私が考える暴論でのベーシックインカム実現可能性
今回のテーマは、経済学もまともにかじったことがない人間による
ベーシックインカム(以下BI)の実現可能性について考えてみます。
結論としては、BIを配布することによる支出純増分に加えて
紛争コストがかさむと国家は破綻すると考えます。
まず大前提として、ベーシックインカムの目的は
生存権の保証であるため、人権が無視される戦争の発生は
ベーシックインカムの破綻とします。
そこで私はベーシックインカムが成功するための条件を4点考えます。
①機械化で全人類の衣食住がほとんど満たされること
→①が成立しないと特に食の争奪が起こるため
②再生エネルギーを用いることで全人類で将来的なエネルギー不足
エネルギー不安が発生しないこと
→②が成立しないとエネルギー争奪が起こるため
③全世界がほぼ同時にBIを導入すること
→③が成立しないと価格競争での敗北など国際競争力が弱まり
対外収支が赤字になりやすいため
④全人類が加虐心・嫉妬心・支配欲を捨てること
→④が成立しないと明確な理由の有無に限らず紛争が起こるため
この条件が成立できるかどうかはいったん置いておき
現在の職業を大まかに分類してみます。
1.縮小産業:
林業・建設業・通訳ガイド・宗教職
→ここが需要に対して大きすぎると歪になる
2.機械で代替可能:
運輸業・卸売り・小売り・金融・保険・リース業
清掃業・行政
→人手でやるには物理的に苦痛がある作業は機械化推奨
3.生存のための基幹系:
農業・酪農・果樹・漁業・鉱業・製造業・建築業・発電業
インフラ業・情報通信業・医療・福祉
→需要が高いのに、一部業種は機械化が困難なのが課題
4.必要とは言えないが需要が高い分野:
不動産業・レンタル業・飲食サービス業・宿泊業・ハウスキーパー
旅客業・接客業・教育業
→仕事目的と娯楽目的が混在する需要
5.需要が変動しやすい娯楽分野:
ゲーム制作・芸術・ファッション・美容・出版
テレビラジオアニメ・テーマパーク・スポーツ
ゲーム運営・ペット業・ギャンブル業・レジャー業・オカルト
→マンパワー依存度が高い。高度な専門性が必要な場合が多い
6.新しい分野:
配信業・VR関係
→今後の需要は未知数
7.その他特殊:
・国家運営:主権のコスト
→全体の利益ではなく一部の利益となった時(汚職)のコストを
どの程度許容するか
・警備員・消防・警察:治安のコスト
→基幹系に近いが、問題が発生しなければ理論上不要なコスト
・軍隊:国家維持のコスト
→適切なコストが不明。紛争の予防のためのコストだが
紛争を自ら作り出す危険性あり。
・研究開発:発展のためのコスト
→コストパフォーマンスがマンパワーにより変動。
・士業:サービスの品質維持のためのコスト
→マンパワーだより。AIが発達すると代替可能?
・広告業:娯楽関係の出資元のメインとなっているが
今後の需要がどの程度維持されるのかが不明
・資本家:経済活動のコスト
→BI下で階級固定を強化するのではないか?
・ボランティア:趣味としての労働
おおまかに1、2の人手は縮小していきます。
3は人手は縮小するが需要が高い分野です。
4はサービスの質によって需要は変動します。
5はマンパワー依存度が高く機械での代替は困難となります。
6は今後発展するのか消滅するのか未知数です。
7は人間が他の人間からの搾取を望むほど、コストが増大するものが多いです。
BI導入により、主に、単純労働向きは3、外向的な人間は4
クリエイティブな人間は5、6に従事すると予想されます。
7は特殊です。
ここでの確認は、どれだけ機械化が進行しても
人の手による職業がなくならない分野があるということです。
ここでBIにおけるデメリットを考えてみます。
乱暴な日本式MMTのような、国債はいくらでも刷れるという永久機関が
存在する仮説は排除します。
対外収支はほぼプラマイゼロと考えます。(③の疑似成立)
動力とエネルギーが十分量あり、生存に必要な需要に対応して
十分量供給されているならば(①、②の成立)
7のうち、国家運営・軍隊・治安維持のコストが
他の業種で生み出す付加価値よりも大きくなると
将来的に国家は破綻すると考えられます。(③、④が成立しない場合)
資本家が全労働者を家畜同然の階級に固定する恐れがあります。
(④が成立しない場合の危険性)
研究開発分野はBI下で十分に発展するのかが不明となります。
(③が成立しない場合の将来の危険性)
3K周りの必需サービスに対して労働のなり手が見つからず
価格が高騰することで、支払うコストが不足することを回避するために
3K周りのボランティアが実質的に強制となる危険性があります。
(①、②が成立した場合での例外的供給不足)
機械化が発達し、有限とはいえエネルギーの輸入量も十分である
日本においては、①、②の条件はクリアしやすいのですが
③が成立しないことにより国際競争力の低下の危険
そして④が成立しないことにより、国内外の資本家に対して
労働者がどういう扱いになるのかが未知数となります。
また、BIを実施するということは、国際競争力の維持を放棄する
という宣言に、対外的には取られる可能性が高く
④が成立しないため、紛争に関するコストが増大する危険性があります。
財政支出からBI分のコストが純増となり、さらに軍隊などの分野で
必要以上にコストが増大した場合に、予算の収支均衡が崩れ
国家破綻の可能性があると考えます。
逆説的には、国際競争力が落ちても対外収支を黒字にできる
商品・サービスを永久的に提供できる能力があり
国際状況がどんなに変化しても、低コストで常に戦争回避できる
能力があるのならBIは導入可能と考えます。
(マルクス経済学を無視するのなら)
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