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あるカーデザイナーのクルマ選び013

4th car

1984 TOYOTA Hilux Surf 
2.0L ガソリン SR
オートマチックデフロック ホワイト


私の新婚生活が念願の2TGエンジンとの出会いから始まり、カリーナで初めてのトヨタディーラーさんとのお付き合いも始まりました。

そして、たまたま、買い物に行ったついでに立ち寄った、お世話になっていた、販売店で出会ったのがこのハイラックスサーフでした。

結婚した時、妻の実家から家財道具を愛知県の社宅まで運ぶには、さすがにカリーナセダンでは積めないとうことで、同期で今はY社でデザインの役員になられている同期のNさんのハイラックスWキャブFRPトップ付きを貸してもらいました。

同じ仕様のチョロQ

さすがに素晴らしい積載量で大物家電やら布団やら全てをそこに詰め込んで、妻は嫁入りしました。

その時、初めて乗ったクロカン4WDの圧倒的に見晴らしのいいアイポイントの高さに感激しました。

彼のハイラックスはディーゼルエンジンだったので、加速は悪いし、ゴツゴツした乗り味なのですが、とにかく、周りの車より頭一つ上に出てる感じで、見晴らしが良く気持ちいいし、追い抜かれようが、隣にカッコいいスポーツカーや高級外車が並んでも、全然、種類が違うから気にならないのでした。

その頃はまだクロカンや今のようなSUVもそれほどいない頃でした。

やっぱりどこかに、みんなと同じ車はイヤというこだわりや、他人からの見られて方を気にしていたと思います。でも、だからと言って、バブリーな車に手を出すほど、お金もないし、趣味にも合わないなと思っていたので、ハイラックスは、そんな私にはピッタリでした。

最初は彼の真似をして、Wキャブを購入して、自分なりに手を加えていこうかなと考えていましたが、手を加えるのにも、それなりにお金もかかります。好き勝手にお金を使わせてもらえる状況ではないので、妻が納得いくようにしないといけません。そんなことを考え、結論がないままに販売店に訪れたのが、その時だったのです。

その日は米を買いに行こうと大型スーパーに車で行くついででした。

「ちょっとハイラックスのカタログもらって来る」という感じで立ち寄ったと記憶しています。

セールスマンにあれこれ悩んでいる内容を話したら、「そんなにオフロードを走らず、高速道路で遠出するならガソリンのサーフの下のグレードで充分なのでは?」と勧められました。

さすがトヨタの営業マン!いいとこ突いてきます。「WキャブでFRPトップを買うと更に費用がかかりますよ、サーフなら最初からFRPトップはインテグレートされているし、デーゼルターボでなくガソリンなら車両価格も安いし、街乗りも静かですよ。」とグイグイ攻めるトヨタセールストーク。

その頃、夫婦で始めたスキューバダイビングの話をしたら、空かさず、「シートもファブリックでなく、ビニール素材の方がいいですよ。SSRなんかでなくてSRの方で充分じゃないですか? 一番安いヤツですが全然問題ないのでは?」「決めてくれれば、このカリーナうちで売ったんで、高く買い取ります!」

さすが!参りました!このトヨタのセールストークに我々夫婦は完全に堕とされてしまったのでした。

その頃はクレジットカードも一般的ではなかったので手付金は当然現金。その時はたまたま米を買うためにおろしていた1万円が財布にありました。

「今、決めてくれれば、手付けはそれで充分です!ここまで値引きします!」

トヨタマンのとどめのひと刺しで我々のお米代はトヨタのものになったのでした。

もちろん、その後、お金を下ろして米は買えましたが(笑)


つづく


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