わたしは心から、相手役に大切にされる娘役が見たい。
わたしは今、迷っている。
月組トップスター珠城りょうの大千秋楽について、モヤモヤした部分は全く触れずに大絶賛だけを書くのか、正直に書くのか。
映画館でのライブビューイングを観終わった瞬間から、ずっと考えている。
約5年という長きにわたってトップスターを務めた珠城りょう。
全てを劇場で観ることはできなかったけど、大劇場作品はほぼ全作品観てきた。
6月に大劇場で「桜嵐記」を観劇したときは号泣しすぎてしばらく立てず… 退団公演であそこまで号泣したのは観劇24年目にして初めてだった。
熱気にあふれた芝居とショー。昨日ももちろん素晴らしかった。男役としての集大成。ハットの被り方ひとつとってもめちゃくちゃかっこいい。
大劇場のB席では観られない細かい部分も、配信ならしっかりと堪能できて。やっぱり月組が好きーー!と内心何度叫んだかわからない。
もちろん、お芝居の後は泣いた。6月ほどではないけど、やっぱり泣いた。
最後に思いっきり泣ける演出をしてくださるって、ある意味演出の先生からファンへの贈り物なのかもしれないな…と泣き腫らした目でぼんやり考えながら余韻に浸った。
幕が降りて、サヨナラショー諸々が始まるまでは。
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前々から、相手役である美園さくらさんへの塩対応っぷりは周知の事実だった。
退団特集(宝塚グラフ)も読んだけれど、彼女の中では「美園さくら=弟子」みたいな位置付けなんだろうか?
手のかかる子をここまで引っ張り上げてきた、育ててきた!と。
めちゃくちゃ大変だったのかもしれない。なんでここまでやらなきゃならないんだ!って思いながらも、手を離さず退団まで一緒にやってきたのかもしれない。
が、トップ娘役がいるからこそ、トップスターでいられる。
ずっと食らい付いてついてきてくれた相手役。公的な雑誌でもどれだけ手がかかったかを語られ、ファンみんなにバレても、それでも慕って着いてきてくれた相手役。
終演後に気持ちがおさまらず書き殴ってしまったツイート↓
何度かのアンコールの後、舞台上に呼び出したのは専科に異動する紫門ゆりやさんと、輝月ゆうまさん。「嘘やろ?!」と思った。
そこでまた、輝月さんが「心の相手役です」とか言うねんもん。大千秋楽でまでそれ言う?
宝塚グラフの退団特集でもよーーーくわかっていたけど、たまきちさんが心を許せるメンバー数名がめちゃくちゃ出てきておられて。その方達への言葉や写真がもういっぱいあふれていて。
相手役のさくらちゃんの枚数、めっちゃ少なかった。
最後の最後まで仲良しこよしはもうお腹いっぱい…影でやって。舞台降りてからやって。
最後に緞帳前にさくらちゃんと2人で出てきたものの、必死に感謝を伝える相手役に向かって「これに恥じない人生を歩んでください」とか。
いやいやいやいや、どこ目線なの。
退団の日ですよ?さくらちゃんのご両親や親族の方もたくさん観に来られているはず。最後までそんな風に接して、わたしが親ならかなり複雑な心境になる。
いやいやあれが月組トップコンビの信頼関係です。珠城さんは良くやったんです!
と言われるかもしれないけど、トップのファンだけが満足するかたちっていかがなものか。
私たちは舞台裏を知らない。稽古場でのトップコンビを知らない。
見えないところではたくさん感謝を伝え、2人だけの信頼関係ができているのかもしれない。
グラフの2人の対談を読み返すと、公演ごとのエピソードも語られ、表に出ていない愛情も持っていたんだとわかる。
わかるけれども。
観客を冷めさせるような、心が冷えるような対応を公の場でしてもいいんだろうか?
ラブラブでイチャイチャしたトップコンビでいてほしい!ってことじゃなく(微塵も願ってません)、ここまで長年お互いに頑張ってきたこと、相手役がいたから自分も輝けたこと。
それを思えばいくら色んなことがあったとしても、感謝が湧いてくるものなんじゃないのかな…。
気持ちは言葉や態度にしないと伝わらないもの。どんな関係であれ。
ファンがわざわざ裏を読んだりしなければならないなんて、夢を見せる宝塚のやることじゃない。
個人的に救いだったのは、ショーの終盤娘役だけのシーンで、次期トップ娘役の海乃美月さんとさくらちゃんが、とっても暖かい眼差しを交わし合っていたこと。
サヨナラショーでピガールを歌い上げるさくらちゃんに寄り添う、ありちゃんとおだちんがとっても楽しそうにしていたこと。
本当に大成長を遂げた美園さくらさん。堂々たる娘役トップとして大輪の華を咲かせていた。喝采だ!!
君が言わないなら、わたしが言う。
こんな風に終わりたくなかった。
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