの影響は受けていない。仕事のスケジュールが変更になったり、職場でマスクをずっとつけていなければいけなかったりというのはあったが、仕事の量が減った分労働時間も減ったし、起こったこと全てが悪いわけではなかった。もちろん仕事が減ったのは会社としてはよいことではなく、給料にも多少は影響したのだが。

 もっともこれは個人の話であって、医療の現場であったり、あるいは飲食業や観光業、交通関係などに多大な影響が出ており、大勢の人が過多な業務の負担や経済的な苦境に直面していることはみなさんもご存知だろう。マクロで見れば悪い状況でも、その影響が個人にどう降りかかるかと言うのは大きな差がある。オンライン授業のほうが対面より好都合な人もいただろうし、ソーシャルディスタンスの世の中のほうが居心地がいいという人もいるだろう。悲惨な面ばかり語られる先の戦争も、その悲惨さは人それぞれだったのかなと思った。

「我慢の~」「勝負の~」というのも最近耳にするが、それらで状況が好転するような兆しは見えていない。夏頃にはそろそろピークは過ぎましたかねという話もあったような気もするのだが、どうやら数年単位の話になりそうである。

 冬になってマスクをしていても夏ほどの不快感はなくなった。ただ最近困るのは、午後、マスクの中から吐息の暖かさが抜けなくて、たいへん眠くなってしまうことだ。とはいえ、多少あくびをしてもマスクのおかげで誤魔化せるというのはある。

 身近に感染者は出ていないので、職場の人たちも、会社から言われた感染対策は守っているものの、ピリピリした雰囲気を感じるほどではない。忘年会なども今年はなさそうだが、別に期待していなかったし、むしろそのほうがよい。

 個人の生活で言えば、もともと仕事に行く以外はひきこもりのような生活をしていたため、特段の変化はない。早くからソーシャルディスタンスを保ったニューノーマルな生活をしていたわけである。

 個人的には今年以降の出生数の推移が気になるところである。80万人を切るのではという話も聞いた気がするが、それでも数割の減少で済むのだなという感じである。仮に来年以降コロナが収まっても、劇的には改善しないのではと思ってしまう。大学のオンライン授業化で学生どうしの交流が減っているの、異性交際の数にも影響してるだろうし、将来的な婚姻数の減少にもつながりかねないんじゃないかな。

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