コストコ

一昨日、祖父母に会いに横浜へ行くついでにコストコへ寄った。2階が駐車場になっていて係の店員にでかいカートを持たされてエスカレーターを降りてく感じ、行ったことあればわかるかな。

こんな感じ。僕がカートを手渡されて乗ってしばらくしたらエスカレーターが不具合かなにかで急に止まってしまった。乗ってる客は当然ザワザワしだす。
エスカレーター係の外国人の店員さんが近くのボタンを色々いじって動かそうとしてくれていた。

「うごけぇーーーーー!!!!!!」

誰かが近くで叫んでいる。なんだろうと思うと叫んでいるのはエスカレーター係の店員さんである。

「うごけぇーーーーー!!!!!!」

彼女の声が再度こだます。わかる。多分日本語を間違えている。恐らく「動きます」、そう言いたいに違いない。

「うごけぇーーーーー!!!!!!」

三度目、彼女は叫ぶ。乗りはじめの方で彼女が頑張っているところを真横で見ている僕は必死で下唇を噛んで笑いそうになるのを堪える。
さながら彼女は初めて乗るガンダムを起動させようとするアムロレイ、動かなくなった初号機を動かそうとする碇シンジくんであった。
いつしか僕は彼女を応援していた。がんばれ、がんばれ、任務を遂行しろ。この腐れポンコツを動かしてみせろ。
遂にエスカレーターが音を上げて動き出す。ゆっくりではなく、それなりのスピードで。何人かの人は尻もちをつきかける。
今、再び動き出したこのエスカレーターに乗る人たちの何人が彼女の闘いを認識していたであろうか、群衆の大半は未だザワついたままだ。
これまでと同じようにスムーズに動くこのエスカレーターで1階を目指しながら僕は彼女に心の中で拍手を送った。
あなたはいい仕事をした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?