実感と言葉の伝達での理解は違う

学校の教科書、学術書を読んで知識、技術を理解することと実際に手を使いそれらを実感することは感覚が違うと私は考えています。

似たようなことは、かの有名なSteave Vai氏も自身の著書にて言及しています。
(以下引用)
 「ハチミツを例に説明しよう。ハチミツとは何かを頭で理解することはできる。(中略)ハチミツの出どころやその分子構造、製法、様々な種類などについて何冊もの本を書くこともできるだろうし、膨大なエネルギーを費やして、その味についての想像力をかき立てるような説明もできるかもしれない。しかし、ハチミツが一体どんなものかは、それを実際に口にして味わってみなければ絶対にわからない。なぜなら、ハチミツの味というのは経験的なもので、頭で理解できることとは全く無関係だからだ。」
(引用終わり)
※[1]

ハチミツを食べてみて味わって得た情報と食べないで知った情報は違うという話

実際に口にしないと美味しいとか苦いなどの感想は出ませんよね? 

実際に口にして情報を得たことを実感と私は呼んでいるのです。

音楽でも同じことが言え、理論本のコード進行や音使いを知識で得ることと実際にそれを使って身につける感覚は別だと考えてます。

音楽での例え話をしましょう。
Aの音は110Hzと複数の倍音成分でできているなんて説明と
実際にギターの5弦開放弦を鳴らして聴こえた音とでは情報の質が違います。
また音を扱うなら実際の言葉の羅列よりも音で情報をインプットした方がわかりやすいです。
逆に音を聞いて理解できないってときには言葉で書かれた説明を使います。説明によって別角度の視点を手に入れて、身体にわからせていくのです。

理論本、学術書はどうしても言葉の羅列を中心にしての理解に重きを置いています。
しかし感覚的に理解するために理解したい物事を実際に五感を使って体験してみるという理解のやり方(=実感)もあるのです。
これは理論本や学術書とは違う理解の仕方です。
実感が優れている場合"も"あります。 

この二つの理解の仕方を使い分けることによって知識、技術を身につけることができると私は考えています。


[1] Steave Vai著  坂本 信 訳 「VAIDEOLOGY - ヴァイデオロジー - ギタリストのための初級音学理論」(p6) シンコーミュージックエンタテイメント 2019年 

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