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ぴたり ㊿「真夏の木陰でつかまえて」

秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビューするのが目標。無作為に選び一冊ずつ順不同にいきます。 

50作目「真夏の木陰でつかまえて」1998年

前作で由香を守るために負傷した菊地さんの見舞いに行くシーンから。
美男が美男に…という章タイトルはどうかと思うけど、シリーズ後期に明が登場するともっとひどくなるので…これぐらいはまあ、よし。

ケーキを人から食べさせてもらうとか誰が相手でも嬉しくはないけどな

同じ病室の少年が、病院の敷地で死亡した女性の死因は、自殺とされているが絶対にちがうとひとりで言い張る。彼女は、自殺をするような人ではない、殺されたのだと。
そんな少年に菊地さんは由香たちを紹介して、この人たちに話をしてみるといい、と優しくすすめる。

自殺なんかするような人じゃない。この言葉よく出てくるなあ。作中に出てくるそれ、ほとんどこの言葉で由香が推理をすすめると自殺ではないことが判明する。
そんなことするような人じゃない、という言葉はときに怖い、と思うことはある。

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真夏の木陰。「真夏の海辺でつかまえて」という初期の作品があるので紛らわしいと感じていたけど、タイトルがそっくり。
被害者の年配女性と、彼女は自殺しないと証言する少年は、年の離れた友人関係を築いていたのだけれど、「真夏の木陰」で本を読んだという大事な思い出があるんだそう。

家がつまらなくて友達もいなかった幼いころの彼が公園へ行ってみるとそこにいた女性に声をかけられ、頼まれて本の朗読をした。それが楽しくてうれしくて、その夏を二人でたくさんの本を読んで過ごした。

こんなにはまってるタイトルだったんだ。抽象的に見えて具体的だった。







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