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校内探偵 ㉛「白雪姫をつかまえて」

秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビュー。
無作為に選び一冊ずつ順不同にいきます。 

31作目「白雪姫をつかまえて」1995年

ある日、教室の由香の机に、誰かが書いたのであろう小説の原稿が届く。
読んでみると、主人公は工藤由香という。
左記子らしき人物も登場し、由香と左記子が、校内で起こる事件を探偵として調査する内容。

その他登場人物が、校内の実在の人物で、「ミステリ―研究会」のメンバーだとわかり、彼らに接触することで物語が進んでいく。

久しぶりというか珍しいというか、「校内で完結する」「ひとが死なない」タイプ。
シリーズ後期にはたいした意味もなく人が死んだり怪我したりするので、読んでいてなんとなくホッとした。

校内で進める調査ながら、ミステリ―研究会のメンバーを知るお店が一つ出てくる。その名も「喫茶ウクレレ」

初見のとき大笑いしたな。

ウクレレ風ジャンボ・パフェ 1500円

ウクレレ風トロピカル・ココア 1000円

コーヒー 500円

三人でお茶しただけで三千円もとられる由香と左記子と小林クン。トロピカル・ココアはココアの上にホイップクリームとバナナの薄切り。
由香はそれをよけて飲んだので普通のココアに千円払ったことになる、とか。

その他エピソードは、左記子と加川くんのデート。菊地薫が女性と一緒にいるところを見かけた由香。
ミステリ―研究会のメンバーが由香にラブレターを。

圭一郎さん、圭二郎さんがこんなに出て来ないのも珍しい。二人の相棒として大活躍するのは小林クン。

事件が起こらないので、由香が何を解決した、とかはないのが異例だと思う。作中の小説がとても面白い。



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