The point of no return③

とまぁ長々と振り返り、上記リンクに書いた時間まで戻ってきました。

単語ごとに言葉をひねり出しているみたいだよ。点が多い。
そう指摘されるくらいに普段はなめらかな言葉がつっかえつっかえになり、よくある語彙力◯歳児レベル…とはこういうことなのかと苦笑い。
靴下を履きながら絶頂するというあり得ない状態は、その後そのソファの上でぴょんぴょん彼が飛び跳ねるという考えもしない行動を見せてくれ(もちろんこの振動で逝く)傍から見たらどんだけ面白い状況なんだよと思うけれど、至ってこの時は真剣にこれ以上刺激しないでお願い…と半泣きしてたり。
あまりイタズラすると本当に時間がなくなると思ったのかこの後はお互い荷物のチェックとかしてホテルをあとに。

意地悪な彼は車で送ってくれる途中にわざと道路の段差を踏んで人がひゃぁっ!と声を上げるのを笑っていた。
ほんとたくさん彼の笑い声を聞いた日な気がする。
自分の手のひらの上でもう何度も体を重ねている私が転がってる姿を見るのが楽しいらしい。

車から降りようとしたんだけど、まだ体がこわばってる感じがして。
時間に余裕があるのを確認してから背骨の真ん中辺りに手を当ててもらった。
ひんやりした、彼の手。
そこでもまたイタズラしたい…という雰囲気を指先から感じて。
動かさなくていいからね!と念押ししたら「バレた?」と舌を出す。
自分の肋骨がいつもより締まっていて苦しいから深呼吸して広げる。
彼との逢瀬のあとは隅々まで神経が通っていて、どこをどう動かせば楽になるかとかがすぐにわかるのが面白い。

お別れの時にキスするのもおでこにした後で唇に軽く。本当に刺激しないようにしてくれるのが嬉しかった。
けれどどこか違う。何かが引っかかってる…。

それに気づいたのは家についてから。

噛み跡を確認して、今回はお尻にも噛み跡やキスマーク、叩かれた痕とか残っているのを見て、残るなぁ…。としみじみしていたその時。

…あたし、発情スイッチ切られてない…気がする。
耳をふさがれ、彼の声を聞きながら呼吸を整えることをしなかった。
今まではあれで心と頭の中がきちんと私の中に整えられていたのだけど。

アフメで聞いたらわざとしなかったと。
「後戯、堪能して。次に会うの楽しみにしてるから。」

…やられた…。
しばらく真っ当な人間のフリをしないと、どこでも発情する変態さんになってしまう…でもそれは私をとても満たしてくれるのも確か…。

ああ、もう戻れない。
ここまで満たされたら彼から離れられない。
ひとり布団の中で悶えながらも幸せな気分と苦しい思いが交差した夜だった。

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