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レガシー選手権2023夏参加レポート

1はじめに

お久し振りです。最近全然moで5-0出来てないため、特に良いことが書けずにいたのですが、今回6月24、25日に幕張で行われたプレイヤーズコンベンション千葉の中のレガシーの大イベント、レガシー選手権夏に参加できたので、その感想や内容を挙げようと思います。

2大会に向けて

日程が発表されてから、デッキの調整するべく5月は色々大会に参加したりしていたのですが、仕事が忙しくなったことと、勝利の女神ニケにハマってしまった(笑)ことから6月はむしろ回すより考察する時間の方が多かった気がします。その中で最も大きな選択として、「コンボで行くか、フェアで行くか」と言う悩みが常にありました。個人的にはコンボは好きではありませんが、大型大会では、早く勝負を決めることで後半戦の疲労を溜めにくかったり、相手の事故等に付け入って勝ちに行けるパターンも多かったりするので、早いデッキが好まれる傾向にあるのは間違いありません。勝率も一時期高かったので、コンボで行くか、と最初考えたのですが、しかしそもそも自分はニックフィットで勝ちたいと言う気持ちが大前提にあり、その気持ちの根底には「土地を並べて賑やかな盤面をレガシーの戦場で表現したい」と言う、どうしようもない情があることに気付いてからは、コンボと言う選択肢が頭からいつの間にか消えてました。結局のところ、楽しむために、自己表現のために、自分はこのデッキを握ってるのだ、と納得できたところで、次のデッキ調整の話に移ろうと思います。

3デッキ考察

ニックフィットの基本構造として、①老練の探険者を出す、②サクる、③伸びた土地で何か出して勝つの3構造についてそれぞれ考えました。あとは④のサイドボードも迷ったので記録として入れておきます。

①老練の探険者を出す

デッキのキーカードなのに後半腐りやすいのが難しい

老練の探険者が代わりのきかないカードであるため、緑の太陽の頂点4枚でサーチすることで実質8枚体制にしてデッキとして成立させているケースが多いですが、例えば大いなるガルガドン、悲嘆などの他に初手に欲しい非緑クリーチャーが多い場合はむかしむかしも選択肢に入り得ます。ただむかしむかしは確実に老練を手に入れられる訳でないこと、やはり2マナと重めなこと、を理由に今回は従来の緑の太陽の頂点4枚型で行くことにしました。また、後半のトップ勝負で弱いため、老練を3枚に減らす構築も検討しましたが、やりたいこと(土地を並べる)を考えるとやはり初手に来て欲しいので4枚としました。

②サクる

見つけたときはコレだ!と思ったが…。


ニックフィット使い永遠の課題として、「何枚の老練殺すカードが必要か?」と言う悩みがあります。陰謀団式療法が最高にフィットしているのは先打ちでも後引きでもわずか1マナで老練を瞬時にサクレることであると感じていて、出来れば療法4枚と、それに酷似したカードを3~4枚入れられれば良いと思いますが、陰謀団の療法士が残念カードだったので、まず何を入れるか、から考えていく必要があります。個人的には大いなるガルガドンがサクリ台として最も近い感じに思いますが、ガルガドンは(1)手札に干渉できず盤面にも後半にしか干渉できないため序盤は本当にサクることにしか役立たない、このため序盤に引きまくると盤面でも手札でも差がついてしまう(2)山を初手にキープする確率が低い(老練と療法のため森沼を優先的に確保したい)、の二点が大きく、今回は見送り。しかしこの弱点2点からどういうカードが5枚目以降の療法として適しているかが見えてきました。即ち緑か黒の低マナカードで、手札か盤面に干渉できるカードです。手札の差をつけるカードでは村の儀式や命取りの論争などのカードが優秀ですし、盤面では薮打ちの格闘除去や、踊り食い等の追放除去が優秀と感じました。その中で今回自分が目を付けたのは骨の破片です。③でも書く予定ですが、リアニメイト戦略とも相性が良く、また「サクらなくても撃てる」ことがかなり強く感じました(特にイニシアチブ戦)。それで療法4枚破片3枚のサクリ台7枚体制で回してみることにしました。しかし、本番前日のレガシー3戦で、ダークデプスに破片が腐ったりオークの弓使いに刺さりづらい(クリーチャー一体しか殺せないため)のが分かり、最終的にはアドも取れる死に至る醸造に帰結しました。後述しますが、オークの弓使いのせいで極端にドロースペルが弱体化してしまったため、サクリ台を除去カードに振ったのは間違ってなかったかな、と感じています。それ以外の老練殺すカードとして、今回は話題のオークの弓使い3枚も入れて回してみることにしました。老練、弓使い、醸造はそれぞれシナジーがあり、かなり良いように今も感じています。

③伸びた土地で何か出して勝つ

出れば勝ちカード筆頭

これがニックフィットの楽しいところなのですが、本当に伸びたマナの生かし方には様々な戦略があります。しかし今回の大型大会の肝が「高速デッキが多いであろう」ことを鑑み、なるべく序盤で干渉も出来つつ後半でも強い、カードを選出してみました。悲嘆忍耐のピッチスペル軍団はこの条件にピッタリなので搭載。ピッチスペルクリーチャーと相性の良い再活性も搭載しました。このままだとただの中速デッキなので、出れば勝ちカードとしてミンスクブー、ケイオスディファイラー、原始のタイタン+死者の原野、長老ガーガロスを入れました。

④サイドボード

強いカードであるが…。

フェアデッキにとってまず最初に見るべきは今大会で多いと思われるコンボ全般で、ストーム系、リアニメイト系、スニークショー、ドゥームズデイ、セファリッドブレークファーストなどは多いと思いました。(スパイやベルチャーなどのカウンター一発で沈みそうなデッキはあまり多くないと思っていたら、入賞した方もいたようで、凄いと思います。)それぞれに勝てるように、精神壊しの罠、虚空の力戦、夢を引き裂くものアショクを考えました。あとは多数が使っているウルザの物語系に激しく効く破滅的な行為と、コントロール戦などのデッキに広く強い嘘の神ヴァルキーを入れて回しましたが、概ね良かったものの、コントロール戦のヴァルキーは7マナのティボルトとして出しても状況を捲れる力が不足している感じに思えたことから、もう少し盤面捲る力の強い目覚めた猛火チャンドラへ変更(アドバイスくれたRODさんには感謝。)しました。また、アショクは、(1)定着できれば強いが、マーベリックなどクリーチャー展開しつつサーチを多用するデッキだと落とされやすいこと、(2)盤面に見えている脅威のため、相手がケアして動くだけにとどまってしまうこと、(3)黒黒を序盤で出すのがきつく、また伝説なので重ね引きしたときに腐ること、などから前夜に悩みまくって結局敵対工作員へ変更しました。

それで、本番で最終的にトライしたのは以下のリスト。

4 老練の探険者
3 オークの弓使い
1 溜め込み屋のアウフ
2 忍耐
4 悲嘆
3 ケイオス・ディファイラー
1 長老ガーガロス
1 原始のタイタン
4 陰謀団式療法
3 再活性
4 緑の太陽の頂点
3 死に至る醸造
1 飢餓の潮流、グリスト
3 時を超えた英雄、ミンスクとブー
1 ドライアドの東屋
1 Badlands
2 Bayou
3 耐え抜くもの、母聖樹
1 死者の原野
1 森
1 カラカス
2 冠雪の森
1 山
2 冠雪の沼
1 沼
1 Taiga
4 新緑の地下墓地
2 樹木茂る山麓

3 敵対工作員
3 破滅的な行為
3 精神壊しの罠
4 虚空の力線
1 トキシクレイン
1 目覚めた猛火、チャンドラ

4本戦

本線前の夜に興奮して寝れなくてひたすら敵対工作員かアショクか悩んでたりしましたが、何とか起きれて本戦へ。
会場ではツイッターで良く情報交換させていただいているマロッシュ氏やテゼレッター神の鉄線氏、緑ペインターの始祖の柳氏など有名人と色々挨拶できて、とてもテンション上がりました。
しかし、本戦開始前にMTGコンパニオンの不具合で、紙で対戦組み合わせを調べる状況となり、毎回5分ほど遅れて席に着く(しかもその分の延長が入ることはなく、ただ単に対戦相手と自分が他の席と比べ不利になるだけ)ハメになり、その精神的な負担がかなりあったことはこの次に続くズタボロ戦績の理由の一つにはしていいかな、と思います。以下、戦績。

一試合目 スニークショー 負け


前日に脳内スパーやりまくってたデッキ。サイド後は相手は5マナためてスニークで決めてくることが多く、土地を与えるリスクしかない老練は3枚抜く(全部抜いても良いが、自分が事故るのが怖いのでゼニス用の1枚だけ残す)、代わりに敵対工作員でできれば土地事故狙うプランでトライ。
1本目はショーテルからスニーク対悲嘆の構図となり、悲嘆誘発スタックでスニーク起動⇒アトラクサ出てくる⇒アトラクサ誘発スタックで2マナで母性樹でスニーク割ったのだが、個人的にはこれがミスで、盤面に老練、手札にオークの弓使い、母性樹とあった形なので、打ち消し怖くて母性樹から入ったが、相手の手札2枚ほどだったので、弓使い出して老練殺してから持ってきた2マナで母性樹割った方が後続の相手のグリセルやドロースペルを咎められるので良かった感。結局母性樹割ったが、追加のドロソ、ショーテルでエムラクール出てきて回答無く負け。
2本目は相手が事故ってこっちのアウフとドライアドの東屋だけで7回くらい殴って勝ち。
3本目は相手2ターン目ショーテルからグリセル着地に録なカード合わせれず負け。
反省点:友達と話したところ、相手は非青と分かったら最速で来るから、一ターン目くらいに仕掛けられる手札(手札破壊ありキープ、ないしショーテルで合わせられるカードありキープ)が望ましそう、と。手札破壊増量が今後の課題になりそう。

二試合目 グリクシスミッドレンジ 勝ち


1本目はセラピー撃ったら除去とカウンター満載の手札。セラピーでカウンター落として、相手の悪意の大フクロウ除去ってリアニしてセラピーしてアド取ったりしてたら相手の除去がなくなりミンスクブー着地で勝ち。
2本目も相手の引きが悪く、攻めるカード出なかったので殴り勝ち。

三試合目 赤単ストンピィ(赤プリ)負け

1本目は相手が老練の探険者どかすのに苦労してアクロス戦争とかで老練どかしたりしてるうちに気づいたら老練死んでて原始のタイタンから滅茶苦茶になって勝ち。
2本目は1ターン目に血染めの月置かれて回答なく負け。
3本目は悲嘆ピッチで相手のイニシアチブ持ち(混沌の洞窟の冒険者)落とした後に再活性でそれを釣ったのがミスで、悲嘆により相手が除去満載の手札で、かつ盤面に鏡割りの寓話トークンがいるせいでイニシアチブ取られるのが見えてたから、むしろ悲嘆を再活性して相手の除去落として試合延ばすべきだった。
反省点:赤プリは土地伸びるまで攻めるゲームじゃなく耐えるゲームであることを意識する。あとサイド後の虚空の力戦と血染めの月はケアできればすること。

四試合目 ドゥームズデイ 負け

1本目は1ターン目ドゥームズデイサーチして終了で、返しのピッチ悲嘆で暗黒の儀式とかあったけれど、手札がアウフや母性樹とかあったので、むしろ撃たせる方が勝てるかな、と思い相手の唯一のカウンターであるデイズを落とし、2ターン目ドゥームズデイ撃たれる⇒返しに母性樹で土地割る⇒相手土地サーチできず次のターンは何もせず終了、返しのターンでアウフおいて青青が一生でなくなり勝ち。
2本目は最速ドゥームズデイで敵対工作員間に合わず、大祖始の遺産で忍耐ケアまでされて死亡。
3本目は相手遅めの動きにアウフ含めた小粒達でライフ8くらいまで詰めたが、弓使いや忍耐引けず、結局手札使いきりドゥームズデイからライフ1点が詰めれずサイクリング×2からタッサで死亡。
反省点:特にないが後攻だと敵対工作員は遅いかも。このマッチのみアショクの方が優秀(ライブラリー破壊してくれるため)。

五試合目 セファリッドブレークファースト 負け

1本目は相手3ターン目にコンボ開始で回答なく負け。
2本目は虚空の力戦引くまでマリガンはせず、相手が遅いこと期待して7枚キープしたら4ターン目くらいにコンボ開始。終わったかな、と思ったら相手のカードの落ちがビックリするほど悪く、残りデッキ8枚くらいまでにセラピーもタッサも落ちない状況になる。タッサをサージカルされないようにケアする意味で奇跡的にターン帰ってきた返しに虚空の力戦素出し。これでタッサを普通に出す⇒スタックでデッキ飛ばす以外で勝ちがなくなり、さらにグリストで幻影術師いなくなったので、残り2~3ターンで決着つけられれば、と思ったら何も引かず、負け。ちなみに相手はラスト60枚目がタッサ。相手もこっちも死ぬほど運が無かった。
反省点:サージカル取ってないので虚空の力戦は置かないと試合にならない。最悪忍耐(その場合、セラピーで読まれたら負け)。そこで耐えてディード置ければほぼ勝ちなので、耐えること。

六試合目 80デスタク 引き分け

1本目は除去しまくってヨーリオンも手札破壊で落としてコントロールしきって勝ち。
2本目は殴打頭蓋でライフレース崩壊し、負け。
3本目は土地延ばして猛火チャンドラまで行ってダメージ稼ぐも、ミンスクブーが引けずダメ足りず時間切れ(この辺疲れ切ってて記憶が朦朧)。

七試合目 サニーサイドアップ 勝ち

初めて遭遇するデッキで、話を聞くに日本でこのデッキ握って現在もリスト残してるのは相手の方一人しかほぼいないという超オリジナル&マニアックデッキ。素晴らしい。デッキの基本構造は、詳しくはサニーサイドアップのmtgウィキを見てもらうとわかりやすい(サニー・サイド・アップ - MTG Wiki)が、とにかく1ターンに自分のパーマネントのあらゆるものを墓地に落として、それを全部釣り上げる、というギミックを生かしてマナ加速・ドロー・ライフゲインを繰り返し、その後たまった墓地ストーム(!)で相手のデッキを粉砕するという勝ち筋。確認できたリストは↓
レガシー/ローグコンボ/(Hamamura Ryudo,2023/05/03)デッキリスト | 日本最大級 MTG通販サイト「晴れる屋」 (hareruyamtg.com)
サイド後も強烈で、相手の終了ステップにズアーの宝珠で死者の原野含めた自部の土地全部サクって20点くらいライフゲインしてからそれらを戻してゾンビ10体近く瞬時に並んで圧殺など勝ち筋も多彩であり、墓地対策も星界の介入経由すれば通じないという凄い考えられたデッキ。
正直7試合目まで1勝しかできず、周囲の知人の方々が素晴らしい成績を収めていたので試合開始前はかなり辛い気持ちでいたのだが、このデッキ、そして対戦相手の方のデッキについての構想や思い入れに深く感銘を受け、気持ちが一気に持ち直した。今大会で一番この出会いが嬉しかった。
1本目は相手のデッキが回り出す一歩前で悲嘆・忍耐・ミンスクブーが間に合い、ライフちょうど0点で殴り切り。
2本目は原始のタイタン死者の原野揃うも、相手の盤面完成しており、ズアーの宝珠でライフ60点くらい回復されて、最終的には墓地ストーム炸裂してデッキの殆どが追放され、死者の原野でも殴り切りで死亡。
3本目は虚空の力戦スタートのうえ、悲嘆再活性で殴り切り。
反省点:ミンスクブーはやはり早い。想定外のデッキと当たっても早さで何とかごまかせること多くて、やはり3枚程度は入れた方が良さそう。

八試合目 スゥルタイミッドレンジ 負け


1本目は悲嘆と再活性撃ちあって超絶消耗戦でお互いライフ1まで詰まったが、相手の悲嘆が止まらず負け。老練サクって死者の原野動き出せてれば悲嘆止まったので、6枚目の土地か弓使いか除去が引ければ勝てたが、惜しかった。
2本目は老練セラピーと後は4マナ以上、土地はベイユーのみ、という状況でまあ先手やしいけるやろ、とキープしたら

「ゲーム開始時、虚空の力戦置きます」
⇒土地も引けず不毛されレオヴォルドに殴られ続け負け。

反省:土地1キープはやめよう。

5振り返って

結局戦績は2-5-1と散々で、途中なんでこんな苦しい思いでデッキを回しているのか、と自棄になりかけたときもありましたが、7試合目を経て、やはり一つのデッキを回し続けることで何か見えてくるものもあるはず、と信じて頑張っていこうと改めて決心しました。また、大会に勝つことを考えるあまり、本当に好きなデッキを回せる、回して勝てる、という喜びを久しく忘れていた気がするので、初心に帰って好きなカードを活躍させるデッキを考えてみよう、というビルダーとしての思考を取り戻せた気がします。
次は11月に愛知で大会があるようなので、そこでは良い成績を残せたら、と思います。

さしあたって、包囲サイ復活させるかな。

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