Inverted Angel 完走の感想(いつか見返す自分のために)
やっと全実績解除したので、感想を残しておこうと思います。
少なくとも俺にとってこのゲームは、初めてnoteにアカウント登録して投稿しようと思うぐらい印象的なものだった。ここ数年のうちでも非常に強く印象に残ったゲームの一つに間違いないのでグッズいっぱい買いましたありがとうございます。
普段は文章なんか書かないし本も読まないから考察とかじゃなくてホントにただ振り返って当時の俺はこんなだったと書き残すだけの感想だけど。
とりあえずクリアした順に各ルートの振り返り。あくまで自分が後で見返して気持ち良くなったりするためのものとして。
■Invalid Angel 私はあなたの恋人
俺の優柔不断さが導き出した一発目。
最終的に全てを否定されて恋人と認めざるを得なくなったエンド。優柔不断なのはやっぱり良くないなと思った。このエンドは他のに比べて異色というか結末だけ見るとバッドエンド寄りに見えるんだけど、実績見るとちゃんとしたエンドルートの一つっぽい。もう一回見たいけど見られないエンド。エンドタイトルにスイーツ感ないのもコレだけだよね。
■Higher Girl Pudding 女子力は自分のために
プリンEND。僕は私だったエンド。
カスタードプリンの花言葉は『一生そこに沈んでろ』
俺はこのルートに入った時、自分が女だと考えたわけではなくて同性愛カップルだと思ったんだよね。自分は「住人の彼氏」とか書いた気がするw
そしたら自分は女になってしまったなるほどな。これも自分の定義が変わってしまう辺り異色に見えるんだけど、気持ちの良い終わり方だった。
自分の定義が変わるのが異色とは言うけど、そんなこと言ったら彼女ちゃんなんて毎回変わっとるやんけ。ってな。
床に敷くほどのカスタードプリンを用意する労力もすごそうだ。
■Chocolate Hideout やたら綺麗に汚れた記憶
チョコレートEND。彼女に関する記憶が消えてたやつ。
このルートで一気にこのゲームに惹かれました。一番好きなルートと言ったらコレかチーズケーキで悩む。
彼女が最初から全てを説明するわけじゃなく、あくまで自分が色んな疑問に対して疑問としての輪郭をもたせることで真実に気づくまで話そうとするのが妙に魅力的に見えた。
普段アニメとか漫画で主人公とかに重要なことをなかなか説明しないキャラを見ると「さっさと説明してやればいいだけだろ」って思ってモヤモヤするのに、なんでだろうな・・・。きっとアニメ漫画キャラは、朝焼けが眼の前に迫っているにも関わらずもったいぶって黙ってるのが気に入らないんだろうな。
そしてここで初めて見た「朝焼けもまだまだ来ないんだから」という言葉が心に深く刻まれたんだけど、実はどのルートにもこのワードは出てきてゲーム全体のキーワードの一つみたいになってたやつ。そしてゲーム全体のキーワードと言えばこのルートの最後に入力する「言葉にできることは、考えていることのほんのひとかけら」なんだけど、比較的序盤にこのルートに来たせいでそこまでまだ印象づいてなかったので少し時間かかった。ヒント見て思い出したけど正確な言葉思い出すまでにまた少し時間かかったような感じ。
そして空いていたペットボトルの蓋には何か意味がありそうだったけど、俺の頭では読みきれなかった。
作者さんのツイート見たらこのENDは「初めて真相に到達した」実績解除の対象じゃないらしい。確かに言われてみれば自分の記憶が戻るにはまだ時間がかかるし、わかった記憶も彼女が話した内容とほんのすこしだけ断片的にフラッシュバックする程度だから、詳細な記憶が戻った時、いなくなった元恋人の顔を思い出した時に自分がどうなってしまうのかわからないから気持ちよく解決したとは言えないかも。
このタイトルの「やたら綺麗に汚れた記憶」って、YouTubeにあがってるこのゲームの作者さんが作った曲にある歌詞の一部なんだな。気持ちいいフレーズだと思った。
■Rusty Caramel Cage みんな生活が人質みたい
キャラメルEND。サイコパスカップル誕生。
血液を全部抜いてさ、そこにキャラメルラテを流し込もうよ。
彼女が何に気づいてるのか気づくまでに少し時間かかった。
気づいてることに気づくって二重の気づきがあってめっちゃ賢そうな言葉だよね!?
それはいいとして、俺は「自分は犯罪者」って入れたんだけど、結構冗談半分で入れたらあたってた気がする。サイコパス独白ショーとか言われるしうける。
キャラメルラテを流し込まれるのを想像するだけでゾワゾワした。
■Cheesecake Hallucination 明後日の方向の綺麗な明日を
チーズケーキEND。演技派ストーカー。
チーズケーキもつけてほしいな。ラズベリーがいっぱいで、可愛い感じの。
このルートほんとに大好きです。一番最後の文章も爽やかな読後感を与えてくれる。もう会うこともないと思っていた矢先にいきなりデートに誘って来る彼女ちゃんマジで可愛いな。
彼女は3年後にタイムリープなんてできるわけないじゃんって言ってたけど、俺はまだ彼女が未来から来たって思ってるよ。そうでないとこのルートの根本の辻褄が合わないしね。単に直接的なアプローチを諦めたから普通にお友達から始めて目的を達成しようと考えたのではないか。彼女が未来人じゃないと思わせることができればここに住み続ける理由もなくなるから。
こんな遠回しなことができるほど器用なのに、こんな遠回しなことしかできないほど不器用な彼女には幸せになってほしい。
■Scarlet Icecream あまくてすっぱい味がしたの
アイスクリームEND。すれ違う狂った愛情。
マッドサイエンティストとメンヘラはせめてどっちか片方にしてよ。
ここいらへんから明確にルート分岐探しをし始めたんだ確か。バッドエンドも含め見てないのを回収しながら、一度見たルートとかも見直したりして。
とは言え、このルートにたどり着くのにあんまり色々考えた記憶はなかったな。普通に読み進めてたら「大家さんのメッセージの口調おかしいやんけコレ」って気付いただけだった。
さて、キャラメルENDと並んで狂ってたけど、こっちは愛情が根本にある分まだ身内同士で終わりそうだなと、大して意味もないことを思った。
ていうか別に足一本持っていかなくても腹の肉の一部削ぎ落とすとかで良かったよねなんでごっそり持っていってしまったのか。大胆すぎる。
この話を見て、俺は以前誰かにこんな話をされたのを思い出した。
「食べちゃいたいぐらい可愛いみたいな表現あるけど、そんな比喩じゃなくて実際に恋人を一部でも食べてしまえるぐらいに愛せるんなら、それ以上の愛ってなくない?」とかそんな感じだったと思う。
このルートの彼女ちゃんが言ってたのはまさにそんなことだ。もっと難しい表現で喋ってたけどw
実際に愛情から特定の人間を食べたいと思ってそれを実行してしまうそんな人間がどのくらいいるだろうか。そういうのって、ちゃんと調理してから食べるんだろうかね。
■Fool on the Suger Board 死んでなおすほどでない馬鹿でありたい
シュガーEND。九死に一生の浮気者。
エンドルートとしては最後にたどり着いたやつ。このルートが終わる頃には実績の残りは最終ENDとバッドエンド2つって感じだった。
このルートは一番つまづいたな。最初の矛盾は俺ずっと「泊まったのに翌朝の記憶までないのはおかしい」だと思ってたんだけど全然ちがくてw
しかもここ、「自分」と「ない」が鍵になっててこの文字が入ってるとバー上がっちゃうっぽいんだよね。なんなら「自分 ない」だけ入れたら進んじゃったことあったし。だから「自分の家に泊まったのに翌日のことも記憶にない」とか書くとかなりいい伸び方しちゃうから絶対この辺だろ!って思って相当言葉変えてなんとか進めないか試しまくった!どうしようもなくなってヒントに頼った!そしたら一瞬で終わった!!
そしてこのルートは個人的には結構違和感が残ったんだよな。
一番気になったのは、本当の恋人は回想の中では自分たちの関係をやたら俯瞰して見てるような言い方をする割に、さっさと関係を切ってしまおうとは思わずに積極的に相手を殺してもいいと思えて実際に行動してしまうほどこじらせちゃってるとことか。死んでくれて構わないどころか殺したいぐらい許せないけど、一方で死なずに生きてたら今後も普通に付き合いを続けてもいいと思ってるのはどういう感情なんだ・・・?
こっちはこっちで、いくら自分の浮気性が原因とは言え、自分を殺そうとするような恋人を簡単に許して土産話を聞いてやろうとは少なくとも俺は思えないと思うな・・・w
思えないと思うって、二重に思ってそうでry
このルートの世界観が命の扱いが軽すぎるフシがあるなと思った。
番外 PARALLELCONNECTION
最後まで見つけられなかったバッドエンド。
実はそのヒントに至る考えを持っていたんだけどなぁ。
シュガールートに行った時に見た「グラブラックス居酒屋」を調べようと思ってたんだよ。でも「グラブラックス」ってどうしても単語覚えられなくてさ。その後実績回収に何度か用語検索まで行ったのに、その度に「グラブ・・・なんだっけ?」って思い出せなくて保留し続けた結果がコレ。
結局、攻略サイトでたまたま目にした「シュガールートだぞ」「用語検索で特定の用語検索だぞ」って見てしまった後にたどり着いた。とても悔しかったです。
■Inverted Angel 天使は足音が鳴らない
最終END。俺も役名は見たくない。
もう少しだけお話しようかな。羽根なんて見えないって諦めるために。
自分も彼女も考えをほんのひとかけらずつ交わしながらほんのすこしだけ理解した上でたどり着いた因果律の終着点。
俺はこのゲームの全てのルートで見た彼女ちゃんがどれも愛おしく見えたから、どれか一つの因果律が正規のルートですなんて結論を与えられたくないなと思ってたのでこのエンディングで本当に良かった。
お互いそれなりに理解した上での会話だから変に意見が衝突することもなくすんなり会話が進んでいくのを見て、俺は「二人の関係もここまで来たんだなぁ」とかなんとか思いながら俺自身も最初あんまり理解できてなかった彼女ちゃんの言うことをほんの少しでも理解したつもりになってることに気づいた。1時間弱ぐらい?の物語を20時間以上も見ていれば、少しぐらいはその意味するところに気付けるようになるもんか。
そして最後の窓に今までの各ルートに対応したワードが設定されてるのもすごいエモくていいよね!俺普段エモいとかいう言葉使わないんだけど!
最後にちゃんと朝焼けを見に行こうって言ってくれる彼女ちゃん可愛い。
俺は、天使の羽根が白くある必要はないと思うよ。
■〆
全実績解除まで20.4時間かけたらしいです。800円・・・セールで640円で買ったゲームにここまで夢中になるとはホントに思ってなかった。ここ数日、頭の中はずっといんばねでいっぱいだったよ。子供みたいに台詞真似して使っちゃうぐらいには。
全実績解除はしたけど、なんかまだ気づいてないこと色々ありそうだし、何より彼女ちゃんとの会話が心地良いからまた何度かは来てもらおう。ルートの追加もあるっぽいしな!
普段なら神ゲーって言葉を安易に使いたくなるところだけどこのゲームに限ってはそういう表現をしたくないなと思ってるんだよね。
この前俺は「そりゃコレだけ生きてれば、あらゆる色の絵の具が混ざって真っ黒くもなるよな。」ってツイートしたんだけど(ハッシュタグもつけてないのに作者さんにもいいねしてもらってちょっと承認欲求が満たされたんだけどありがとうございます)、このゲームはそんな真っ黒になった俺に、あらゆる色が混ざった真っ白い光を少しだけ注いでくれるそんな作品だったような気がします。素晴らしい作品に出会わせてくれてありがとうと言いたい!ありがとう!
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