あるカーデザイナーのクルマ選び015
でも、スキーには大活躍でした。
スキー場に行くくらいの雪道ならノーマルのマッドアンドスノータイヤで4駆走行すれば、何の問題もないので、チェーンのつけ外しがないのはノーストレスでした。
今ではスタッドレスが当たり前でしたが、その頃は都市部の生活者は、よほどの人でないとチェーン派だったのではなかったかと思います。
スキーに出かける時にただ一つ難点はリヤ席が寒い、ということでした。
ルーフのリヤ席上部から後端まではFRPトップが被せてあるだけなので、断熱替りのクッション材も何もないので、直に外の気温がFRPに伝わり頭上を冷やしてくれます。
また、リヤ席への風の吹き出し口も今は普通になってきましたが、トラックベースのサーフは寒冷地仕様にしていた私のモデルでも、ヒーティングダクトはノーマルと同じだったようです。(バッテリーだけは大容量でした)
パートタイム4WD車は4駆走行の際には、フロントのデファレンシャルギアをロックさせる必要があります。古い形式のクロカン4WDはこれがマニュアル操作で、いちいち降りて左右2箇所のノブを手動で操作しなくてはなりません。
スキーに行く際には、寒い雪道でこの作業が結構面倒なのです。
でも、私のハイラックスサーフにはオートマチックデフロックというのが選べたので、私は迷わずその仕様にしました。
室内には変速ギアのシフトレバーと別に、もう一つの4WDと2WDの切り替えレバーがあり、それを4H(ハイスピード走行)もしくか4L(ロースピード走行/急斜面や牽引などでトルクを必要とする場合)にして、ゆっくり前進すると、カチャと勝手にロックされる仕組みになっています。
なので、寒い外に出なくて、信号などで一旦停止して室内のレバーを操作するだけで、その後の走行からは4駆走行になるのです。
そして、4WDから2WDに戻す時は、路肩などに停止し、同じシフトを操作し車を1メートルほどバックさせるだけで、ロックが解除され、通常のリア駆動走行に戻れます。なので、こちらも、車から降りる必要なし。
これはスキーツアラーとしてはありがたい仕組みです。
ちなみに、デフロックという状態は内側と外側のタイヤの内輪差をディファレンシャルギアが吸収してくれない状態なので、路面μ(滑り摩擦度合い)が高い舗装路で小回りしようとすると車が前に進まなくなります。
雪道などでは、タイヤがスリップしながらこの状態を回避してくれるので問題ないのです。
こんな面倒な知識も今の車では全く必要ないことですが。。。
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?