グレーゾーンとかルールとか

同人誌始めて日は浅い方だけど、界隈が定期的にザワつく問題として「二次創作はグレーゾーン」問題がある。
二次創作は他人の著作物を使用したものであり、それで金銭のやり取りをするのは法的にはアウトであるものの、著者や出版社の「お目こぼし」を頂いて事実上コミケや同人誌が成り立っている…という。

二次創作を行う側には暗黙のルールがあり、
○二次創作の同人誌は一般の人(二次創作のことを知らない人)の前で出さない
○公式(作者や出版社など)にコンタクトしない
○儲けすぎない
などなど。
ほんでそのルールを守らない人に対してザワついたり炎上したりするわけだけど、私が見るところ「ルールを守らない人がいる」という問題と「ルールをダシに他人を攻撃する人」の問題と2つある。

そもそもの話、法の中での運用(シロ)と法の外での運用(クロ)て別に無理に合体する必要はないんじゃないかなと思う。
てか無理でしょ。
確かに法的にはクロだとしても「公式」側はコミケをバッチリ認識して企業ブースも出してるわけだし。

実際はもうずっと長いことシロとクロの間、グレーのまま並走する形でやってきてるからあえてお互い触れないことで法的な争いに発展しないような形になってるんじゃないかな。
その調整をお互い(二次創作する側が特に)気をつけないとって事かなと思う。
それに対してシロなのかクロなのか色を判別しようとしても不可能なのでは。言い方は色々あるにしても結局はシロクロの中間を漂っているんだという状態を受け入れるしかない。

出版社の人と話す機会あるけど「よっぽどのことがなけりゃ触れずにおきたい」て感じ。というか忙しいからそんなことに構っておられまへんわっていう。
社風や社内規定によって違うんだろうけど。
それでも個人的にはコミケのことも知ってるし仕事上の調査としてコミケも行ったらしいし、コミケの話もフツーにしてました。
あ、それと私もあくまで「一般論」として話題にしただけで詳しくチクったりはしてませんよ。

出版社によってはガンガンコミケに出張してるし二次の同人誌も見るしそっちの話も当然のようにするし、一方でコミティアにしか出張しないことにしてる「触れず派」もおる(勿論「ダメ!」派もいる)
やっぱり法的闘争の場にはなるべく持ち込まないように気をつけるのがお互いベストなんかな。
法的な問題しにちゃったら締め付けを厳しくせざるを得ない流れになるし、そうすると漫画業界だって困る面もあると私は思う。
特にこれからは漫画を読む人口自体が放っておいたら減っていくだろうし、実際雑誌の売上は軒並み落ちてるのは事実だし。
何より今や漫画家養成の大きな場であるのは否定しょうがない。

というところで形式上だけにしても「見てないフリ」をお互いに取っている形に落ち着いてるのかなと。

以上長々と「グレーゾーン」とそれを守る「ルール」について私見を述べたわけですけど、何が言いたかったかというとこのルールがある意義が言いたかったわけ。

結局はそれぞれの領分を守るために暗黙ルールがあるのだけど、それをただ「守る」ことのみに固執して他人を叩く正当性を得ようとしている人がいる。
これが「ルールをダシに攻撃する人」。

平たく言えば「お前はルールをまといて同人の野に降り立つべし的な神か?」ということですよ。
別に間違ってたら普通に注意喚起すればよくね?キツイ言葉で威圧しなくてもさ。
ルールの意味を忘れて大事なルールを個人攻撃の武器にすんなよってことだよな。
正当性という武器を持って誰かにマウントを取ろうとするアレがスケスケでっせ。
ダッサ(おっと本音が)

まあこれって同人界隈だけに限ったことじゃないよね。ツイッターにだって勝手に村ルール作って鼻息荒くする人もいるし、会社にも町内会にも親同士にも子供の間でもどっかにそういう人心当たりないですかねー?
日本人てほんと「ルールを守るという行為」自体が大好きなんだなとつくづく感じる。
メンドイわ…(おっと本音が)

本質をさ…考えてお互いにやってこうや…
法律は神様じゃない。法律で当てはまらない事やカバーできない事なんていくらでもあるし、法律から外れる事を「悪」とするならみな何かしらの悪はどっかで侵してるでしょ。
第一法律を絶対視するなら何で法律は改正されたり改悪されたり撤廃されてくわけ。著作権だってその概念からしてこの近年ですごく変化している。
機械的に法律に当てはめればいいならAIにやってもらえばいいわけで、人が司法を司る意味はもはやないよね。(日本の司法が今正常に機能しているかどうかは別にして)

まして同人ルールは法律よりもっと下のレベルでの暗黙ルールなわけだから。
まして叩いてるひとだってその界隈に足突っ込んでるんでしょ?自分が気に入らないからって世界そのものを窮屈にしてどうする。

ルールの意味を議論することも含めてみんなで守ってこうや。
攻撃せずにな。