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ワクワクすること~R&Bの世界~

〈ワクワクの原点〉


 小さい頃から、私の家では常に音楽が流れていた。サザンオールスターズやユーミンのほかに流れていたのは、小学生には到底歌詞など理解できない英語の歌ばかり。すべて母の趣味だった。ご飯を食べる時も、流行りの曲が流れている音楽番組を観たかったし、外出する際の車の中でさえもそんな音楽ばかり流れていて、最初はうんざりしていたのをよく覚えている。

 その印象をかえたのは、小学三年生の冬のあるできごとだった。

 母が夜に私を連れだしたのは、近所にある小さなライブハウスっだった。ドアを開けた瞬間に飛び込んきたのは、派手なライトの光と、全員で合わせた真っ赤な衣装、そして生演奏の爆音だ。トランペットやサックス、トロンボーンの耳を揺らすような音圧には、最初とても驚き、耳をふさいでしまった記憶がある。さらに、特に印象的だったのは、ステージの真ん前で叫んで踊っている大人の姿だ。普段決してみることのない姿だった。そして後から気づいたのが、そこで演奏されている曲たちが、いつも家で流れているものだということだ。普段は子供たちを叱り、騒ぐことなどない大人たちをこれほどまでに魅了するステージと音楽に興味をもった。

 これが私とR&Bの出会いだ。

〈R&Bとは〉

  そもそもR&Bとは、黒人大衆音楽をもとに、1940年代頃から、発展した、ブラックミュージックの1ジャンルである。リズム&ブルースの略で、リズムとビートにのり、叫ぶような、ソウルフルな歌声で歌うことが特徴的だ。代表的なアーティストには、アレサ・フランクリン、ジェームズ・ブラウン、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーなどがあげられる。日本人アーティストでいうと、久保田利伸、Misia、鈴木雅之などが、R&Bの流れをくむ曲を多く出している。

 ブルースや、ゴスペル、ジャズなどと融合しながら、発展してきたR&Bだが、その後ファンクやソウルミュージックなどにも多くの影響を与えたり、現材でも進化し続けているジャンルだ。

〈ワクワクの発見〉

 原点のところにさかのぼってしまうが、私は見事にR&Bの音楽と、その曲たちが演奏されるライブハウスに通うことにはまってしまった。確かに聴いていると、大人たちがノリノリになるような感覚がなんとなくわかってきた(大人たちにはその時代を思い出す、思い出補正もだいぶあると思うが)。そして何よりバンドをしている姿が楽しそうでキラキラしていて、かっこよくて、あこがれを抱いた。それに加えて、小学生の頃の友達に自分の好きな曲の話をしたところで伝わるわけがなく、周りでは流行りの音楽の話ばかりで、会話についていけなくなって、寂しさを感じたのもよく覚えている。

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参照:日本の学校(好きな音楽のジャンルランキング、高校生アンケート!)https://school.js88.com/koukousei/life/ranking/musicgenres

 このグラフは、2018年に統計されたもので、少し新しいものだが、現代の高校生が聴いている音楽のジャンルをまとめたものだ。(青が男子、ピンクが女子のグラフ)これを見てもわかるように、私が小学生だった15年程前の時代も、R&Bを聴いている子供はほとんどいなかった。

ここで私に小さな夢(目標)ができた。「将来、音楽の話ができるような友達をつくること、そして、自分もバンドをやって、R&Bの良さを伝えること」

この2つの小さな夢をかなえたのが、大学で入った軽音サークルだった。

〈ワクワクすること〉

 大学では、オールジャンルの音楽ができる軽音サークルに所属した。軽音サークルには珍しく、トランペットや、サックスといったホーン隊がいることが私の好きな音楽をやるには不可欠だったので、それが決定打だった。もちろんメタルやハードコアといった、私が聴いてこなかった音楽をやっている人もオールジャンルなので結構いる。しかしそのサークルのよさは、みんな音楽が大好きな人たちなので、聴かず嫌いをしないところだ。「さっきのライブの曲知らないけどめっちゃよかったよ、音源ちょうだい」のような会話がよく行われていて、自分の知らない新しいモノに興味を持ってくれる人が多くいた。

 このような環境で、自分の好きなR&Bの世界をもっと深めること、そして大好きな音楽を仲間と一緒に作り上げること、そして新しい音楽に常に出会うこと、これが私のワクワクすることだ。

 サークル自体は卒業してしまって、ライブをする機会はほとんどなくなってしまったが、最近はライブハウスに友達と行ったり、音楽を聴いているときが最高にワクワクする。好きなことを一緒に共有しあえる仲間に出会えたことが幸せだと思う。

 今後は社会にでたら、このようなプライベートの時間は大きく減るだろう。しかし、仕事の充実がプライベートの充実に直接影響してくると考えているので、どんな時も好奇心を持ち、全力で楽しむ精神を忘れずにいること、何事にもワクワクした気持ちでいること。これが次の私の夢(目標)だ。

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