21.9
何気なく見上げた月がまあるかった、
月がまあるい、と表現するのが好き。
ちょっとあまくてたぽたぽしてるでしょ。
川に流されてぜんぶ消えた。
あの子が、こっちはあっちより汚いね、と言った。
そうだね、と思った。
でも、砂が舞ってるだけだよ、と言った。
かわいいあの子は愛しい彼の待つお家へ帰ってった。
いいねぇ。いひひっ、と心の中で肩をすくめ笑った。
ひとりで食べるのにお箸を三膳もらった。
大丈夫だよ、
ぜんぶ
きっと。
今夜は満月らしい、
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