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さよなら夏の日の流れた午後に


ラジオをつけたら
山下達郎さんのサンデーソングブックに間に合いました。
夏の特別企画で竹内まりやさんがゲスト、
ちょっと、いや素敵だな、、こんな夫婦になれるなら結婚してみたい、、とお2人のリラックスした楽しげなやりとりにぽうっとしていたら、ラストソングに「さよなら夏の日」が掛かりました。


さよなら夏の日かー。
今年の私の夏は、8月は、ほぼ寝たきりのうちに終わってしまったな。
そう思いベランダから見上げると
かろうじて夏空、トンボが横切ってゆきました。



 コロナ騒動が始まって2年半、世の中がどんどん止まってゆく中で私はずっと休まず動き続ける巡り合わせを生きていました。

2020年、コロナ禍が始まると同時に始めた人生初の会社員仕事、東京と佐野を行き来しながらの2拠点生活で実家KUMAMOKUの営業宣伝もで同時進行していました、
また有難いことに音楽の仕事は一時なくなったとはいえすぐ復活しずっと続けることができました。

という事は結果三足のわらじ、休む時間は皆無でした。
こんな日々は人生で初めてで
(さすがに無理が重なり過ぎてやばい、、)と昨年秋頃から思いながらも2022年に突入。
世界は再び動き出し
もはや自分では止まれなくなっていたところにコロナ罹患、強制ストップのかかった8月でした。

今年に入ってからは(このまま動き続けたら病気になるかもしれないな)と実は感じていて
でも春から学校に行き始めた事もあり時間やお金の事を考えても休むという選択は出来ませんでした。
諸々のタイミングから、学校に行く選択は今年だから出来たことでもありました。
会社員であることは辞めました。
でも身体はしっかり「休め」のカードを出してきた、コロナに罹患。
「こいつダメだ止めないと」と判断したんでしょうね。
そうなったらもうどんなに抵抗しても無駄なのですよね。
経験上分かっていたのにまたカードを出させてしまいました。


当日、ファンの方が会場に送って下さったお花。
リハ時に届いて泣いたです。




 9/2(金)はスウィングメイドオーケストラのコンサートでした。
おかげさまで無事本番を終えることができました。
色々な方にお世話になって迎えることのできた本番でした。



かかりつけのお医者さん
耳鼻咽喉科のお医者さん
お医者さん並みに喉の症状について詳しい薬剤師さん達(薬の内容で全てを察し「今飲みましょう、本番に向け少しでも早く」と調剤と同時にお水を用意してくれる)
整体師さん(本番前と後の私の身体の変化を長年調整してくれている)
ボイトレの先生
舞台仕事を知り尽くしている衣装屋のベテラン店員さん



私のような小さな歌手でも
体調万全でない時はぱっと思い当たるだけでもこれだけのプロに支えられて本番に向かわせてもらいます。
リハーサルでは声をかなり加減することを了承してくれるバンドリーダー、
力を発揮できるよう励ましてくれる友の祈りも大きいです。


そうして助けてもらってやっと
楽しみに予約をしてくださったお客様の前へ
腹を決めてぐいと踏み出してゆく事ができます。


世界中のあらゆる表現者達
とくに人前でパフォーマンスをする人達がどれだけのメンテナンス方法や不測のピンチ時の手段を普段から念を入れて用意しているか、
恐怖や不安と向き合うためにどんな鍛錬をし心を整えるための努力をしているか想像してみると、見えない部分がその人をその人たらしめているのだと、
そして自分も大変な仕事を選んだものだと思います。





自分を信じてる。
でも自分1人ではできない事が沢山あります。
自分を信じることでやっと人に頼れるということか、そうなのかもしれない、いやきっとそうなんだとようやっと少し分かってきたかもしれません。(遅すぎるんだが、、)
自分を信じているからこそ決断ができるわけなんだものね。



 本番前のピンチはそれこそもう何度も経験していますが(怪我したり病気したり入院したり本当にいろいろと、、)このコロナというものは症状の変化の予測が付かず参りました。


身体が動かず頭も動かず
3週間寝たきりに近かったです。
人によって症状は様々、私はたまたま3週間だったけどもっと長く伏せっていなければならなかった可能性はあります。

幸いにもいい形で本番を終える事ができました。
現在も回復途上とはいえまだ本調子とは言えず油断できません。
無理すると数ヶ月後に後遺症が出るなんていうこともあるらしく、気が抜けないなと思います。

慎重に身体と向き合ってゆきます。
ご心配と応援をありがとうございます。
黙ってたけど実は気に掛けてくださってたそこのあなた様、お気持ち届いてます、うん。
ありがとう。

皆様もどうぞ、どうか、お身体は何より大切にしてくださいね。
睡眠不足にならず疲れをためずに、自然に気を張っているだけで基本的に人は自分を守れるものだと思うけど、それが難しい時があるのが現代なんだと思う。だから意識して大切にしてくださいね。

健やかに皆さんに会える事が私の大切な幸せです。


コロナを経て、9月からは生き方のスタンスをよく考え直して、極力ゆっくりやっていってみようと思っています。
上手く行けば新生・熊田千穂たれるかなあ!

でもね、この2年半は大変だったけど
とてもいい時間だったのです。 
新たな学びの連続でした。
だからこそ今考えられる事があるはずだなあと思うのです。



秋からも楽しみなライブが沢山あります。
一つ一つ大切にします。
「聴きに来てよかった、あなたが歌ってる姿を見て元気になれたから」というメッセージをこの2年半の間に何度も頂くようになりました。
心から嬉しいです。
生きることは全部アドリブの連続なんだなと私も以前より深く思うようになっています。
生きるアドリブが深くなれるなら、音楽のアドリブも少しは上達できるはず。
希望は大きいですぞ。








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