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Rock Novel シンデレラ物語 アクセルとトム

「トムトム LAのアクセルって人から
電話よ〜 誰かしら? 聞き覚えがある声だけど」

「お母さん、お姉ちゃんの行ってたインディアナの教会で歌ってたビル ベイリーだよ。
名前変えたんだ。」

「もしもーし、よ、ビリー
じゃなかった、アクセル!どうしてたんだい?」

「元気かよ〜 トーマス!」

「ああ、もうすぐで高校卒業、そしたら
母さんがモノホンのレスポール買ってくれるって言う
約束なんだ!」

「なーんだ、まだ母ちゃんのオッパイ吸ってるの
かい?」

「そう、そのお陰で身長183cmに達したとさ!
お前は?」

「とっとと、インディアナの実家出てきたから
174cm で止まりましたとさーだ。
トムには全ての長さで負けてるよ、多分。」

(大笑い)

「あ、でもスクリームの伸びでは勝ってるかもなー。競争するかい?」

「ah〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」(アクセル)
「ah〜〜〜〜〜〜〜〜」(トム)

「悔しい〜負けた〜よ。」

「やった〜やっぱりな!トムでもお前
声変わったな。唸りがブルージーになった
よな。色気あるぜ!LA出てくればイイのに。」

「どうなんだよ、そっちは?」

「酒は旨いし、ネーちゃんはキレイだ!天国!
って言いたいところだけど、Denny’sでまだ
スクラップ食って、ダチと雑魚寝。
でも、ロンドン生まれのイカレタ奴や
シアトル出身の気のいい奴らと出会って
楽しくやってるよ。インディアナの高校から一緒のイジーにも再会できたしさ。」

「お前が前に言ってた親友のイジーと会えたのか、
良かったな、エリンはどしてるんだ?」

「エリンは今、モデルの仕事で日本行ってるんだ。」

「そっか、彼女も頑張ってるんだな。よかった。」

「トーマスお前は?」

「オレは、学校行きながら夜は地元フィラデルフィア
のエンパイア クラブでギグやってるぜ。
まだカバーバンドだけどな。でも18歳になったら、ニュージャージーのギャラクシーってとこへの遠征するつもりだよ。」

「そっか、着々とキャリア積んでるわけだな。」

「おお、卒業したら、オヤジに家出てけって
言わたされてさ、そろそろ
住む場所も考えなきゃならないしな。」

「いい、親父さんだったよな。」

「14の時にさ、はじめてアクセルに会った
時にうちの両親の事羨ましいってお前
言ってたな。でもな、その時言えなかったんだけど
うちの親父、実の親じゃないんだ、生みの親は
オレが小さい時に死んだらしい。覚えてないけど。
トランペット奏者だったみたい、母さんも
教師になる前はピアニストだったんだ。」

「そうだったのか、オレも最近知って驚いちまった
んだけど、やっぱ親父とは血が繋がって
なかったんだ、通りで妹や弟達と待遇が
違った訳だよな、オレ教会で歌っててもさ、
殴られてばかりいたしさ、
それで、LAに家出して来たわけさ。」

「そうだったのか、お互いそれもバネにしようぜ。
お袋さん、今さら恨んでもしようも、ないしな。」

「オレは恨んでるよ。忘れられない。
この怨みを唄うんだ。」

「それも、お前らしいな。」

「じゃな、気が変わって西海岸出てくる
気になったら連絡くれよ!借りてた100ドルまだ
返せなくて悪いな。ギター🎸買う金だったん
だよな?」

「その事は言いっこナシ、もうすぐギブソン
手に入るしさ、いつかそっち行ったら
うまいものでもご馳走してもらうよ。
元気でな!」

「恩に着るぜトム。じゃあな!待ってるぜ。」

(ガチャ)

「トムトム、ビル君大丈夫なの?」

「ああ、元気そうだったよ。ママに宜しくってさ。」

「ビル君可愛い〜 赤毛のおかっぱ頭の子
 だったわよね〜
お歌とピアノのお上手な。amazing grace♬
弾いてくれたわね。お母さん、感動したわ🥺」

「そうだね、また歌ってくれるよ。今度は
大舞台でさ!僕も負けてられないな。」

1978年 トーマス キーファー 17歳
インデイアン サマーの冬のある日

The End









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