見出し画像

『クオリア』/ Adeliae ②

はじめに

 はじめましての方ははじめまして、前回の記事を読んでくれた方はまた来てくれてありがとうございます。改めまして、ちよです。
 クオリア1周年おめでとうございます🎉🎉🎉
 今回は1周年を記念して、前回話せなかった分まで語り尽くして行きたいと思います。前回の記事をまだ読んでいない方は、下のリンクからそちらを先に読んでいただけると、より楽しんでいただけると思います。稚拙な文章となるかと思いますが、どうぞ最後まで読んでいってください。

前回の記事

クオリアとの出会い

 改めて、この曲との出会いについて話していきたいと思います。前回、ボカコレ(アプリ)のあなたにおすすめの作品に流れてきたからだと思うとお話したと思うのですが、どうやら違いそうな気がします。当時好きだったジャンルは爽やか系、可愛い系で、おすすめに流れてきていたのは🏷爽やかなミクうたや🏷恋するミクうたのプレリスでした。これをよく聴いていたので、クオリアもそこで出会ったのだと思っていました。これを聞いておかしいなと感じた方は生粋のあでりすなーです。そう、クオリアにそのようなタグはついていません(図1)。

図1 クオリアについているタグ

図2は「爽やかなミクうた」タグがついているだけでクオリアとは関係ない曲のタグ欄です。

図2 「爽やかなミクうた」がついた曲
『時計のエスコート / 雪乃イト』

じゃあどこで出会った曲なのか。これは僕の憶測なのですが、ニコニコ広告でトゥルルルルンルン♪の後に流れてきたのではないか、そう思いました。当時僕はプレミアム会員に入っておりませんでしたので、2,3曲に1回くらい流れていました。懐かしいな。ニコニコ広告で初めて会ってプレリスに入れた曲もたくさんあるので、可能性があるとしたらそれくらいかな、と思います。(というかプレミアム会員でもニコニコ広告は流れて欲しいって思います。それとも僕が知らないだけで設定で変更できたりするのでしょうか?)まあ当時はいくつもある好きな曲のうちの1曲、程度の認識だったので出会いがうろ覚えなのは仕方ないと言えば仕方ないような気もします。。。

この曲の何が好きなのか

 好きに理由は無いです。好きなモンは好きなんです。この曲の要素の全部が好きです。イントロ、メロディ、サビ、曲の展開、調声、歌詞、あんどそーおん、どこを取っても好きです。

イントロ

 イントロで惹かれた曲って、だいたい好きですよね。お笑いしにろなんにしろ「つかみ」ってすごく大事なんだと思わされます。クオリアのチャン チャチャン チャチャンチャンチャラララという音(楽器?)を何と呼ぶのか分からない(ただの無知です)のですが、この美しさの中に寂しさがあるような繊細な音使い、そこからのドラムによる盛り上がり、とても好みです。えへへ

メロディ

 コード進行とか、そういうのよく分からないのですが、この曲は聴いていてなんか心地いいなって感じます。あでさん本人もお気に入りの理論らしいです。音楽の論理…改めてしっかりと勉強したいですね✍🐧

サビ

 一番の大好きポイントです。歌詞も相まって、サビのリズムが本当に好きです。まあサビは曲の一番の見せ場なので当たり前といえば当たり前ですけどね。韻を踏みながらも歌詞の意味が崩壊せず、だんだんと音程が高くなって、よりミクさんの声が際立つような感じ。サビ終わりの「閉ざしてしまわないで クオリア」が寂しさや切なさを物語っている感じ。上手く言葉に出来ないのですが、とにかく好きです。僕は以前「閉ざしてしまわないで クオリア」を「1人で解決しようとしないで」と解釈したのですが、他にもいろいろな解釈が出来ると思います。(僕にはこれ以外の解釈ができなかったのですが。)何はともあれ、クオリアを閉ざすという言い回しが、本当に好きです。言い回しも好きだし、閉ざしてしまわないでクオリアと倒置したのもお洒落で好きです。閉ざしてしまわないでクオリアが好きです。大事なことなのでもう一度

曲の展開

 やはりコード進行とかはわからないので、感覚だけで話します。
 イントロとAメロで寂しさや切なさの中にある小さな美しさを表現し、Bメロのリズム変化で登場人物の心情の変化(部屋から出てきて欲しい→君になにかしてやりたい)を表現しています。サビは先程も言ったので言うまでもないですが、だんだんと音程が上がってサビ終わりで一番盛り上がるような感じがいいですよね。
 2番に入るとAメロが少し変わります。優しいリズムにすることで「安らげる僕もいる」をより強調しています。そして、直後の歌詞に「っ」を入れることで勢いを取り戻したかのようにBメロに入ります。「僕が消えちゃう前に」と「星が帰っちゃう前に」の文字数の差は「っ」だけなのですが、これだけでだいぶ印象が変わりますよね。Bメロ終わりは1番とは違って4小節分めいっぱい音を伸ばしています。
 Cメロに切り替わった瞬間、「尽きぬモノローグにーーー」の高音とは打って変わって「羨やまれることなどないと思っている」と低音になります。雰囲気をガラッと変え、落ち着いた「僕」を表現しているようです。ラスサビ前に勢いを殺さない程度に抑えて最大限まで焦らし、ラスサビで一気に解放しています。1回目のサビ以上に高い音にすることで盛り上がりがこの曲で最高潮に達します。この声域の広さはボカロならではとも言えるでしょう。最後は伴奏が止まって声だけの「クオリア」でフィニッシュ。儚くも希望を感じる、美しい最後ですね。「クオリア」の後は10秒くらい無音な状態で余韻に浸っていたいような感覚がいつもあります。でもプレリスだとすぐ次の曲が流れるのでちょっと勿体ないですね。
 簡単にと言ったのにだいぶ熱く語りすぎてしまいました…

調声

 今更言うまでもないと思いますが、あでさんのミクさんの調声はとにかく美しい。はきはきと喋り、1音1音を大切にしているような声の出し方、高低音の扱いが上手なのはもちろんのこと、音の最後まで伸ばすからビブラートも際立つ。ミクさんの良さが最大限活かされていると思います。ニコニコ超会議でAdeliaeさんのブースを尋ねた際、クオリアの音源データ付きイラストカードを購入させていただいたのですが、アカペラも聴きたいですと言ったら快く引き受けてくださいました。その節は本当にありがとうございました🙇‍♂️

歌詞

 今回は内容よりは言い回しや言葉の裏に隠された意味などを中心に話していきたいと思います。Adeliaeさんの曲って歌詞もすごく印象的で、言葉選びの一つ一つがお洒落ですよね。また、前回は急ピッチで書いていたので少々雑になっていたかもしれないので、一部補足も載せております。

扉の前 立ち止まり 僕はただ息を押さえ待つ
今日もまた25時 ノックの音だけが響いている
瞼の裏 胸の内 君がどの痛みを覚えても
それをまた 僕がまた 手に取ることさえ叶わないもんなあ

僕が消えちゃう前に 何を見せれるだろう?
滲む瞳のスクリーンに映るこの夜に

語られぬ 言葉の波に揺られる
「私ばかり」が増えていく
物の分かりも良く 消えたりはしないんだろう
流れる 耳をすませば聞こえてる
ホントのこと数えていく
その一つでもさ 奪われはしないから
分かっている ただ声を聴かせておくれよ
閉ざしてしまわないで クオリア

扉の前 振り返り 笑う君を思い返してる
慌ただしく 花々しい 憧れに直走っていく
何を見て何を思い至ったのか分からないけど
君はただ君のその大切を守りたいだけなんだよね

でもその呼吸の音だけで
安らげる僕もいる

星が帰っちゃう前に 何ができるだろう?
ほぼ消えかけのフレーバーに 尽きぬモノローグに

羨やまれること等ないと思っている
「私だけ」が掠れていく
そうひとりでにさ 消えたりはしないんだよ

語られぬ 言葉の波に揺られる
「私ばかり」が増えていく
物の分かりも良く 消えたりはしないんだろう
流れる 耳をすませば聞こえてる
ホントのこと数えていく
その一つでもさ 奪われはしないから
分かっている ただ声を聴かせておくれよ
閉ざしてしまわないで クオリア

そこに居たいのも分かっている
でも声を聴かせておくれよ
閉ざしてしまわないで クオリア

YouTube概要欄より引用

滲む瞳のスクリーンに映るこの夜に

 泣いているという状況ひとつとってもこんなにも素敵な表現ができるなんて…本当にAdeliaeさんの語彙力、素晴らしいですね。
 ここでは涙の中でも視界がぼやけるタイプの、悲しくて切なくて静かに湧いてくる涙を表現しています。悲しいという感情を表向きにしたくないのに目からじんわりと湧き出てくる、そんな様子だと思います。

語られぬ 言葉の波に揺られる

「語られぬ言葉」というフレーズですが、「君が何事もなく過ごしていれば本来語られるはずだった言葉」「僕の中にある、なんと表現すればいいか分からない言葉」「誰にも何も話せずに自分の中だけで解決しようとする『君』」など、、、色んな意味を含んた歌詞ですよね。前回は「君は何も言わないけれど」と解釈しましたが、これだけで表現できる代物ではなかったわけです。
 「波に揺られる」は「翻弄されている」「うごめいている」「身を委ねる」と言ったところでしょうか。前回はここの考察に一番苦労した記憶があります。

「私ばかり」が増えていく

「私ばかり」を何度も責める、「私(のこと)ばかり」で君のことを考えていない、なんで「私ばかり」がこんな目になど、たくさんの意味で読み取れます。そもそも「ばかり」という単語を辞書で調べたら本当にたくさんの意味が出てくるんですよね。一言で「「私ばかり」が増えていく」と纏められるのにたくさんの意味があるのは歌詞と奥深さと同時に言葉の奥深さも感じます。

物の分かりも良く 消えたりはしないんだろう

 物分りが良い→理解するまでに時間を要さない→簡単に、と考えると「簡単には(君になんと言えばいいか分からない、君に何もしてやれなくて「私ばかり」を責める、と言った感情、状態は)消えたりしないだろう」といった意味でしょうか。言い回し方お洒落すぎませんか?

流れる 耳をすませば聞こえてる

 流れる:時が流れる、音が流れる、血が流れるなど、これもまたたくさんの意味を持つ言葉です。永い時が流れている。部屋の中から音が流れてくる。君が生きている(血が流れている)。たったの3文字でこれほどまでの情報を表現しているんですね。

ホントのこと数えていく

 今の状況からわかることを汲みとるといった意味だと思われますが、「数える」と言っているので、少なくとも1つではないのだと思われます。

その一つでもさ 奪われはしないから

 きっとそれらは全部簡単に失われるものじゃないから、といった意味でしょうか。ここでも「その一つでも」と書くことにより複数あることを表現していますね。

分かっている ただ声を聴かせておくれよ

 この"分かっている"は少し強かっているように聞こえます。もう君は出てこない、分かっている、もう分かったから、せめて声だけを聞かせてくれ、と。

閉ざしてしまわないで クオリア

 ここは先程も話しましたがクオリアを閉ざす=自分の胸の内を誰にも打ち明けない、という解釈が一番好きです。

慌ただしく 花々しい 憧れに直走っていく

「憧れに直走る」は自分の願望を"憧れ"と表現し、その願望を叶えるために一生懸命てを尽くしていく、といった意味でしょうか。

星が帰っちゃう前に 何ができるだろう?

「星が帰っちゃう前に」は「夜が明けるまでに」という意味だと思われます。25時から夜明けまでの時間経過を表していると言えますね。また、夜明けまでに何ができるだろう?ということは、少なくとも夜明けまで待ち続ける覚悟があるというわけですね。ここでは「いつまでも待ち続けることだってできる。」といった意味で解釈できます。

ほぼ消えかけのフレーバーに

 一般に「フレーバー」とは、口に物を入れた時の感覚(味覚、食感、香りなど)という意味です。バスキンロビンスにはたくさんのフレーバーがあり、そこから食べたいものを選びます。ここでは「君」を「たくさんの人間の中の一人」と考え、フレーバーと例えたのでしょうか。はたまた、もうひとつの意味である「味わい」「趣」「ゆかしさ」のことを言っており、君の持つ趣(感受性)が今にも消えてしまいそうだ、と言っているのでしょうか。。。

尽きぬモノローグに

 君がいなくて、寂しくて、独り言が絶えない…そんな僕を描いていますね。

羨やまれること等ないと思っている

 誰にも羨まれない→誰が見ても幸せな状態とは言えない。なのに、、、と続きます。

「私だけ」が掠(かす)れていく

 サビでは「私ばかり」が増えていきましたが、ここでは「私だけ」が掠れていきます。「ばかり」と「だけ」は似て非なるものですが、ここでは語呂の関係で言い換えているだけで、意味は同じであるのだと思います。
 誰にも羨まれることのないこの状況。自分のことを客観的に見ても幸せだなんて思わないのに、自分自身は嫌じゃないこの状況。君に対する想いが固まり、待ち続けると決意ができて、いつの間にか「私ばかり」という気持ちが掠れていったのでしょうか。

そうひとりでにさ 消えたりはしないんだよ

 サビで「簡単には(君になんと言えばいいか分からない、君に何もしてやれなくて「私ばかり」を責める、と言った感情、状態は)消えたりしないだろう」と思っていた感情が、今は掠れています。心情の変化がきっかけとなり、ひとりでに消えることのない感情に終わりが見えてきましたね。

ラスサビ

 これまでの君に対する感情を振り返り、次のステップへ進もうとしています。
 不甲斐ない自分を悔いて、君に何も出来ないと思った自分。でも本当は何か特別なことをする必要はないと気づき、自分がすべきことを理解して、君を待ち続けることに。そうすると希望が見えてきて、不思議と幸せな感覚になりました。1番のサビに比べて「ホントのこと数えていく」でより高い音で歌うことでそんな心情が表現されているのだと思います。

そこに居たいのも分かっている
でも声を聴かせておくれよ

 でもやっぱり君がそこにいるんだって知りたい。ただそれだけでいいから。と、僕が最後の最後で少しだけ自我を出しました。少し強がっているのかもしれませんね。

閉ざしてしまわないで クオリア

 最後の「クオリア」を声だけにすることで、儚さと美しさを見事に表現できていますよね(n回目)。僕が一番好きなのはここの「クオリア」だったりします🐧🎵

「僕」の心情変化

 曲の始まりでは君に部屋から出てきて欲しいと思っていた僕。そこから、「君になにかしてやりたい。自分に出来ることはないのだろうか」と考え始めます。でも本当は何か特別なことをする必要はないと気づいて、君を待ち続けることにしました。簡単にまとめると、出てきて欲しい→なにかしてやりたい→何もしなくていい→待ち続けよう。といった具合でしょうか。こういった「僕」の心情の変化も、クオリアの歌詞を読み解く魅力のひとつだと思います。

さいごに

 ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。前回の記事の繰り返しとなる部分もいくつかありましたが、最後まで楽しんでいただけていたら、とても嬉しく思います。
 恥ずかしながら僕がAdeliaeさんを認知したのはプロセカにエターナルアリアが実装されて以降なので、ファン歴はまだまだ浅いです。が、クオリアに対する愛だけは誰にも負けない自信があります。これまでも、これからも、ずっと大好きな曲。僕のAT1選ですから。これからもたくさんクオリアを愛し続け、みなさんに魅力をたくさん発信していきたいなと思います。
 改めて、クオリア1周年、本当におめでとうございます🎉🎉🎉
 また別の機会にお会いしましょう❕🐧

Special Thanks

 僕のAT1選を生み出してくださったAdeliaeさん、美しいイラストを手がけてくださったからながれさん、この歌を歌ってくれた初音ミクさん、その他多くの関係者様に感謝の意を表し、締めさせて頂きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?