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【危機の中のチャンス ー あなたの家族を強くして不安を手放す9つの方法】

+++これは、ドイツのオンラインシンポジウム「子供とコロナ」発行の"Die Chance in der Krise"より著者が翻訳したものです。+++


偶然というものはありません。

だからあなたがこの本を手に取ったのも、偶然ではありません。この本があなたのところへやってきたのは、あなたに変化する用意ができているからです。



【不安の檻】

これを読んでくれる皆さんへ

私たちは今、とてつもない変革を経験しています。人々はこれまでに一度もなかったほどに分裂してしまいました。私たちは不安にさらされ、強くなったように感じたり、また弱くなったように感じたりしています。未来は一体どうなるのか、どうしてこんな「新生活様式」を私たち人間が許してしまったのか、それがわからない不安に苦しめられています。

危機を乗り越えるにはまず自分から始めることだということを、どこかで聞いたことがあるか、あるいは自分で経験したことがあるかもしれませんね。今私たちを苦しめている最も大きなものは、不安です。多くの人々は、政府や裏で糸を引いている人たちが世界をどんどん檻に変えていくのを、びくびくして見ているだけです。勇気ある人々は、怯えた人たちがどんなことをしてでも自分の狭い世界観を守ろうとするのに、常日頃ぶつかっています。

「不安は誰にでもある。ただ、何に対してかが違うだけだ」ー ドイツの作家、フランク・ティース

不安はあなたを弱くします。どうしてメディアは感染者数が増えたとか恐ろしい対策がやってくるとかそんなことばかり報道しているのでしょう? 誰も私たちに落ち着いているようにという政治家はいません。もっと自然の中ですごしなさいとか、健康的な食生活をするようにとか、あるいはどうしても必要ならばビタミン剤を摂るようにとかは言いません。国民の健康のためを思うなら、その方がよほど筋が通っているでしょうに。

やっかいなことには ー 不安にとりつかれているときには、論理は通用しないのです。政府があおりたてるパニックに駆り立てられた人は、ウィルスが恐いだけではなく、これまで自分がいた心地よい世界観が崩されるのが恐いのです。これは自己防衛の心理です。

これはどちらの考え方をしている人でも同じです。もうすでに本当の情報を得ている人でも、心の中で嫌な感覚を感じていると思います。病気が恐いのではなくても、政府が何をするかわからないとか、近所の人が非難してくるのが恐いとかかもしれません。自分の子供がこれから生きる未来への不安なのです。つまり、「新しい生活様式」への不安です。

こうした絶えざる不安が、世界中でコロナ・パニックを大きくしています。ある人は物質的なレベルで、ニュースで絶えず現行の対策だとか規制だとかに気を逸らされて、ちっとも創造的な仕事ができなくなっています。ある人はエネルギー的なレベルで、思考や意識や家族との会話にいたるまで、コロナのことばかりになっています。

不安は狭さからきます。不安から逃れる唯一の道は、狭さから自分を解放することです。狭さは家や村や学校にあるのではありません。それは私たち人間の頭の中にあるのです。そこにあるのは無防備で危険にさらされている感覚です。ウィルスに対して、医者や国家や宇宙に対して、どうすることもできないという感覚です。これから9つのポイントを紹介します。あなたの家族と一緒にこの狭さから逃れるにはどうしたらいいか、ともに不安を力に変えていき、新しい認識を得るにはどうしたらいいかをお話しします。あるテーマをもっとよく知りたい人のために、関連情報のリンクや本も紹介しています。この本は、自己責任と自分の意志をもって生きるためのきっかけを与えてくれます。「殺人ウィルス」に対する不安を取りのぞくだけではありません。地に足をつけて、自分で考え、世界観を広げて、私たちこの地上に生きる人間が、本当はどれほどの力を持った存在なのかを思い出させてくれるでしょう。

それでは、始めましょう。

1.危機の中の利点に目を向ける

危機の中にポジティブなものを見ろっていうの? そうです。でも、すべてが美しいみたいにいって、ネガティブなものを我慢しろとか無視しろとか、あるいはすべてそのまま受け入れろとか言っているのでありません。コロナの時代を特別な試練として見てみるということです。人間としての試練、決意や尊厳を鍛えるための試練です。

ありとあるコロナ対策や自由の制限にもかかわらず、このことは確かです。あなたもあなたの子供も、人間としてこの地上にやってきたということ。あなたたちは人間で、この世界で最高の善なのです。まずは、自分自身をそのような存在として見てみましょう。そして、自分の創造性を発見し、責任を引き受けましょう。このすべてのできごとへの責任は、いわゆるエリートたちにだけあるのではありません。エリートたちにそこまでやらせてしまった私たち一人一人にもあるのです。

ロックダウンや対策によって、これまでの余暇の楽しみは消え去ってしまいました。映画やカフェ、フィットネスやショッピングも、マスクやソーシャルディスタンスであまりロマンティックなものではなくなってしまいました。経済は崩壊し、職や生活基盤に対する現実的な不安が大きくなっています。こういった現実を美化しようというのではありません。これは目の前に迫っている問題であり、すでに現実になっている大問題です。

それなら、ポジティブなことは何でしょう? これは非物質的な領域でだけ見つけることができます。これまでの余暇の楽しみが消え去った代わりに、本当に自由な時間ができたのじゃありませんか? 前はすてきなことと思っていたのが、実は何かから気を逸らすだけのものだったのかもしれません。自分自身の考えや、自分自身と向き合うことから気を逸らしていたのかもしれません。今、自分に何が本当に必要で、何が必要でないのか、考えるための自由な空間ができました。せっかくの自由な空間をテレビなどで埋めてしまわないで、有意義に使いましょう。この人生で本当にあなたがするべきことは何なのか、今の生活のどこが好きなのか、何を変えたいのか、考えてみてください。子供っぽいような気狂いじみたようなアイディアも自分に許してみましょう。ひょっとしたらこの自由な時間に実現できるかもしれないし、それが新しい人生の課題や生活の基盤になるかもしれません。どれだけたくさんの可能性が自分のなかに眠っているか、すぐに気がつくことでしょう。

これはものの整理をする時でもあります。家の中だけでなく、まわりの人間関係もきれいにしましょう。余暇の予定の多くが中止になったかもしれないけれど、それはあなたが本当に望んでいたというより、義務感でやっていたことなのかもしれません。今、どの人が本当に精神的にあなたを豊かにしてくれるのかがわかると思います。相手と大ゲンカすることもなく、もう冷たくなった関係を整理するのにはよい機会です。今、人間関係の組み換えがますます激しくなっています。無力さの感覚とパニックの中で、ほとんどの人たちは本当の顔を見せ始めているからです。相手にそれぞれの道を行かせるのも、容易に決断がつくでしょう。

十分に心を開いて、内なる変化への準備ができいたら、多くの扉が閉まっていっても、同時に多くの扉が開いていくのがわかるでしょう。それは、尽きることのない充実感と内なる平安と強さへの扉です。あなたの心臓が前からずっと行きつきたいと思っていた場所への扉です。自分を信じなさい。

あなたの子供にとって、あなたはもっとも大きなお手本なのだということを心に留めてください。子供はあなたが勇気をもって新しい道を行くのを見、強い意志で日常の生活を変えていくのを見たら、同じようにやる気を出して希望に満ち、ともに行動してあなたを支えるでしょう。

あなたが子供のお手本であるだけではなく、子供があなたのお手本であることもあります。積み木で作っていた塔が崩れてしまったら、子供は何度でも最初からやり直します。どこからこんな忍耐と持続力が出てくるのかと驚くでしょう。そんな風にあなたも、崩れた人生の塔を新たに建て直しなさい。どれほどの力と創造性が自分の中に隠れていたかに、驚くと思います。

《塔は建てることが大事なので、所有することが大事なのではない。》
オリバー・キル、勇気を持ってTVのポッドキャスト・エピソード「子供の賢さ」より


あなたがこの地上にいるのは、経験を積むためなのです。


2.考えの違う相手に気が狂いそうになっても、相手に理解を示す。

コロナ対策については、どれだけ人が違う考えを持つものか、あなたも気づいたと思います。ものごとは白と黒だけではないというのと同じで、「ものわかりのいい人」と「反対者」がいるだけではないのです。意見の多様性は、ただ単にメインストリームに迎合している考えから、統計の数や対策の行き過ぎへの批判、さらにはウィルスと感染という理論そのものへの疑いまで、いろいろです。

自分自身が学者だったり、ウィルス研究所で勤めていてそのテーマの研究をしているとかではなかったら、メディアが伝えることをただ信じるしかありません。ええ、でも学者というのは、人々の幸福のために研究し、私たちに最上のものをもたらすために働いているんじゃないの? 残念ながら、今までもさんざん表に出たように、そうではないんです。

あなたが自分で発見したとか作ったとかじゃなかったら、この場合信じるしかないというのが現実です。この世のテーマはすべてそんな風です。まずは信じて、それから本当にそうなのかと考えてみるんです。さまざまな事実を比べてみて、それをまとめて、自分の理解と自分の世界観とにしていくことです。だからこんなにいろいろな意見があるんです。それぞれが独自の表現を持ち、世界観を持って、その中で集めた情報を整理しているからです。

問題なのは、間のプロセスが抜けているときです。多くの人々は、何かを信じたら、それを直接自分の世界観の中に取り込んで固めてしまいます。本当にそうなのか考えてみたり、それについて自分で考えてみたりしないでです。信じたら、それがそのままその人の現実になってしまうんです。その結果、信仰を支配する者は、その人の現実を決定する、ということが本当になってしまいます。

この文を読んだあなたは、間のプロセスをもう決して省略しはしないでしょう。あなたは情報を意識して取り入れているので、まわりの人たちが思考停止状態になっているのを見たら、気分が落ち込むことも再三でしょう。議論をしても、役に立たないことが多いのです。たいていは新しい認識が得られるわけでもなく、もっと気分が落ち込むことになるだけです。それならどうしたら、多くの人々に対して理解と寛容の心を持つことができ、内なる怒りを鎮めることができるでしょう?

ほとんどの人たちがはまり込んでしまっているのは信仰なのだということを思い出しましょう。信仰といったら、宗教のようなものですよね。寛容さを持つあなたなら、世界にはたくさんの宗教があることは理解できると思います。人は、心理的な避難所やスピリチュアルな真実を見出せるものを信じようとするのです。

何ヶ月もメディアが矛盾したことを言ったり、情報の検閲が行われたり、疑わしい政治的決断がなされてきたあとでは、もはや事実がどうなのかという問題ではないことははっきりわかります。コロナは世界的な宗教になったのです。それなら信仰の自由を認めて、彼らが生きている世界観に敬意を払いましょう。多くの人は本当におびえていて、当人にとってはその恐怖は現実のものなのです。あなたが不安を感じているものが、他の人には害がないように思えることもあるのと同じことです。

この複雑な状況を、どうやってあなたの子供に説明したらいいでしょう? 子供の年齢によっては、不安と世界観の関係についてあれこれと説明することはできないかもしれません。もっとも、大人というものは子供の能力を過小評価していることがよくありますが。

子供が幼稚園や学校で争いに巻き込まれるのを避けましょう。子供が、親の考えを他の子供たちに押しつけようとしたりしないように気をつけましょう。子供には、「そういう考えの人もいるし、こういう考えの人もいるのよ」という風に、いろんな考えがあることを示しましょう。いろいろな考えを持つ人たちを同じように扱って、ある考えだけをよく言ったり、あるいはけなしたりしないようにしましょう。

もし子供が「でもママ/パパはどう思うの?」と聞いてきたら、そのとき自分がどう考えているかを話して下さい。そのときも、なるべくニュートラルに話して、他の意見に敬意を示しましょう。あなたにとっての真実を世に広めなければいけないと、子供が責任を感じたり決してしないように。そうしたら子供は、いろいろな見方があって、どれも同等に共存できるのだということを覚えることができます。私たちはやはりたがいに平和と敬意とを望んでいるのですから。


3.メディアのネガティブな情報を避ける

ネット情報を見るのは、ただそれに費やす時間がかかるだけではありません。気をつけないと、あなたの思考やエネルギーまで取り返しのつかないほど日々失われていってしまいます。

あなたはつねに最新の情報を得るために、ソーシャルメディアのグループに入ったり、テレグラムのあれこれのチャンネルに登録しているかもしれませんね。もちろん、これも大事なことです。生活に関わる大事な情報をオルタナティヴなメディアですばやく得ることができれば、政府の戦略も見抜くことができ、それに対して効果的に用意することもできます。ですが、起こっていることの全般を見て取るには、すべての情報を見る必要はないのです。

あなたにとって本当にプラスになるようなチャンネルだけを選びなさい。たとえばの話、コロナ症例の数が行われているテストとの関連で、この世界的なパンデミックの本当の姿を少しも示していないことがもうわかったら、毎日のように統計の数を分析する必要はありません。それはそうと、「自分で偽造したのではない統計は信じるな」ということはいずれにしても言えます。

いくつものチャンネルの中から二つか三つだけ、しっかりと情報を得られるとあなたが感じられるものを選びましょう。しっかりと情報を得るということは、あまり意味のない大量のニュースを雨のように浴びることではありません。よく選んだニュースを4つか5つ見るくらいが、ちょうどいい数です。その上で何か特別に共鳴したり、批判をかき立てるニュースがあったら、その点だけを深く調べていけばいいんです。

もちろんこれは、あなたが効率的に情報を得られるようにとのおすすめにすぎません。もしあなたが、あとで議論するのに準備しておくために、すべての情報をこと細かく知っている必要があると思ったら、最新の情報をつねに見ていったらいいと思います。でも、エネルギーを消耗する議論にかかわるつもりがなかったら、ただあなたの生活のプランや自分の意見を持つために十分なだけの情報を消費するようにしましょう。一つ一つのスキャンダルや、いろんな噂や政治家が何を言ったとかは、全体的な危機の状況を知るにはそれほど重要なことではありません。そうすれば、もっと多くの時間、もっとポジティブなエネルギーがあなた自身とあなたの家族のために残ります。

いずれにしてもあなたがするべきことは、同時に一番むずかしいことでもあります。それは自制心を鍛えることです。一日のうちでいつどれだけメディアを消費するのかをしっかりと決めましょう。それは家族とすごす以外の時間でなければなりません。子供と一緒にいるときにそのかたわらでは決してやらないこと。子供はとても敏感で、部屋の中の雰囲気を強く感じ取ることがあります。だから、子供たちを鬱々としたエネルギーにさらさないようにしましょう。大人ならばネガティブなニュースやネガティブな雰囲気をそれぞれの文脈で理解することができますが、子供たちにはそれができないからです。子供たちは、家族の中に鬱々とした雰囲気があると、自分のせいなんじゃないかと思い込んでしまうことがあります。

一日の始まりが、ラジオが背景に流れている中での朝食、という家庭がよくあります。でも、ラジオやテレビから流れてくるニュースが、どんな影響を与えているか、意識してみたことがありますか? ほとんどはごく小さなニュースですが、その中に何かネガティブな波動があるのを感じたことがありませんか? どこそこで抗議行動があった、腐敗があった、悲劇的な事故があった…。世界にはポジティブなことは何も起こらなかったのでしょうか? こういった情報は、無意識にあなたの日常に刻印を残し、夜の夢にまで出てくることもあります。あなたの気分はネガティブの方へすぐに傾いてしまいます。

メインストリームのニュースにはネガティブなエネルギーがありますが、オルタナティヴなメディアにもあります。もちろん、ネガティブな現実をよくしようと思うなら、ネガティブな事実も知らなければなりません。ですが、意識してニュースを見るようにし、自分の感情がどう反応するか観察しましょう。感覚が麻痺するような不安感があなたの中で優勢にならないように気をつけて下さい。

不安があると人は弱くなり、操作されやすくなります。ネガティブなニュースを流しっぱなしにして無意識に浴びていると、時とともにそれがあなたの現実になり、あなたの現実認識そのものが影響を受けてしまいます。いつの間にかあなたは、自分のまわりでは悪いことばかりが起き、悪い人ばかりがいるように思い始めるでしょう。ときにはネットのない時間を取るようにしましょう。

もしスマートフォンを見ないでいるのがむずかしかったら、オンラインの時間を測るアプリを使ってみるといいかもしれません。いったいどれだけの時間を毎日あまり意味のないことに使っているのかがわかるでしょう。あなたは、それよりもその時間を家族のために使った方がいいと思うかもしれませんね。

メディアを意識して使うのは、今の時期にはものすごく大事なことです。ある種の支配層が、人をニュースの洪水に巻き込むことで、大事なことから気を逸らせ、不安にさせておこうとしていないともかぎりません。そんなものには巻き込まれないようにしましょう。自分が何に注意を向けるかは、意識して自分で決めましょう。意識して子供のお手本であるようにしましょう。

4.同じように考える人を見つける

この時期、孤独の感覚がものすごく大きいかもしれません。一人で暮らしている人もそうですが、この危機についてメインストリームとは違う見解を持っている場合は家族でも孤立感を感じていると思います。

でも実際には、世界中で信じられないほど多くの人が批判的になり始めています。まだ少数派ではあるけれど、転換が起こるには、批判的な人々がある程度の数になり、変革の始まりを告げるだけで十分なのです。それだけに、こういった人々が一緒になって組織的に活動することが大事です。

同じように考える人を見つけるということは、違う考えの人を避けるということにもなるかもしれません。でもそれは、意見の違う人から目を逸らして、自分の世界に閉じこもるということではないんです。絶えず自分の考えを押しつけようとして、あなたのエネルギーを奪ってくる人々を、とにかく今のところは避けるということです。いつも自分が悪者、外れ者みたいに思わされるのは、けっこう消耗することですからね。

インターネットはその点ありがたい存在です。とにかくつながりを見つける可能性を与えてくれますから。インターネットでの情報交換やオルタナティヴなメディアがなかったら、私たちはもっとやすやすと操作されてしまったことでしょう。もちろん大多数の人々は今でも操られてしまっています。でも、さっきも言いましたけれど、変革をもたらすのに必要な少数の批判的な人々の集まりを作ることが大事なのです。ありがたいことに、いろんな活動家や勇気ある学者たちが、これまでのステータスを犠牲にしても、ソーシャルメディアやブログやテレグラムのチャンネルで人々に真実を伝えようとしています。

あなたはもうすでにやっていると思いますが、オンラインで情報交換をすることです。でも重要なのは、オンラインの情報交換に留まらないことです。人間は感情の動物なのですから、感情的にはやはり、オンライン上のヴァーチャルな出会いはリアルな出会いに代わるものではありません。同じ考えを持つ人々が同じ場所に集まったら、ただ言葉だけではない、心の会話が始まります。心が高揚するエネルギー交換が起こり、生きる喜びや勇気、自分への信頼の力がチャージされ、その後もずっと持続するでしょう。

あなたが好きな人たちと一緒に何かやりなさい。おそらくは、他の家庭もあなたのところと同じ状況だと思います。本当はもっと交流したいけれど、今は何か企画する勇気がないんですね。そういう人たちと一緒に、たまっていた思いを吐き出すことができる守られた空間を作ることができます。信頼できる集まりの中では、あなたはリラックスすることができ、外の世界で起きている狂気をしばらく忘れることができます。それが貴重なんです。何故といって、親がリラックスしていたら、子供たちもリラックスしますからね。子供にも公正で人が尊重される日常が再び生きられるようなオアシスを作りなさい。

大きな会でなくてもいいのです。子供たちは、それほどたくさんの子供と一緒でなくても幸福を感じられるものです。それよりも子供は、本当に一生懸命にともに過ごそうとする少数の人といることを求めています。パニックや不安やマスクした顔やらから離れた、守られた空間での一日は、実際、今あなたが子供に与えることができる最上のものなのです。最初は少し勇気もいるし、自分の限界を越えていかなくてはならないかもしれないけれど、ちょっとクリエイティブになって、自分で企画する責任を引き受けましょう。

でも、どうやってまだぜんぜん知らない人に声をかければいい? よく言われることですが、世の中には白と黒だけでなく、その間がたくさんあるのです。あるテーマについてオープンに話せる相手、それほどオープンには話せない相手がいます。だから、よく知らない相手に声をかけるときは、用心深くいきましょう。そうでないと最初の印象が間違っていて、たがいに不快なことになるかもしれません。

一見批判的に考えている風な人でも、急に実はそれほど批判的ではないことがわかったりすることもあります。ある特定のテーマについては真相を知っていても、他のことはまるきり何も知らないこともあります。でも、それはそれでいいのです。それぞれの人はそれぞれ自分の世界観があり、経験を積んでいて、それぞれのテンポで成長しているんですから。だから、あまり期待しすぎないようにして、相手のあり方に理解を示しましょう。

同じように考える人と会う動機には、二つあると思います。一つは、この狂った時代にもう一人ではいたくないと思い、同じように考える人がいることを確かめて、自分が正気なのを確かめたいという思い。もう一つは、家族の中だけにいることや一人でいることはまったく問題ないけれど、まわりの人々を団結の精神で強めたいという気持ちです。

内なる声に耳を傾けて、あなた自身にとって家族にとって何がいいのかを感じ取りましょう。もしあなたが家族としてもう強く感じていて、外からの精神的な支えを必要としないと感じるのなら、最高の状況だと思います。そこで、ただこの嵐が終わるまでじっとしているのか、それとも余力があったら、それほど強くない人々のために何か活動を起こすのか、ということだと思います。そういう人々のところにいって、自信と信頼のエネルギーを放射しましょう。そうすることで、あなたのまわりの環境全体にポジティブな影響があるはずです。

5.自分の内なる声や子供の声に耳を傾ける

この時期、あなたはこれまで感じたことのないような感情に直面していると思います。世界中の人々が集団的なトラウマを経験しているのです。毎日のように、不安に取りつかれた人、マスクをつけた人、ときには攻撃的になっている人に出会います。その上、望んでいないような未来が来るかもしれないという考えには、実に鬱々とさせられます。そんな中で社会性や思いやりを学ぶ成長のステージにある若い子たちは、マスクやソーシャルディスタンスによって甚大な影響を受けています。

こういったことはすべて、ネガティブな感情のものすごいエネルギーとつながっていて、あなたやあなたの子供を多かれ少なかれ毎日のように苦しめています。このストレスは人によって感じ方はそれぞれだと思います。特に子供たちにとっては、悪い影響があることがあります。小さい子供になるほど、鬱々とした感情を表現することがなかなかできません。子供というのは一般に、まわりに合わせようとする能力がとても高いので、自分の嫌な気持ちは抑圧しようとします。これが遅かれ早かれ後になって、身体的な症状になって現れてきます。

だから、子供たちに細かに気を配って寄り添ってあげることが、今はものすごく大切なのです。子供の行動がいつもと違うことに一番よく気がつけ、それがどういう意味があるのかがわかるのはあなただけなのです。子供の行動がおかしくなる前に、暖かい愛情を注ぎ、気をつけてあげることで、子供を守りましょう。

子供が気を抜いていられるような安全な港であるようにしましょう。子供に安全と無条件の愛の場所を提供しましょう。子供が疲れ切って不機嫌になって学校から帰ってきたら、子供に対する責任は自分にあるということを意識して下さい。子供の不機嫌を何でもないことのように扱うのではなく、まじめに受け取ってあげるという責任です。子供は何が嫌だったのかを表現することができないかもしれませんが、その感情を言葉にして表現することができたら、すぐによくなります。そうすることであなたは、すぐに子供のための守られた空間を作ってあげることができ、子供はたちまち自分がわかってもらえ、受け入れられているという感覚を持つことができます。

その日に何が一番つらかったのかを話しましょう。その感情に必要なだけの時間と空間を与えましょう。なるべく早く嫌な感情を手放すのがいいことなのではないし、楽しいことで気を逸らしておおい隠すということでもありません。すべての感情は私たちを助けてくれるものであり、経験したことを処理するための重要な働きがあるのです。どんな小さなことでも、日常的な危機を一つ乗り越えるたび、あなたたちは新たな気づきを得て、成長していきます。

それでももし、子供の気持ちを理解できず、責任を持つ立場を引き受けるのが難しいと感じるときは、自分に次のような質問をしてみましょう。「もし私がこの子だったら、どんな風に扱ってもらいたいだろう? もし私に悩みがあって、誰かが話を聞いてくれるなら、どんな風にして欲しいだろう?」子供の視線になって考えてみると、子供のことを容易に理解できるのがわかると思います。そして、あなたと子供が共同のチームとして強くなれるのがわかるでしょう。

子供の成績のことなどはしばらく忘れなさい。学校の宿題だとか家事の手伝いだとかは子供にとって本当に大事なことではありません。それよりも心身ともに健康であることが大事なことなのです。子供は学校に行き始めると、独自のアイディアのための自由な空間はひどく減ってしまいます。週末の自由時間だけでは、子供が本当にやりたいと思っていることを実現するのにはまるきり足りません。翌日の学校のこと、次の試験のことが、絶えず頭の中でぐるぐるしています。何年か経つうちに、相応のフラストレーションや諦めの感覚が子供の中に生まれていきます。子供たちは、大人の期待に応えようとし、自分の欲求は影に押し込めてしまうからです。こうしたフラストレーションは、過度にスマートフォンやメディアにはまりこんだり、あるいは何かの症状になって現れることが多いです。

だから、家の中に期待や強制のない自由な空間を作ることをおすすめしたいのです。宿題をやったかどうかをコントロールするよりも、子供を信頼してあげることが必要です。家事の手伝いも強制してはいけません。子供は今から洗濯物を干したり、掃除機をかけたり、食器洗い機から食器を出したりできなくたっていいんです。ただ、本当の生活とはこういうものだと覚えるだけのことですからね。食器洗い機を片づける機会なら、人生にまだいくらでもあります。子供時代は、そんなことのためにあるのではありません。だけど、もしあなたが子供といい関係を持って、子供の目線で話していたら、子供は自分から手伝いたい気持ちになるものです。子供は何かを覚えようと思ってするのではありません。あなたが好きで、あなたを助けたいと思うからやるんです。

子供を甘やかし過ぎるんじゃないかと心配しないでください。子供は甘やかすことなんてできません。ただしっかりと愛することができるだけです。ただ、子供が愛と内なる平安とでいっぱいになって眠りにつき、次の日のことを心配しないでいられるように気をつけてあげましょう。あなたが子供に愛情にあふれ、悩みのない子供時代をすごせるようにしたならば、子供はいつかそれに感謝するでしょう。どんな子にも、そんな子供時代をすごす権利があるのです。


6.自然が与えてくれる力を取り入れる

これは現実と再びつながりを取り戻すには、一番簡単な方法です。自然は足を地につけさせてくれます。森でも庭や公園でもいいのです。この地上にある本当に美しいものは、人間が作り出したパニックなどにはまったく影響を受けはしないということを、自然は思い出させてくれます。

そればかりか、自然はいつでもあなたを助けようとしています。コロナが始まって、2020年は社会の集合的な不安感が刻印を刻んだ年になりましたが、あの夏にはセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)がとりわけたくさん咲いていました。この花には、とりわけ抑うつの効果があり、気分を明るくして、神経質なイライラを鎮めてくれます。これを単なる偶然と見る人もいるかもしれませんが、それは母なる大地の高い意識を否定することです。でもあなたはこれを、知られざる植物の世界を探っていくきっかけとして受け取るかもしれませんね。

「自然のリズムを通して
私たちは自分の人生のリズムを受け入れることを学ぶ。
何も永続するものはない。
すべては絶えず変転している。」

クリステル・シュトレーベル www.chirstel-stroebel.de

自然はまだまだ多くのことを私たちに教えてくれます。そこらじゅうに生えているような草花に、スーパーで売っている野菜などより何倍も貴重な栄養分やビタミンが含まれていることが証明されています。私たちの祖先はこの自然の恵みの貴重さを知っていました。現代の西洋の世界では、この知識は失われていってしまいましたが、本当にその気になれば、この知の扉を再び開くこともできます。生活に必要なもの、生きていくのに必要なものの多くは、いつもあなたの足元に生えていることに気がつくでしょう。いつでも、ただで。植物は、ただ栄養価だけではなく、深い知恵を内に持っていることもわかるでしょう。

お勧めの本 ー 「食べられる野草」シュテフェン・グイド・フライシュハウアー、ユルゲン・グットマン・シュピーゲルベルガー

この時期、とりわけ勇気を持つことが必要です。この勇気を、あなたは植物の一生から学ぶことができます。種が発芽する条件は、よかったり悪かったりします。植物が発芽するには、必ずしも最上の条件や完璧なタイミングが必要なわけではありません。

「どんな種も成長する勇気を持っている。
未来のことなど心配しはしない。」 ー 著者不明

だからあなたも、そのままただ大きくなっていけばいいのです。今たまたま世界がおかしくなっているからといって、あなたの人生のプランを諦めることなどないのです。今まで先延ばしにしてきたことを、いま決断しなさい。コロナ危機は人類に一撃を与えたようなものです。多くの人はその一撃で倒れて、もう起き上がらないかもしれません。でもこの一撃を一つのインパルスとして見て、自分の人生を変えるきっかけにする人もいます。

科学では、自然はただ生存競争の原則に従って動いていて、つねに強い生き物が勝ってきたのだと長いことみなしてきました。その間には、植物は実はたがいに協力して生きていて、根っこや空気中の伝達物質で情報を交換し、養分を分け合っていることがわかりました。若い木は、まわりの木々から根っこを通して十分な養分が得られるように支えられていることも証明されています。

お勧めの本 ー 「木々たちの知られざる生活」ペーター・ヴォールレーベン

自然はだから、意志の力や実行力や耐久力などの男性的な力強い性質だけを私たちに示しているのではなく、他の仲間のことを思いやったり、共にいようとする女性的な力も見せているのです。
自然とのつながりや自然への信頼は学び取ろうとする必要はありません。それは生まれたときからあなたの中にもあなたの子供の中にもあるのです。でももし、人生の途中で見失ってしまったのなら、いつでもまた見つけることができるでしょう。あなたの子供がどのように自然と出会い、どれだけ強くつながりを持つかは、あなた次第の部分が大きいのです。


7.今ここにある創造性を発見する

「私は創造性はぜんぜんないんです」この言葉を大人が言うのをよく聞いたことがあるでしょう。さらに悪いことには、子供までが言っているのを聞いたことがあるかもしれません。ですが、誰でも創造的に仕事をする内在的な欲求を持っているのです。多くの人が自分は創造性がないと思うのは、子供の頃からまわりの人からいいとか悪いとか評価する目で見られてきているからです。
子供が遊んだり実験したりしているときに、大人がただやるようにやらせて、子供がやっていることをとやかく言ったり、もっとうまくやらせようとしたりしなかったら、と想像してみてください。子供が遊んでいるのを、ただそれとして見るのです。結果にではなく、行動することの喜びそのものにフォーカスしてください。そしたら、子供は自分は創造性がないなどと思い込むと思いますか?

創造性に再びスイッチを入れるのは、実はとても簡単です。今すぐ家族で何か手でものを作るような自由な空間を持つことを計画しましょう。別に大きなプロジェクトでなくてもいいのです。小鳥の巣箱を作るとか、集めてきた自然素材でテーブルデコを作るとか、あるいはただ紙の上で絵の具で遊ぶとか、芸術作品をこしらえようなどと思わないでただ遊ぶようにやったら、それだけでもう創造的な仕事をする満足感が得られます。こんなことから、家族と過ごす時間は自動的に濃密なものになり、それが今の時期には特別な意味を持つでしょう。

そのような遊ぶようにする仕事は単純に気分がいいし、幸福感を与えるホルモンが出てきます。たとえばドパーミンというホルモンは、何かをやりたいという気持ち、求める気持ち、自由な想像の中ですばらしい状況を期待する喜ばしい気持ち、モチベーション、何かに興味をかき立て、行動に移させるような効果があります。そこでドパーミンがするのは、サーチライトを当てるように、心地のよいこと、喜ばしいこと、充実感が感じられるようなことがあり得ると思えるように私たちの意識を向け、そこにフォーカスを向けさせて、目的を達成するべく前進させることなのです。これを聞いてどう思いますか? これこそは今この時期にあなたとあなたの家族とが必要としているものですね。

戦争中には、人々はもっと大きな危機と不安の中で生きていました。どうやって人々はそんな時代を精神的におかしくならないで生きていけたのでしょう? 先のことはあまり考えないしていたのだと言っていた人たちがいます。日々ある小さな課題をこなし、それから次へと進んでいったのです。なるべく、今ここに生きようとしたんですね。

もちろん、危機の時代には見通しを持つことも大事です。でもそれは、一方には賢いプランが、一方には先が見えないという精神が麻痺するような不安との間にある狭い尾根道を渡っていくようなものです。だからあなたも、なるべく今ここに生きるようにしてみましょう。

お勧めの本: 「今 ー 現在の力」エッカート・トル


8.人は本当にはどのように病気になるのかを調べる

悪いウィルスや細菌はずっと昔から私たち人間を苦しめています。彼らはどこにでもいて、私たちの免疫システムが弱くなったとたん、おそいかかってきます。今ちょうど起こっているように、数年ごとに死にいたる危険な病気のように見える病原菌が押し寄せてきて、私たちを不安に陥らせ、死にいたらしめています。ですが、これは一つの理論にすぎません。

西洋医学はすべてこのたった一つの理論に基づいています。一方では、健康的な生活をすることで免疫システムが強くなったり、ストレスによって弱められたりということも言われてはいますが。でも、免疫システムとは何なのでしょう?

免疫システムを一つの装置として見てみましょう。伝達物質が警察のように身体を見てまわっていて、異物を感じ取ったら退治しています。でも西洋医学では、今日でも免疫システムのことはほんの小さな部分しかわかっていません。西洋医学では、身体を細胞や生化学的なプロセスでできているシステムとして、単に物質的なものとしてしか見ておらず、だから機械みたいに修理したり、ワクチンみたいなもので改良できるように考えています。

科学が発達したのにも関わらず、世の中には病人が増えていくばかりです。慢性症を持つ子供がどんどん増え、医薬産業の常連客が増えています。どうしてこんなことになっているのでしょう?

それは、科学が袋小路に入り込んでしまったからなのかもしれません。近代医学の歴史を調べてみると、最初から利益がらみの歪曲や学者たちの名声争いや利権欲に学問が巻き込まれていたことがすぐにわかるでしょう。人を癒すことは、一度も前面に立ってはいませんでした。

西洋医学はたちまち権力と影響力とを得て、その他の療法は次第にすみに追いやられていき、弾圧されさえしました。今でも、ホメオパシーやその他の自然医療がメディアでどんな風に言われているか、見ることができます。代替医療の療法士たちはまるでいかさま師みたいに誹謗されて、職業としてやっていくのが難しくされています。

そうしてコロナの時代にやって来たのが、「ウィルスを否定する人」という言葉です。でもあなたは目覚めた人ですから、何かが誹謗されたり弾圧されているときには、よくよく見た方がいいということを知っていると思います。ウィルスを否定すると言われている人たちは、本当にウィルスがあるということを否定しているのでしょうか?

そうではありません。ウィルスは人間の身体の中に何十億とあるのです。いったいどうやってウィルスが感染するのかと疑問に思ってもいいと思います。ウィルスは生物ではなくリボ核酸が膜に包まれたものにすぎないので、宿主になる細胞に侵入しなければ生きていけないと公にも言われているのですから。生き物でもないものが、どうして細胞に侵入することなどができるのでしょうか? ちょっと考えてみてください。

エクソームの理論を見ると面白いと思います。この理論は、ウィルスというものをまったく違う関係で見ています。これについては、いろんな動画や情報がネットで見つかると思いますので、ここではくわしくは説明しません。ぜひ自分で調べてみてください。

それから、ライケ・ゲアド・ハマー博士の「新しいゲルマン医学」を調べてみて下さい。彼の療法や研究は、この上ない激しさで弾圧され、禁じられ、封じられました。でも、ハマー博士はその療法で数多くの人々を治したのです。彼は人がどのようにして病気になるのかを「5つの生物学的自然法則」を基にして説明することができるということを発見しました。病気についてのこの新しい考え方によれば、あなたは偶然や自然のなすがままに危険にさらされているわけではないことがよくわかるでしょう。コロナについて語られていることが、いかに大きなごまかしであることがわかるでしょう。あなたは、この自然の法則を知って、自分の生活を意識して変えることによって、自分の健康を自分で管理することができるのです。

お勧めの本 ー 「精神的な病気の原因」ビョルン・アイブル

勇気を持って、このテーマをさらに研究してみて下さい。それであなたはこれまでの世界観が揺り動かされるかもしれませんが、あなたの世界観が大きく広がることは確実です! あなたは「狭さ」から自分を解放し、ある病気に対してまだ持っている不安から抜け出ることができるでしょう。あなたが思っているよりはるかにずっと、自分の健康を自分で変えることができるのがわかると思います。この自己責任を恐れないで、感謝して受け取りましょう。自分が人間としてこんな力や能力が使えることを知るのは、本当にすばらしい感覚だと思います。

十分に情報を集めたら、わかったことをゆるやかに家族に知らせましょう。大人は、誰もが自分の世界観に反することをすぐに受け入れることができるわけではありません。でも、子供たちはもっとオープンです。子供はまだ先入観がなくて、世界観をこれから形作るところだからです。子供と話すときには、「こういう風に考える人もいるし、こういう考えの人もいるのよ」という風に話すようにしましょう。それで子供たちは、世の中にはいろいろ考えの人がいるということを知って準備することができます。


9.勇気をもって責任を負う

今、学校や幼稚園へ行く子供たちの世界観に「新しい生活様式」が植えつけれています。子供たちにソーシャルディスタンスやマスクの着用をきっちりと教える絵本まで出ています。規則を守らない子を密告するように、子供たちを指導しているところもあります。私たちは、子供たちが「社会化」するようにと、国家の施設に預けているのです。(これを社会化などというのは、そもそも大きな間違いですが)

もちろんどこもがそうだというわけではないし、かなりの部分、学校や幼稚園の経営陣によりけりだと思います。状況をひとくくりにしようというのではなく、ただこういう状況があるということにしっかりと注意を向けて欲しいのです。あなたの子供が通っている「教育施設」が今、社会的で自信と勇気がある人間に育つために本当に最適の場所かどうか、自分で確かめましょう。

幼稚園や学校に本当に行きたいのか、子供にまじめに尋ねてみましょう。もし、子供が行きたいというのなら、どうして行きたいのか聞いてください。学校の内容なのか、それとも学校で毎日友達に会えるからなのか。あるいは子供は、あなたが働いていて、他に子供の世話をする人がいないから、学校に行かなければいけないと思っているのかもしれません。

もし子供が行きたくないと正直に言ったら、理解を示して、その答えを受け入れましょう。なだめようとするのではなく、子供の悩みをまじめに扱ってください。あなたにとっては不快なことかもしれないけれど。あなたの子供を守れるのは、あなただけなのです。

まわりの環境が好きだから学校に行きたいというのであれば、それでも学校や幼稚園とは別に、同じ考えを持つ家族と子供たちがプレイベートに会えるように独自に企画を立てることもできます。そのような家族は、少しだけ手間をおしまないで探したら、いつでも見つかるものです。

義務教育の子供を学校から解放するのはむずかしくなりますが、でも不可能ではありません。少なくともあなたが学校の延長のような役を子供に対して演じなければ、あなたは子供にとって「安全な港」であることができます。学校の成績のことなどはしばらく忘れなさい。宿題をやったかどうか監督するのもやめなさい。子供が本当に信頼を取り戻し、元気を回復することができるような避難所であるようにしましょう。これについては、5章の「自分の内なる声や子供の声に耳を傾ける」でくわしく話しましたね。

幼稚園と学校は、子供たちが今、特別にストレスを受けている二つの場所だと思います。あなたが子供に対してや自分自身に対して責任を感じる機会は、人生にまだたくさんあります。そのためには、勇気と決断、そして今いる居心地のよい領域を出ていく覚悟が必要です。

もちろん生活を変えるのは、親としてはさらに大きな負担になるかもしれません。誰もができるわけではないと思います。両親ともが職業を持っていることも多いですが、そうなると事態はもっと困難になります。二人とも仕事を持つことが家族にとって本当に必要なのか、それとも仕事をしたいという欲求をある期間削ることも可能なのか、考えてみる必要があると思います。子供たちは、裕福な生活など必要としません。子供たちに必要なのは、愛情、関心を向けてもらうこと、そして身近な人にしっかりと守られていることです。

子供にとってあなたはお手本なのだということを常に考えてください。それも、あらゆる人生の局面においてです。子供が幸せな大人になって欲しいと思うなら、あなたの日常的な幸福を妨げるものをすべて取り除くことが、まずは第一歩だと思います。このめちゃくちゃな世界で、ありとある危機がある中でも、幸福であることは可能なのだということを子供に示しましょう。そうすれば、あなたはポジティブなお手本になります。子供はあなたの足跡を追って続いていくかもしれません。ネガティブなお手本というのもあります。つまり、子供が親の間違いを見て取って、自分の人生ではもっとうまくやろうとしたり、まったく別なようにやろうとしたりする場合です。その場合も、子供が自立的な一人前の人間として人生を歩んでいくのを見たら、ありがたいことだと思えるかもしれません。いずれにしても、子供は新しい道を進み、まわり道をしながら、貴重な経験や学びを集めていき、そして自分なりのやり方で幸福とは何かを見つけていくのです。でもあなたは、子供より先にあなたにとっての幸せがどんなものかを生きてみせることができます。

これは自己責任への一歩です。どうしてこのようなことになっていて、どうして変えることができないのかと自分を正当化するのは、あまり役には立たないと思います。生活を新しく変えるのを恐れないでください。でも、自分にはできない限界を感じるときには、それを尊重しましょう。どんなことも、罪の意識や強制や過剰な期待で行うべきではありません。自分に正直に、そしてこのきっかけから何かを自分の生活に取り入れることができるかどうかを感じ取って下さい。

子供がもう大きくなっていて、あなたは子供のお手本としての役割を特に意識することもなくずっと来ているかもしれません。あるいは、自分がいい親であったかどうか、何かがうまく行かなかったのではないかという考えに苦しめられているかもしれないですね。過去にあなたが子供に対してすべて正しくやったのかどうかと考えるのではなく、すべてを献身と無条件の愛とで行ったかどうかと率直に考えてみましょう。その際、それが子供にとってどれだけ必要だったかということは考えないで下さい。何よりも大事なことは、今、ここで、子供に対して献身的な気持ちで行動するかどうかということなのです。何も遅すぎるということはありません。すべてはふさわしい時を得て起きていくのです。

決断の年

来年は、決断の年になるでしょう。国の監視やコントロールされた考え方のもとにいれば安全だと思って、不安と服従の道を行く人も多いと思います。そうでない人たちは、勇気と真実と、自分や子供たちに対する責任との道を進んで行くでしょう。誰もが、この二つの道のどちらかを選ばなければならなくなるでしょう。

「もしも不安があなたを思うままにしていたら、不安を思うままにしているのは誰なのか、見つけ出しなさい」ー カロリス・スピンキス ザイムーティック(勇気を持って)TVの製作者

不安を思うままにしているのは誰なのか、あなたはわかりましたか? 政治家でしょうか、それともメディア? まず第一に、それはあなたです。不安はあなたの理性にだけ存在するのです。そんなときにも、あなたの魂は平和です。何故なら、魂はいろいろな経験をするためにここにいるんですから。だからあなたの理性を観察してみましょう。そして、あなたの心の声を強くしましょう。何故といって、心の中に魂が住んでいるからです。

あなたはこの私たちのプロジェクトに出会い、この電子書籍を最後まで読んでくれました。それはあなたが物事をオープンに批判的に見ることができるということであり、あなたが家族のために何でもしようと強く決断しているということを示しています。もしこの本があなたの心に触れることができたのなら、私たちはとてもうれしく思います。

最後に、ハリール・ジブラーンの有名な詩をあなたへのお土産にしたいと思います。この詩はよく引用されるのですが、子供のために戦うすべての人たちのメッセージの核心を見事に表しています。
「あなたの子供

あなたの子供は、あなたの子供ではない。
子供たちは、生に対する憧れそのものの息子であり娘たちなのだ。
子供たちは、あなたたちから生まれてきたけれど、あなたのものではない
子供たちはあなたたちとともにいるけれど、あなたの持ち物ではない。

あなたは子供に愛を与えることはできるけれど、
あなたの考えを与えてはいけない。
子供には子供の考えがあるのだから。
あなたは子供の身体を家に住まわせることはできるけれど、
子供の魂を家に住まわせてはいけない。
何故なら、子供の魂は明日に生きているのだから
子供の魂が住む家をあなたは訪れることはできない
たとえ夢の中でさえ

あなたが子供のようになろうとすることはできるけれど、
子供をあなたのようにしようとしてはいけない。
何故なら、人生は後ろ向きには進んでいかないのだから
昨日に留まりさえもしないのだから

あなたは弓矢の弓なのだ。あなたの弓から、子供たちが生きた矢となって放たれていく
その弓を射る者は、永遠の道を目がけて矢を放つ
あなたの弓を力のかぎり引く
その矢が勢いよく遠くへ飛んでいくように
弓を射る者があなたの弓を引くのをよろこびなさい
弓を射る者は、飛んでいく矢を愛するように、しっかりとしたその弓をも愛するのだから」


あなたがいつも力に満ちていますように。子供の矢が頼りにできるような、しっかりした弓であってください。この本を買うことで、私たちのプロジェクトを支援してくれたことに、心から感謝しています。


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