見出し画像

おばあちゃんのカレーと、コンソメ

主人とは5年前にお付き合いを始め、2年ちょっと前に同棲を開始、ちょうど一年前に入籍をした。
この数年で変わったことは色々あったと思うけれど、正直日々変化していくことなので、あんまり覚えていない。
ただ、カレーの作り方は少し変わったと言える。

私の実家のカレーの作り方は、至って普通。
①じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、お肉を少し炒める
 (面倒くさい時は炒めもしない)
②水を入れて煮込む
③ルーを溶かしてとろみがつくまで煮込む
以上。
スパイスカレーなんて洒落たカレーは作らないし、市販のルーを使ったカレーが一番美味しいと思っている。
だから、私のカレーの作り方も、ずっと実家のカレーと同じだった。
そんな私が唯一カレーの作り方で変えたのは、コンソメを入れるということ。

同棲前、主人がまだ一人暮らしをしていた時に、彼がカレーにコンソメを入れていた。
不思議に思った私は、彼に聞いてみた。
「なんでコンソメ入れるん?一個入れたところで、味変わらんくない?」
すると彼は、「おばあちゃんがいつも入れてたから。」と答えた。

主人が子供のころ、両親が仕事で忙しくしていたこともあり、おばあちゃんの家でご飯を食べることも多かったそう。
だから彼にとってのカレーはおばあちゃんのコンソメ入りのカレーで、それが彼とおばあちゃんとの思い出なんだと、私は思う。

正直、コンソメを入れ始めてから今まで味の変化を感じたことはないし、未だに「入れる必要あるのか…?」と思うこともある。
彼自身も、「味の違いは分からない」と言う。
それでも私がコンソメを入れるのは、彼が大切にしているおばあちゃんとの思い出の味を、私も大切にしたいから。
全く同じ味にはできないし、時にはコンソメを入れ忘れることもあるかもしれない。
けれど、「彼とおばあちゃんのことを想いながらカレーを作り続けたい」と、結婚記念日にカレーを作りながら思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?