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ちはやふる小倉山杯出場選手インタビュー 三好輝明選手

競技かるた会のトップ選手が集うちはやふる小倉山杯
出場選手のこと、もっと知りたい!ということでお話しを伺いました。
今回ご紹介するのは、福井渚会所属の三好輝明選手です。

三好輝明選手紹介

段位:八段
所属会:福井渚会
昨年のちはやふる小倉山杯では1回戦で川瀬名人に勝利した。今年度の名人戦予選では、決勝で粂原準名人に敗れるも、まだまだ健在であるところを見せつけた。これまで選抜大会では3度の優勝、選手権大会では4度の優勝と、タイトルホルダーの名は彼にふさわしい。3つめのタイトル獲得なるか。

所属かるた会について教えてください。会でどのように練習していますか?練習相手についても可能なら聞かせてください。

「福井渚会」に所属しています。
会では週に3回火・水・日が練習日と決まっているんですが、僕は主に日曜日に行けたら行くという感じです。あとは、渚会の人が会の練習日以外にいろんなところで練習しているので、そこに参加しています。週に5試合くらいやりたいなと思っているんですけど、仕事とかしてるとなかなかね。実質どうですかね。3回、3.5回とか。4回とか。
人によって空いている曜日も違うので、いける人で声を掛け合って協会の練習場をかしていただいて、一組とか二組になるんですけど、いける人だけで練習するっていうのは今やっていますね。
練習相手は級が下の方、C級とかが多いんですけど、スピードは遅いじゃないですか、A級と比べて。だけど、なんていうのかな、スピードは僕の頭の中で「A級のスピードはだいたいこれくらい」っていうのは入ってるので、そのスピードに対して自分が遅かった早かったっていうそれだけのことなんで。相手が遅くても早くてもあんまり気にならない。
『グラップラー刃牙』(板垣恵介・秋田書店)って格闘漫画知ってます? 巨大カマキリを想像して一人で練習しているところがあるんですけど、それに似てるなって思います。自分で練習してて。やってることは同じ。

カマキリ!(思わずフリー素材を探してしまいました)

かるたの師匠と呼べる人はいますか?エピソード等あれば教えてください。

二人います。「福井渚会」前会長の栗原績先生(くりはら いさおさん 十段 第28期準名人 福井渚会前会長)と、「府中白妙会」の前田秀彦先生(まえだ ひでひこさん 八段 第26・27・52期準名人 府中白妙会名誉会長)。お二人が師匠というか先生というか。
栗原先生は野球でいうと長嶋監督のような感じだと思いますね。前向きな話をしてくれる。
こう、心配事とかあるじゃないですか、かるたで。そういう時は「大丈夫や、大丈夫や」みたいな。あと先生よく笑うんでね。最後はなんか笑ってるっていう感じで。
前田先生は逆に厳しいですね。その厳しいのが面白いんですけど。厳しすぎて笑っちゃいます。感覚的なものじゃないですか、強い弱いってのは。でも前田先生なんか厳しくて、その感覚的じゃなくて一枚一枚あの札、この札とか、それに対して〇×を付ける。結果は〇かもしれないけどその過程で、×のところも何回かあって、そういうのを言われます。厳しいです。勝ってももっと上を目指せということですね、きっと。勝つのは当たり前なんで「もっともっと差をつけて勝て!」というのは言われてましたね。「他の選手と同じくらいのレベルにいたらあかん!」と。「もっと上、差を見せつけろ!」みたいな。
坪田絵美さん(つぼた えみさん 四段 / 『ちはやふる』立ち上げ編集担当)の弟(坪田裕史・つぼた ひろふみさん 五段 府中白妙会)がB級かなにかの決勝戦で、16枚差くらいで勝ったんですわ。すごいじゃないですか。決勝戦で。それを意気揚々と前田先生に報告したら、怒られたみたいで。前田先生は20枚差で勝ったらしくて「なんで20枚差で勝たなかったんだ!!」と。とことんこてんぱんにするという(笑)。

栗原 績先生と前田 秀彦先生

これからかるたをやってみたい人や初心者に声をかけるとしたら?

一人で続けるのは難しいので、一緒にかるたをやる友達がいるといいよ、と。僕は(前述の)坪田裕史さん、その子がいたってのも大きいですよね。ひとりじゃつらかったですね。
あとは勝負っていうんですか、勝ち負け。大人になって勝ち負けをつけることってないじゃないですか。かるたにはそういうのがあるから面白いですよね。子どものころ、サッカーとかもやってたんですけど、団体戦じゃないですか。いい意味でも悪い意味でも違いますよね。ひとりでやるのと。ひとりで勝った時はやっぱりうれしいですからね。かるたってすごいのは、大人も女性も男性もみんな一緒にやるのはこれしかないじゃないですか。全国で。みんな同じ土俵に立ってやれるってなかなかないですよね。

和装での戦い方で工夫していることはありますか。

袴ってスカートみたいですけど、男は履かんじゃないですかスカートなんて。やっぱこう、しわとかが気になるんですよね。引っ張られるというか、ああいうのが気になる。ちょっとマイナスになりますよ。やっぱ。
かるたって試合中は常にその、どうやったら勝てるかっていうのをずっと考えてるんです。袴がピンとなったりすると、「直さなあかん」と思ってちょっと意識が外れるじゃないですか。勝率は下がりますよね、0.何%か。ジャージでもいいじゃないと。その方が力が発揮できますからね。
僕、きもの屋さんなんですよ、家が。呉服屋なんで。だから上手に改造してるんです、僕の着物って。着物の下の方は短く切ってあるんです。僕の腿とかお尻くらいしかない。襦袢も着てなくて、襟だけつけてあるんです。おかんがやってくれるので(笑)。着物の改造なんて、三好呉服屋しかやってくれんでしょう(笑)

お話を伺って

この記事をお読みいただいている皆様にぜひ見ていただきたいのが、ちはやふる小倉山杯HPで公開している三好選手のプロフィールです。とにかくおちゃめなんです!
今回のインタビューでも三好節がさく裂していました。とっても朗らかで、歯に衣着せぬ物言いで、かるたが好きで勝負が好きというのが端々から伝わってきました。
個人的に、グラップラー刃牙のカマキリと練習しているシーンとやってることは同じというお話し、あと記事には書ききれませんでしたが漫画好きというところに心をつかまれました。
ちはやふる小倉山杯では、そんな練習の成果をどのように発揮してくれるのか、どんな戦いを見せてくれるのか、いろんな意味でわくわくしています!

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