ナイスな謎 ㉚「謎の同窓会でつかまえて」
秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビュー。
無作為に選び一冊ずつ順不同にいきます。
30作目 「謎の同窓会でつかまえて」1995年
16作目の「天使をつかまえて」で菊地薫が登場してから。
圭二郎さんとどちらを選ぶのか?という時期があり、いちおうのけりがつく34作目の「雪降る夜につかまえて」までが、もしかしてこのシリーズの黄金期なのでは、と思えるくらい面白い事件が多い。
その中でも、この「謎の同窓会」は由香の謎ときやサキとの冒険などもとても面白い。
そして残念。挿絵と本文の矛盾。
初版だからですか?もしかしたらこれが修正されてるこれ以降のバージョンがあるの?あるなら見たい。
いまどき珍しい坊主頭。今回の依頼人である少年の特徴です。
その少年の挿絵がこちら。
小説って、文字だけで人物をイメージしながら読むから、いまどき珍しい坊主頭といわれて私の場合は元気いっぱいな野球少年をイメージした。
でもこれじゃ、センスのいい賢い子にしか見えない。
坊主じゃないってどういうことなんだろう。なんで、このまま出版されちゃったんだろう。
いい謎です。
同窓会に行くために出かけたまま、帰ってこなくなった母親を探してほしいという依頼。
「行きたくなかったのに行った」とは依頼人の少年からの証言だけれど、行きたくなかったとはどういうことか、のちのち少しずつわかってくる。
菊地薫と由香のあいだには、由香のママ経由で「家庭教師問題」が勃発するが菊地薫本体の出番はなし。
菊地さんに電話はしない、と由香がサキの家に家出する。
圭二郎さんもほとんど出番はなく、警部の協力のもと由香とサキで謎をとく初期の楽しいパターン。
由香が小さな違和に気づきながら進んでいく話が一番おもしろいな。
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