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お前に花なんか送りたくない

・朝方に友人と電話をした。
友人はワインを嗜み煙草を吸っていた。
小雨があがり鳥の鳴き声が聞こえる街をただひたすら歩いてみた。電話越しに笑う友人の声を聞いて こんな日も悪くないなと思い1時間近く歩いた。
スーツ姿の人達が足早に歩く方向とは反対方向に歩いていく。
犬の糞やゴミになってしまった空き缶なんかが散らばっていて カラスがゴミ袋を漁り飛んで行った。
俺はうんこがしたくなり 友人にそのことを伝え電話を切った。

清々しい朝でもうんこは臭かった。

・コロナウィルスのせいで倒れてしまった喜劇王の著書を読み始めた。世間が思っているよりも壮絶な人生で それを読んでから喜劇王の映像を観ると更に深みが増した。笑わせるという職業は本当に凄い。人を笑わせるということは本当に価値があることだ。

・ちんこやうんこの事ばかりを考えると馬鹿になるからやめたほうがいい

・女とどうしたらヤレるかどうかばかりを考えると馬鹿になるからこちらもやめたほうがいい

・銀杏BOYZに出逢ったのは2004年だったか。
2005年にアルバムが2枚出るという情報をどこかの雑誌で読んだ。
前身バンドのGOING STEADYから好きだった。
スクールカースト上位の奴らが銀河鉄道の夜を教室で歌っていて腹が立った。
俺は教室の隅で少ない友達と いちご100%の西野つかさと北大路さつきのケツと乳ばかり見ていた。
スクールカースト上位から得たものと言えば 青春パンクといったジャンルくらいだった。
青春というのは常に目立った存在の人間達の常套句になっていて、日陰の人間には無縁のものだった。
なのに、その青春の皮を被った化け物は日陰にまでやってきて「ときめきたいったらありゃしねぇ」なんて鼓膜を破裂させる勢いで俺に訴えてきた。
銀杏BOYZは紛れもなくCDプレイヤーから俺に、俺のためだけに歌を歌ってくれた。
嘘じゃない。これは事実だ。

・この文章を1ヶ月くらいかけて書いている。
文章を書くことはセックスなんかと同じで波がある。文章を愛せる時期と上手く書けない時期と。
そんなワガママな俺の作文をこうしてインターネット上に残すというのは些か気恥しいが 確かに俺がこの時代に存在していたことを証明するのには手っ取り早い媒体なので書くことを止めないのだと思う。

・カッコいい人より面白い人になりたいと思うようになった。
若い頃はカッコいいだけが本当の正義なのだと盲信していたのだがユーモアの前ではカッコいいなんか到底敵わないのだ。人に笑われるのではなく、笑わせることが何よりカッコいいことなのだと30歳になった今気付いた。

・Twitterにて アイラブユーつってんだろ とよくツイートするが 誰一人としてリプを返してこない。

・昨年くらいまで遊んでた友達が結婚し、母になるそうだ。
友達の腹の中に今生きている人間が居るという事が馬鹿っぽい感想で述べると「すごい」だった。
元気な子供を産んでくれ。そう願う。独身の俺。

・煙草を吸い、コーヒーを飲むというだけの行為がとても愛おしい。カッコをつけて言っているのではなく本当に愛おしい。最初はブラックすら飲めなかった俺が今となっちゃブラックしか飲めなくなり、15歳で覚えてしまった煙草を今になっても吸い続けている。

肺を酷使して、カフェインを大量に摂取して
健康に気を使わなきゃいけない時代に反抗してまで煙草とコーヒーを愛しているなんて馬鹿馬鹿しい。
まったく馬鹿げている。
だけど、その馬鹿げている行為そのものが人間としての本当の姿なようにも見えてしまって仕方がない。
こんな毒にも薬にもならない作文を誰が読むわけでもないのに書き続けているのも然り。
そんな馬鹿馬鹿しいの連鎖で成り立っている我々人類のほんの囁かな休息にはやはり煙草とコーヒーがあった。

・孤独になりたかったのに孤独になりたくない自分が居ることには薄々気付いていた。
よく"承認欲求"という言葉をインターネットで目にするが それがあまりに酷いのが俺なんだと思う。
だから こうして文章を書き、SNSで馬鹿げた言葉を吐き捨てる。アイラブユー。