#カワイクイキタイ28「ずっと忘れませんように」
あの最低のヒロインは、残される人のことなんて何も思いやらず、他人の人生を呪うだけ呪って、自分勝手にいなくなった。
羨ましかった。
あんな風に生きられたら。あんな風にいなくなれたら。最低だからなんだ。どうせあなたは、私を嫌いになれないでしょと。誰かを信じてみたい。それがどんなに、キレイな形じゃなくても。
命は季節とおんなじで、ただ過ぎ去ってゆくもので、春は努力で冬にならないし、ずっと夏がよくてもいつか終わって秋になる。いつか必ず終わっていなくなる。あなたも私も。