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ギターオタク、ついに機材が概ね揃ってしまう

これは備忘録的な側面の記事になる。

先日、奨学金の申請が晴れて通り俗に言う第一種奨学金の奨学生となった。
まぁ無利子とは言え借金(実績が通ると返済が半額もしくは全額免除になる場合もある)なので、気をつけたいところだがこれは本題ではない。

先日の記事でも述べた通り、バイトをしている僕だが、それの多くの部分は生活費や交通費に支出されており、昔買ったギターのローンがそこに上乗せされている状況だった。

若干お金は溜まりつつあったものの、服をワンシーズン分きっちり揃えたら消し飛ぶ程度の額でしかなく、現状のコロナのアレで父親の仕事もないので正直苦しいところであった。例の10万円も我が家の生活費として献上した。

しかし、奨学金の額はそれを持って余りあるものが支給され、バイトを減らしてもそのまま奨学金が自分の貯金としてプールされるくらいの資金になった。これはもう貯金を頭金にして買うしかなかろう。アレを....


と言う訳で買ったのがこれ。
kemper profiler stage

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エフェクターとアンプシミュレータ(厳密にはアンププロファイラー)を兼任する機材の中で最高レベルの機材である。

このケンパー、様々なバージョンが出ているが基本的にどのバージョンも内臓機能は同じで、端子類やつなげるものの差などがある。
こちらのstageは、先行して発売されていたラックタイプやアンプヘッド型のケンパー専用だったフットコントローラーと一緒になったタイプで、元のケンパーよりも安い。
ただし、ラインアウトするにあたって俗にいうマイクケーブルが必要なので、注意されたし。普通のシールドでつなげる端子はsend returnとインプットのみである。
フットコントローラがついている機材が欲しかった(卓上の方が音作りはしやすいのだが、最近はパソコン上でいくらでもできる機材の方が多いし、何より楽曲中に両手をプレイに集中させながら音を切り替えられないデメリットの方が大きい)のでこちらが優先された。

わからない人向けにアンプシミュレータとこのkemperの中身の話を軽く説明すると、アンプシミュレータと言うのは繋がれたギターの入力音が
「その企業の人が思うシミュレート元のアンプにギターを通したらこうなるだろう」と言う出力を生成してスピーカーやキャビネットに出力してあたかも「元のアンプ」を鳴らしたかのような音色を得る装置のことである。

このkemperは元のアンプの音色を再現して鳴らすと言うのは近いのだが、kemperの場合は
「自分の出力した音がアンプを通ってキャビネットを通り、マイクに拾われてどのような音色になるのかを学習し、その音響特性をコピーする」機材である。流行りの機械学習っぽい感じである。
普通のアンプシミュレータはエンジニアたちが勢力を上げて作り出したシミュレートではあるのだが、結局のところアンプの音響特性に着目してコピーするので家で鳴らしてもなんか違う、と言う感じになる。スタジオや楽器店で鳴らすと良い感じだったのに家で鳴らすと微妙だなと感じてしまう。
この違和感を修正する作業に圧倒的に時間を使うし、その機材に収録されていないアンプは使えない。
一方このkemperはキャビネットを通って「マイクが拾った音」を元に再現するので、そのアンプが置かれていたスタジオの環境を「再現」することになるのでかなり生っぽい音になる。
もっとかみ砕いて言うと、アンシミュの音作りは
「料理研究家の言う"お店の味を再現するレシピ"を元にひたすら家で料理を再現する試み」といった感じで
kemperの音作りは
「お店から直接デリバリーされるので、どの出前サービスがお店の味そのままに持ってきてくれるかを選ぶ」と言う感覚である。

そして、この学習したデータは様々な媒体で有料なり無料なりで公開されているので現状かなりの数のアンプを使ってみることができる。
工場出荷状態のリグでも相当使い物になるレベルのものであり、こだわりが強い人であればさらに良いリグは有料でも無料でも落ちていると思われるので探してみよう。自分は近々a2c(fripsideなどにギターで参加しているギタリスト)さんが公開しているリグを購入するつもりなので、購入したらまたレビューするかもしれない。
ハイエンド機材と言うこともあるのだろうが、同一価格帯のものと比べてもだいぶ違った感じになる。修正よりも「どの再現データ(これをリグと呼ぶ)が一番良いかなー」と言う探す作業に終始することになる。

話を戻そう。
今回僕はXLR端子を持つ、録音に使うケーブルを購入し忘れたので正しい音質のものをお聞かせすることができないのが心苦しいのだが、とりあえず繋いでみてプリセットそのままでヘッドフォンに繋いでギターを鳴らして使ってみた。

とにかく音が良いのである。
非常にゴリゴリのサウンドからクランチ気味のサウンド、クリーンまでかなり満足度の高いサウンドで鳴ってくれる。
楽しすぎて購入してから暇さえあればギターを触っていて研究どころではない(余りに触ってしまうので今日は午後から研究室に行って研究していた)

twitterにとりあえずヘッドフォン端子からクソ小さいスピーカーに繋いでスマホ録音した音声もあるのだが、酔っている勢いで撮っていて適当すぎるのでここでは流石に掲載を躊躇う。まぁ参考程度に置いておくだけ置いておく

ちなみにこれは工場出荷プリセットそのままのEnglのpowerfall2?に後半はリバーブを適当につけただけのものである。操作性も高いのが非常に推せる。

DIESELやらENGL,みんなご存知マーシャルのアンプなんてのはその真価を発揮するような音量で家で鳴らそうものならご近所総出で苦情が来る。それが家で、ヘッドフォンから聞こえるのだ。軽い感動ものである。

個人的に嬉しい点として
「シミュレート元になっているアンプの名前をきっちり書いてくれている」
と言うのがある。
僕はせいぜい高校生時代にスタジオや、楽器屋さんの試奏で出会うことのできたマーシャルのでかいアンプ程度しか生のアンプを使用した経験がないので、誰が何を使っていると言うのは知っていても
「どのアンプからどう言う音がする」と言うのを余り知らなかったりする。
普通のアンシミュの場合、著作権的なアレもあるのか、絶妙に名前を誤魔化してあるので元ネタが非常に分かりにくい。
元のアンプの使用経験がガッツリある人であれば恐らく調整もしやすく、ピンときてニヤリと来るものなのだろうが、僕のような若輩なんちゃってギタリストには厳しいと言うものだ。

さて、今回なぜ僕はこんな機材を購入したのかと言う話だが、まぁ録音して公開してみたいと言う欲が沸き始めたと言うのもあるが、何より深刻なのが

「音作りをしている時間がない」と言うことである。

今までは学生特有の無限に近い時間を使用してやっすい機材だろうが何だろうがコピー先の曲を何度も何度も聞いてアンプシミュレーターに様々の工夫を凝らしてそれっぽい音を作り出すことに成功してきていた。
そしてこのアンプの音作りが一番時間がかかる作業だった。

下手すれば一個の音を作るのに一日使うみたいな状況にもなった。全然練習できてないのに〜!となることも多かった。

大学生くらいまではそれでよかったのだが、これから僕は大学院生として研究をして、社会に出たら会社勤めで休日以外は基本的に家にいないことになるだろう。
帰ってきてから軽く弾くにしたって音作りから初めていては一生弾き始めることができない。

僕はこのkemperでアンプの音を作る時間を買ったのだ。
そして、この機材の導入によって、高級ギターと十分な能力を持ったアンプが揃ったことになるので機材方面の言い訳が一切通用しなくなった。(オーディオインターフェースの音質劣化とかはあり得るが。。)

このギターという趣味で一生遊び倒す覚悟が決まったが故の購入品であるとも言える。

とりあえXLR端子買ったら家に転がってる適当なオーディオインターフェースで録音してみよう。何を弾こうかな〜

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