【彼になった彼女】17話 約束

突然のユウの声に驚いた
ユウの手が俺の右手首をギリギリとしめ続ける
その手は汗で湿っぽくて、冷たくて、不安が伝わってきた
主「どうした?まさかまた自殺すると思った?」

不安そうなユウを安心させたくて
俺の手首を掴んでいるユウの手にそっと自分の左手を置く
主「大丈夫
  ユウが言ったんじゃないか、アヤメが好きだった俺でって」とユウの目を見て精一杯笑った
それでも不安そうにしながら、ユウは俺から手を離す

グーーーー
ユウの腹の音
笑う俺、恥ずかしそうに俯くユウ
こんな可愛い弟、置いてけないよな
そう思ったらちょっと元気出た
主「飯にすっか!」

もくもくと二人でご飯を食べる
ユウが俺をチラチラと見てくる
そんな感じで朝食を食べ終わる

玄関先までユウを見送る
主「なぁ、ユウ学校終わったら予定ある?」
ユ「??ないよ」
主「髪切ってくんね?いやー、美容室に行こうにも
  あまりにぼさぼさすぎて外に出るの恥ずかしいからさ」
ユ「わかった、約束だよ、絶対待っててね」
ユウの笑顔につられて俺も笑顔になる
主「あぁ」
ユ「行ってきます!」
主「いってら」

外に出るユウの顔にもう不安はなかった

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