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あるカーデザイナーのクルマ選び053

ボディサイズがコンパクトでありながらシルキーな6気筒エンジンから生まれるジェントルでハイパワーな性能。

2BOXで3ドアというボディ形状なのに運転初心者のエントリーカーという雰囲気が全くなく、むしろパーソナルな雰囲気で独特な存在感がありました。

また、G氏の車は白のボディ色に内装が赤茶の革シート仕様のお洒落な組み合わせも印象的だった理由だと思います。

しかし、残念ながら3ドアは日本には導入されておらず、BMW1シリーズは5ドアか2ドアクーペで選ぶしかありませんでした。

2ドアクーペは、あとから追加された車種なので、中古車市場ではあまり数がありませんでした。

また、スタイリング的にも、やはり後ろ半分にちょっと無理があるので好きではありませんでした。2ドアクーペなら、やっぱり3シリーズがカッコイイですね。

まだしばらくは家族4人で乗ることも考えられるので全長が短くても、少なくともリア席頭上の空間にゆとりがないと厳しいな、と思いました。

ということで1シリーズの5ドアに決定しましたが、排気量をどうするかや、5ドアでノーマルの外観ではスポティーさが感じられず満足がいかないのを「あーでもない、こーでもない」と考える必要がありました。

まず排気量ですが、魅力的なのは3Lの6気筒ですが、高速道路で100km/hが制限の日本では、いくら加速時に排気量差やパワー差で勝ったとしてもほんの一瞬ではないのか、むしろ宝の持ち腐れではないのか、車選びは単なる自己満足でも良いのですが、自分の生活環境の条件に最適は何なのか、徹底して考えてしまうのでした。

やっぱり、できるだけ車両価格や燃費などを抑え、その分の費用で何度でも遠くまで走って行ける方が、トータルとしては嬉しいなと考えました。

そう考えていた時に、一番排気量の小さい1.6Lでも少し車高が下がったスポーツチューニングサス、ステアリング、エギゾースト音などで、スポーツに仕立てられたMスポーツパッケージがあることを知りました。

まあ、つまりはカッコだけMスポーツなのですが。

更に見つけた車には18インチアルミホイール、40偏平スポーツタイヤが装着され、小さい割りに迫力がありました。

シリーズで一番小さいエンジンが搭載されていて、そこに特に手が加えられてはいないので、パワー不足は否めないかも知れませんが、スピード勝負をするわけでもないし、むしろ手軽にハンドリングを楽しめる車ではないかと思いました。

それが200万円そこそこで手に入るならお買い得ではないかと、この車がヨーロッパから帰国後のクルマに決定しました。

つづく

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