2年半のありがとう

ドライバーになってちょうど2年半になる。
幸い、2年半の壁は越えられた。

実は社会人になってこのかた、働いたところで3年を超えたことがない。
長くて2年半ほどで何らかの変化が起きてやめざるを得なくなる。
こればかりはそんなもんだと諦めることも多い就職氷河期初代。

さて。2年半の段階で本当に信頼していた上司がいなくなった。
今日が勤務最終日。
いままでのお礼は名刺入れにした。
意外と使うので。まぁ持ってはいると思うけど…。

仕事上がりで渡すと泣いちゃいそうだからと無理やり笑いに紛らせて朝手の空いた時に渡して。
上がりの時もお世話になりました、と言うのになんとか笑った。
着替えの段階で泣いてしまったけど、目薬さして乗り切った。

本人の前では泣かなかった。
泣いたら心配させちゃうな、とかこんなおばさんの泣き顔なんてみっともないよな、とか思いながら。
でもちゃんと顔は見れなかった。
目を合わせたら間違いなく泣くから。

事務所を駆け足で出ないように自制心を最大限に働かせ、ドアが閉まった瞬間涙が溢れてきた。

車に向かう途中の涙を拭く姿に上司が気づかないといいな、そう思いながら車に乗り込んですぐ発車させた。
いつもなら車に乗ったらちょっとスマホ見たり家族に連絡したりするけどそこに長くとどまりたくなかった。

2年半、ドライバーとして右も左もわからない私に指導してくれて本当にありがとう。
おかげさまでそれなりに収入と自信を得ることができました。
なんとなく、新しい人に教えていくこともできるようになりました。

こんなところに書いても伝わるわけではないけど。
本当に、ありがとうございました。


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