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#セクシャルマイノリティ

結婚なんかしてほしくない(AroAceのカミングアウト、それと母と家父長制にフェミニズム)

「私、あんたに結婚なんかしてほしくない」 3年ほど前まで、「孫の顔が見たいわあ」なんて無自覚にアロマンティックアセクシャルの娘にプレッシャーをかけていた母がぽつりとそう言った。 2022年、今年の話である。 私の両親のルーツは九州にある。 無論、親戚縁者もみんな九州人だ。私自身は本州育ちで九州に住んだことこそないものの、実家で飛び交う言語は九州弁交じりだし、食を含め、おそらく文化も西寄りだ。実家のある場所はそこそこの田舎ではあるものの、『外から来た人間』が多かったためか良く

次のライフイベントはお葬式(結婚式で流したい曲はないのに葬式で流してほしい曲は明確な話)

生前整理、という言葉を目にしたとき、どんなことを思うだろうか。人生の総ざらいだとか、そんな言葉が浮かぶかもしれない。かくいう私も死期を見据えた人間が身辺整理をするイメージがある。 一般的に人間の人生にはライフステージがあるとされている。就学、就職、 結婚、出産、子育て、リタイアなどのライフイベントを経て、それぞれのステージで家族構成や家計などが変わるそうだ。 『変わるそうだ』なんて他人事のように書いているのは、ぶっちゃけマジで他人事だと思っているからだ。なんてったってアロマ

100%の相互理解という幻想をキメられない

マイノリティは矯正されるべきか否か。現在の世間一般的な規範から言えば、それはNOだ。 しかし、マイノリティは正しくないから矯正すべしというのが共通認識だった時代がある。例えば同性愛を精神病として治療しようとしていた時代だが、恐ろしいことにそう昔の話ではない。WHOが精神疾患項目から同性愛を外したのは1990年。たった31年前のことだ。 今日、とある漫画を読んだ。無性愛の男性に恋をしているヘテロ女性が服薬した人間を『恋愛脳』にする薬を開発し、彼にその薬を盛るすったもんだを描い