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「いちばんやりたいこと」を間違えない


大好きなこと

私が大好きなことは、いわゆる「ファシリテーション」。
ファシリテーションとは、簡単に言えば、会議などの話し合いを進行したり、ワークショップを仕切ったりすること。

でも、私は会議を仕切ることが好きなのではない。
好きなのは、「良さcafeのような」場をファシリテートすること。その空気感づくり、場づくりだ。

約8年、「あなたの良さがみえるcafe(良さcafe)*1」という場を開き続けている。良さcafeや、それと同じ空気感の場のファシリテーションが本当に好きだ。

それは、こんな場。
安心して、思うこと・感じることを話せる(または話さないでいられる)空気感があること。そこに身を置く人たちの姿。

また、こんな場。
誰かの言葉や在り方が、別の誰かの心に響くことがある。「あなたと会うために今日ここに来たのだと思う!」「これを感じるために参加したんだと分かった!」という言葉を何度聞いただろう。偶然のフリをした必然が起こるのが当たり前だと信じられる場。

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その場では、皆が自然にそれぞれの役割を発揮している。場に明るさを与える役割もあれば、「受けとめる」「思慮深くある」「弱さを見せる」「違和感を口にする」…さまざまな役割がある。もちろん、一人がひとつの役割に限るのでもなく、いくつもの役割を入れ替わりながら絶妙に分かち合っていくことが、そこでは起こる。
そうして生まれる場で、個々の人がする体験は、どれも創造的で、そのクリエイティビティにいつも嬉しくなるのだ。

こういった場をファシリテートすることを、できることならどれだけでもやっていたい!と思う。


いつの間にか、すり替わっていた

それなのに。
こんなにも好きなのに、ここ数年ほど(!)、これが「いちばんやりたいこと」だということを忘れていたかもしれない。

こういった場をつくり、ファシリテートするには、参加する人たちがいなくては始まらない。こうして文章を綴るように、一人でもくもくと体験できることではない。

あの「場」で起こることの体験を届けたい、あの空気感に触れてほしい。
私はその価値を伝えることにどれほど時間とエネルギーを費やしてきたのだろう。
文章で、動画で。写真で、参加した人の言葉やアンケートの満足度で。
発信、集客、営業…
それをしないと人は集まらなくて、場のファシリテーション(私の「いちばんやりたいこと」)はできない。

確かに、それはそうなのだ。
けれど、いつの間にか、場を開く前に(場を開くために)やるべきことばかり考えるようになっていたな、と思う。場そのもののことではなくて。

ファシリテーションする場は、もっと発信を頑張らないと増えないわよ!
と、いつももう一人の自分が囁いている感じだった。
そして、私がやることのメインはファシリテーションではなく、「発信」「価値を理解されること」になっていった。まるでそれが「いちばんやりたいこと」かのようにまで、錯覚していたみたいだ。

良さcafeのような場の場づくりは、どれだけでもやっていたい「大好きなこと」だ。と同時に「自然にできてしまうこと」でもあるのだと思う。自然にできることというのは、驚くほどエネルギーを消費しない。(むしろ私はファシリテーションをした日は元気が湧いてくる!)

でも、「発信」「価値を伝える」「営業」は、自然にはできない。必要だと思うから、意識的に行う部類の行動だ。
…それをちゃんと認識していたらいいのだと思う。自然にできることではないけれど大切だからやるのだ、と分かっていればいいのだと思う。

いつの間にか、それを「いちばんやりたいこと」だと錯覚してしまった私。
「やりたいこと(に繋がること)なのに、あまりやる気が出ない」「継続できない」「結果が出ないとすぐ不安になる」そう思うたびに、「やりたいことに取り組んでいるはずなのに」と、どこか自分を責めていたことにも気づいた。

なんだ、「いちばんやりたいこと」がすり替わっていたのか。
そう気づいて一番にやってきた感情は、安堵だった。なんだ、そうか。それなら仕方ない。


もう一度、大好きなことを「想う」を始めよう

そんな訳で、もう一度、「いちばんやりたいこと」を心の中のメインに置くことを始めようと思う。

人生において、「いちばんやりたいこと」の時間の割合が今よりもっと増えていくことが願いだ。でも、今すぐその時間がぐんと増えないにしても、私がそのことを「想う」時間を持つことはできる。きっと私は、ワクワクしながら、にやにやしながら、「想う」だろう。

「いちばんやりたいこと」を自分がちゃんと分かっていることは本当に大事だと思う。次に場をファシリテートするときは、「今私は、いちばんやりたいことをしている!!」という喜びも内に感じながら、伸びやかにいられるのだろうな。


おわりに。

このnoteは、そんな私が「いちばんやりたいこと」を想い続けるために始めた。
文章で表現し、世の中に公開することは、「読まれるか読まれないか」「フォローされるかされないか」「リアクション(noteで言えば「スキ」)があるかないか」がついてくるものだ。できることなら読まれて、誰かの何かの役に立ち、リアクションがあったらいいと思う。

けれど、「誰かの役に立つように」「この世界観が伝わって喜びを感じてもらえるように」ということに囚われないでいたい。
これは、私が「いちばんやりたいこと」に浸るnoteだからだ。そんなひとりよがりの文章だけれど、それでも読んでみたいと思う人がいるのなら…私は、そんなあなたに会いたい♡


*1「あなたの良さがみえるcafe(良さcafe)」
…2012年から継続開催しているオリジナルのワークショップ。
「よさカード」を引いたり対話をしたりしながら「自分の良さ」に気づける。開催150回以上、参加者数はのべ900人以上。

トップPhoto by  Lanty on Unsplash

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