20XX年宅建試験 -給米設備-

20XX年より、重要事項説明書において給米設備の記載が必須となりました。本稿では、20XX年の宅地建物取引士資格試験において新たに出題範囲となった給米設備について学習していきましょう!

【給米設備について】

昨今のマンションブームに伴い沢山のタワーマンションが乱立するようになりました。その裏でタワーマンションの購入者から「米が上手く炊けなくなった。」という声が出るようになりました。タワーマンションの高層階は気圧が低い為、沸点が低くなり生煮えとなってしまうのです。
事態を重く見た国土交通省は標高500メートル以上のタワーマンションに対し、給米設備の設置を義務づける事となりました。

【参考 気圧と沸点の関係】

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[ここがポイント]
・気圧と沸点のグラフを頭に入れよう!
・給米設備が必要なマンションの高さを覚えよう!

【炊飯槽給米方式】


ここからは各給米設備について解説します。まずは炊飯槽給米方式です。
炊飯槽給米方式は通常気圧下で炊いた米を一旦炊飯タンクに保管し、その後ポンプを使い給米する方式です。

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メリット
・短時間に大量の米を使う場合に安定した米量を得られる

デメリット
・タンク内の衛生を保つ為に定期的な清掃・米質検査が必要。
・炊ける米は1種類のみ

【高置炊飯槽給米方式】

高置炊飯槽給米方式は通常気圧下で炊いた米を屋上の炊飯タンクに保管する給米方式です。地上からの給米では米量不足が予測される高層階に対し、上からの重力で給米します。

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メリット
・重力で給米する為、停電等ポンプ異常時も一定量の米の利用が可能


デメリット
・タンク内の衛生を保つ為に定期的な清掃・米質検査が必要。
・炊ける米は1種類のみ

【増圧直結給米方式】

増圧直結給米方式は圧力鍋の原理を利用して、米を炊くのと同時にその圧力を使用して給米します。


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メリット
・米を炊きながら汲み上げる為、炊き立ての米の供給が可能
・炊飯槽を設置しない分、土地の有効利用が可能

デメリット
・災害時に、米を確保できない。
・ポンプの定期的な点検が必要
・炊ける米は1種類のみ

【炊飯器直結給米方式】

炊飯器から直接ポンプで米を汲み上げる給米方式です。

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メリット
・好きな種類の米を炊く事が可能。
・炊き立ての米の供給が可能。

デメリット
・低層階に炊飯部屋の設置が必要。
・ポンプの定期的な点検が必要。
・給米量が炊飯器の大きさに左右される。


[ここがポイント]
・それぞれの給米方式の違いを理解しよう!
・各給米方式のメリット、デメリットを理解しよう!


【炊飯槽の定期点検】


設置後の米質検査(法第7条検査)


炊飯槽を新たに設置したり、構造の変更等を行った場合に、使用開始後3か月を経過した日から5か月の間に、米質検査を受けることが義務付けられています。この検査は、米質等を検査することにより、炊飯槽の設置工事が正しく行われたかどうかを判断するものです。

外観検査
・設置状況 ・設備の稼動状況 ・米の流れ方の状況

米質検査
・容積重 ・含有水分 ・整粒割合 ・白未熟粒
・被害粒 ・死米 ・着色粒 ・異種穀粒 ・異物


定期検査(法第11条検査)

設置後の米質検査(法第7条検査)の後、年1回の定期検査を受けることが義務付けられています。この検査は、保守点検及び清掃が正しく行われ、炊飯槽が正常に機能しているかどうかを判断するためのものです。

外観検査
・設置状況 ・設備の稼動状況 ・米の流れ方の状況
・悪臭の発生 ・消毒の実施状況 ・コクゾウムシ等の発生

米質検査
・容積重 ・含有水分 ・整粒割合 ・白未熟粒
・被害粒 ・死米 ・着色粒 ・異種穀粒 ・異物

[ここがポイント]
・7条検査と11条検査の違いを理解しよう!
・外観検査、米質検査について理解しよう!

チャレンジ問題!

1.標高1000メートルの沸点は97度である。
2.炊飯器直結給米方式は炊ける米が1種類である事がデメリットである。
3.法第7条検査ではコクゾウムシの発生状況を確認する必要がある。