影のマクベスと酒屋の息子とズルくない女。
俺は忙しいからって言ってたマネージャーの楠木さん。忙しいのはマクベスの為でした。何度も関係者にお願いしては頭を下げ、マクベスを何とか売れさせようとするがうまくいかず、いつの間にか諦めてしまっていました。
夢中で熱くなれるものができても、うまくいかずに時間が経てば冷めてくる。それが現実。そんな現実でも楠木さんは動き続けてきたんじゃないかなって思うんです。だって最後、自らマクベスに会いにゆくじゃないですか。小さな1歩だけれど。その1歩はもがきながらも何かを探してきたからこそ踏み出せたんじゃないかなって。解散は決まっちゃったけれどマクベスとの時間は無駄じゃなかった。最後まで一緒に仕事をしようって僕には見えました。クールだけれど芯があってタフな人。まさしくマネージャーとしての素質を見せられました。
潤平は酒屋を継ぐ意志を父に認めてもらう為、一所懸命です。親に頭を下げ、町の人達に声掛けしてお願いしていく日々。あれ?これってマクベスを売り込む楠木さんと一緒やん!?クールな楠木さんと違って全身全霊で取り組む潤平の潤平らしさが好きです。(決して楠木さんがダメとかじゃないから!)。軽トラに乗って、姉と2人で交わした会話。マクベスをやってきた10年と一所懸命やっている今をちゃんと見てくれていたんだ!って思ってグッときました。酒屋をがんばってる潤平を見ているその楠木さんと、会社で面接をするつむぎ。然るべきことを言う楠木さんに、つむぎも臆することなく返します。あの場面は涙なくしては見れませんでした。つむぎもクールに見えるけれど、めちゃめちゃしっかり者で、夢中になれるものを探している。それの為ならへこたれない!つむぎは全然ズルくない人。だってズルい人ってのは他人からズルいと思われている人でしょ?つむぎも、もがきながら探してきた。あの言葉はつむぎ自身を救ったようにも感じました。