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あるカーデザイナーのクルマ選び012

3rd car

1978 TOYOTA Carina 1600GT
初期型 4ドアセダン 
ウレタンバンパー アイボリーホワイト

ゴルフを売って追い金なしで手に入れたのが、発売当時”足のいいヤツ”と言われたカリーナセダン。

セリカとハードコンポーネンツを共用しながら、その当時はファミリーセダンと言われていたジャンルの車のスポーツモデルがこのGT。

DOHCエンジンを積んだものはサッシュレス2ドアハードトップの方が人気だったので、4ドアは少なかったかもしれません。

2000GT(18RG)もありましたが私はエンジンとして軽量の1600GT(2TG)の方がセリカを含め好きでした。

一度は、この2TGエンジンを味わってみたいと思っていたので、イレギュラーな乗り換えではありましたが、モチベーションの上がる乗り換えになりました。

その前のゴルフの軽快に回るSOHCに比べて、DOHCへの期待が高過ぎたのか、意外と吹け上がりは重たい感じでした。でも、さすがに回転を上げて回してやるとそのしっかりした感じには信頼感がありました。

ツインキャブ時代のDOHCに比べEFIとなった世代の車なので、扱いも簡単でアクセルを適当に踏み込んでもちゃんとスムースに吹け上がってくれました。

そして初めての4ドアセダンでありましたが、リアドアとリアシートにバッグやジャケットを置く行為がちょっと大人だなぁなんて思ったりしていました。

何でもない普通のセダンだけどツインカムのGTというのもカッコいいなと自分では気に入っていました。

初めてのテールゲートのない車での生活だったので、使い勝手はどうかなと心配でしたが、この時代の車はキャビンが四角く、ドアのオープニングも大きく頭抜けもゆったりした寸法が取れているのでリア席に電子オーブンレンジが楽々積めたりしていました。

トランクは今の車の主流のように、バンパー上見切りではなく、テールランプの上から、蓋のようにしか開かないので、重たい荷物や大きい箱のような物の積み下ろしには適していなませんでした。が、その分リアドアとリア席が使えるというのが発見で、車ってやっぱり使ってみないとわからないなぁと思わせてくれた車でした。

新婚ということで、無駄遣いもできなくなり、この車で手を加えたのは、ヘッドランプをハロゲンに交換しただけでした。

本当はキャレロにしたかったけど、お金がなくて小糸でしたが。でも、昔の憧れでもあった丸目4灯でしたし、満足感は十分にありました。(丸目4灯が憧れ、、時代を感じます、、)

一度チェーンを装着してスキーに行ったことがあり、調子に乗ってFRのドリフト走行を楽しんでいたら、対向車線にスキーバスが現れ、止まりきれず、最後にコツンと接触。幸いバスも無傷でカリーナもウレタンバンパーでダメージなし。
US MVSS法規の5マイルバンパーのありがたみを知りました。

3rd my carは、走って使って頼りになる、硬派なスポーツセダンでした。

そして、このカリーナのずーっと後の世代で、一世を風靡したカリーナED。
この車は4ドアハードトップを一気に広めたきっかけとなったモデルでした。

オリジナルデザインは、私のカーデザイナーとしての最初の上司でもあり、大先輩のKさんのもの。

サイドウインドウの曲率を小さくして、ルーフ面積を小さくし、5ナンバー枠の全幅1700mm以下でありながら、ワイド&ローなグッドスタンスを実現した画期的デザインでした。

その車両を輪切りにしたセクション図面(TsecやLsecという)をアメ車のムスタングと重ねるとほぼ相似形という秘密もありました。

このカリーナEDも同時期のセリカ/コロナクーペとプラットフォームを共用化していて、フロントウインドウも共用していたはずです。
そうやって、賢くテイストの違う車を作っていましたね。

今もプラットフォームを共用化する考えは更に進化していますが、いろんな工夫で、お客様に手頃な価格で商品を届けたい気持ちは同じなんですよね。


つづく


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