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「想い」流経大柏BEAST

2018年 流経大柏BEASTの物語が今日終わった。

千葉県リーグDiv1から数えて20試合目。
彼らが積み重ねてきた勝利と勝点は、ただの数字とは全く異なったものと受けとめてきた。

金井佳祐君(31期生・現帝京大)らが昨年、参入戦1回戦で東海大相模に逆転で敗れ、プリンスリーグ関東昇格は流経大柏Bの悲願となっていたはずだ。

参入戦の悔しさは、参入戦ではらす。
TOPチームにも負けない力の証明。
次の年代へ最大の置き土産。

プレミアリーグの直下にあたるプリンスリーグに昇格することは様々な意味を持っていたはずだ。

自分たちが想い描いた物語。

しかし、現実の物語はあまりにも厳しいエピローグになっていた。

流経大柏B 0-3 帝京

厳しく冷たい前橋の風は、敗れた君たちの肌をどれほどに突き刺したことだろうか。
勝ち負けしかない勝負の世界。
強い方が勝つのではなく、勝った方が強い。
歓喜と悲哀は表裏一体、運や偶然など通用しない。
勝負が決した時点で全てが必然となる。

時間が経過し、少しずつ冷静になっているだろう。

なぜあのときあんなプレーをしたのか・・・。
もう少し違うやり方があったのではないか・・・。
冷静になり、切り替えようとするほど、何度も何度も思い出してしまう。

それこそが、敗者が受け入れなければならない、悲哀なのかもしれない。

一人になると、一層感情は溢れ出す。

悔しさで顔を上げられない仲間の姿。
怪我で途中離脱し、ピッチに立てなかった仲間の姿。
怪我からようやく復帰したが、勝利を共に分かち合うことができなかった仲間の姿。
ベンチ入りが叶わず、応援席から一生懸命声を出してくれた同級生や後輩の姿。
飲み物や身の回りの世話をしてくれるマネージャー。
影ながら支えてくれて、いつも足を運んでくれる親。
必死にしがみつき、くらいつき共に闘った仲間の姿。

そして
厳しい言葉を浴びせられるのに、勝って胴上げをしてやろうと考えていたあの背中。

その一つ、一つが、はっきりそしてくっきりと、頭の中を駆けめぐり、止めどなく感情が溢れ出す。

敗北は次の瞬間に“過去”のものとなる。
しかし、この敗北にしばし浸り、あらゆる傷口に染み込ませなければ、勝利への「糧」となってゆかないのではないだろうか。

たくさん試合を観れたわけではない。
ただ、観ることができたいずれの試合も、前線からのハイプレス、そして90分闘う姿勢を貫こうとしていることが、ひしひしと伝わってくる試合ばかりだった。

流経大柏Bが見せてくれたプレーは、私自身が思う「流経」と重なって見えた。
いつになっても、いつのときも、どんなときも、全く色褪せない「流経」である。

参入決定戦が高校生活最後のサッカーになった者も少なくはないだろう。どうか、この先のそれぞれの道で活躍することを心より祈っています。

昨年、埼玉の空は悔しさで曇り、今年、前橋の空は厳しく冷たい現実を突きつけた。

来年、どこかの空が流経の歓喜で晴れ渡ることを願い、後輩たちに想いを託そう。

2018流経大柏BEASTの皆さん
本当にありがとう、そしてお疲れさまでした。

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