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刃牙と母

Salviaのリリックビデオが公開されました。

リリックビデオ中に今回のアニメで登場する刃牙の母 朱沢江珠のシーンも出てきます。原作を知らない、アニメで初めて見る、アニメもまだ見ていない、というBESTYにとっては設定が全くわからず、理解が難しいのではないかと思います。

本当はアニメや原作で知って頂きたいのですが、時間的にも難しいと思うので、ネタバレとなりますがあらすじと私なりの解釈を参考に書きたいと思っての投稿です。

以下、ネタバレとなりますので、予めご承知ください。

あらすじ

朱沢江珠は19才で朱沢グループの若き跡継ぎと結婚し、ハネムーン先で格闘試合に招待され、勇次郎に出会う。勇次郎は江珠の血を好む本性を見抜き、滞在先に乗り込んで来た。勇次郎に夫を殺されながら、圧倒的なその強さの虜になる江珠。
勇次郎は江珠に「俺の子を産め」と告げる。

江珠は、朱沢グルーブの会長となり、勇次郎の子 刃牙を産む。江珠は、勇次郎に気に入ってもらうために、勇次郎の愛が欲しいがためだけに、刃牙を育てる。勇次郎の最強遺伝子を持つ最強のライバルに育てるため、ありとあらゆる英才教育を施した。

しかし、勇次郎はそんな江珠を嘲る。
「刃牙が強い男になっていなければ、お前など、一山幾らの娼婦と同じだ」

江珠は、全く振り向いてくれない勇次郎への怒りと悔しさを刃牙にぶつけた。泣きながら、お前が弱いからだ!!と刃牙を殴りつける。母親に殴られながら、刃牙は静かに口を開く。
「あの人に勝ったら、あなたは僕を愛してくれますか」

刃牙は母親と父親の愛情を求めて、父親との決戦に挑んだ。

しかし、当然ながら惨敗。ボコボコに殴られ、地面にめり込んで瀕死の状態の刃牙。子供のように嬉々として息子を殴る勇次郎の姿に初めは喜びを感じていた江珠は、ボロボロになった刃牙を見た瞬間、母性が爆発する。

「勇次郎!!あたしが相手だっ!!!」

どんな屈強な猛者でも逃げ出す最強の生物である勇次郎に本気で立ち向かう江珠。放つ拳は当たった瞬間に折れる、そんな状態でも、全く怯まない江珠に勇次郎は満足する。
「本当にいい女だ」
勇次郎の本気の抱擁は江珠の全身の骨を砕いた。

勇次郎が立ち去った後、江珠は、最後の力で刃牙に膝枕をし、子守唄を囁いて息絶える。

解釈

ここまで書いただけで、本気で泣いています。あらすじを思い出すだけで泣いてしまうんです。原作を読んだ時は衝撃が大きくてしばらく立ち直れませんでした。すごく長い物語のように感じてたけど、アニメにすると、たった一話で終ってしまうんですよね…

何で刃牙にここまで背負わせる必要があったのか、最強の父親に憧れ、乗り越えようとするだけじゃダメだったのか。しばらく、本編に戻れなかったので、このシリーズの後半の記憶があまり無いくらい。

刃牙は父親の愛情も母親の愛情もほとんどかけてもらった事がなく、自分の存在が眼中に無いと感じていたと思います。自分を見て欲しい。愛して欲しい。認めて欲しい。その一心で強くなろうとしていました。

母親が自分を守るために、地上最強生物である勇次郎に立ち向かう。自分のために命をかける。その行動は、どんな愛情表現よりも本気の愛を感じられたはずです。ようやく愛を知ったその瞬間に、父親の手によって母は死んでしまう。

愛を知らない刃牙にとって、勇次郎と江珠の関係は理解し難いものだったと思います。しかし、確実に2人は本気で愛し合った。本気でぶつかり合った結果が、相手が勇次郎だったために、このような結果になってしまった。でも、勇次郎にその本気の覚悟を認められた江珠は、勇次郎の愛を受け取り、本望だったと思います。

刃牙は恐らく、一時期は勇次郎を恨んだと思いますが、母の想いを背負い、父を越えるために強くなろうともがき続ける過程で成長し、愛のあり方も徐々にわかるようになって、恨みや憎しみを通り越しているんだと思います。父親と母親があって、自分が存在する。すごい父親への憧れもある。でも、まだ完全に納得がいったわけじゃない。だから、わざと煽ったりするんでしょうね。

今回のSalviaのリリックはすごく原作にリンクできるもので、アニメを見た人がこの曲を聞いたら自然と涙が溢れるんじゃないかと思ってしまいます。私の場合、映画アルマゲドンの主題歌などがそうです。曲を聞くと場面が蘇って涙が湧いてくる。このSalviaはそういう曲になってると思います。リリックビデオも素晴らしいので、たくさんの刃牙のファンの人へ届いて欲しいと思ってます。

刃牙は、ただの格闘マンガではなく、でも、めちゃくちゃ破天荒な格闘マンガで、格闘オタクがハマる要素満載なお話です。BESTYにも、その良さが伝わる事を願っています。


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