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2024.5.3チエカタンバンド 「とうめいな水」とは…

そういえば、昔はブログなるものによくライブレポートを書いていた。
特に「沼娘」というユニットの時なんかは「沼王国の王女姉妹」の設定のもとに、ライブの写真を新たに物語仕立てにしてアップするという、今思うとどこにそんな時間があったんだ?当時の私よ…と気が遠くなるような、そんな作業を毎回していた。よくやってたなぁ、当時の私。

使用していたYahoo!ブログがなくなっちゃって、なんかもうブログとかいいか〜ってなっちゃって、気がついたらFacebookとTwitterにいろいろ書くだけで手一杯になってきてInstagramなどはしょっちゅう放置状態。
あれ?そういえばFacebookに個人ページとは別にチエルームページも作ってたな、待てよWebSiteのライブ情報更新してなくない?なんて、もう酷い体たらく。

いけない。これではいけない。

というわけで、源氏ゆる語りとのリンクで活用するつもりで開設したこのnoteを、今後はブログがわりに使おうかなどと、今は思っています。
今は…。うん。今は…。

というわけで、もう2週間経ってしまいましたが、ProgTokyo2024での『チエカタンバンド✖️内核の波』のライブ、ご来場くださった皆様、そして配信をご覧くださった皆様、ありがとうございました。
アーカイブ期間も終わり、嬉しい感想もたくさんいただきました。

今回は、私が「キャタピラ・ダーリン」というユニットをやっていた時代の曲「とうめいな水」を軸に、日比谷カタンと共に作り上げたシナリオ。
これを、全員歌えるメンバーで、最大6声での演出も入れて組み立てました。

ご覧になった皆さん、いかがでしたでしょうか?

「とうめいな水」という曲は、もともとは「どうしたら一番綺麗に死ねるんだろう」ということばかり考えていた頃の私が「森の奥でしっとりとした黒い土の上に横たわって、ああ、湧水の近くがいいな。綺麗な水があって、きっと森の中に降る雨も綺麗な水で…。そしたら自分から芽が出てきて、それがどんどん大きな木に育っていって、私は養分になって…これ、一番綺麗な死に方だよなぁ。こんなふうに死にたいなぁ…」なんていう夢想をしていた時の、その夢想の世界をそのまま歌詞にした歌です。
その頃パニック障害を抱えてまして、必死に隠してましたけど、電車に乗っては吐き気がして途中で降りたり、バイト中に急に震えと涙がとまらなくなったりというようなことが度々あったんですよ。でも、この想像をしてると不思議と落ち着きましてな。
それで、歌詞にしたんですね。

だから、キャタピラ・ダーリンで最初に曲が出来上がった時は、「死ぬための歌」だったんです。

でも、それからしばらくして祖母が亡くなりまして。
お通夜で、お線香の日をたやさないための寝ずの番を私と弟がやってたんですね。その時に棺桶の中で眠っているお婆ちゃんを見てて、はっと気づいたんです。
「あ、これ、とうめいな水の少女だ」って。

祖母から母が生まれ、母から私や弟が生まれ、命が、血が、繋がっていく。
今横たわっている祖母は、母に、そして私や弟に、命を繋ぎ、そしてたくさんの養分を与えて、こうして人生を終えたんだなって。

そうか、あの時の私が、ただ自分が死ぬだけでなく自分から芽が出て自分を養分にしてどんどん木が育って…なんて夢想してたのは、実は「死にたい」んじゃなくて「生きる」ことを望んでいたのかもな。

私は、生きたかったんだな…。
祖母の亡骸をぼんやり見つめながら、そう思ったんです。

私はとうめいな水をたくさん浴びて育った。
私もまた、とうめいな水をたくさん子供たちにそそぐのだ。

この日から、「とうめいな水」という歌は、私の中で大きく変わりました。

この時の思いを、今回の物語の軸にしたくなったんです。
それで、カタン氏に提案して、共作作業を始めました。

伝説の緑の少女が本当に存在したのか、それは誰も知らない。
ただ、その伝説を利用するものたち、環境破壊による気候変動も相まって高まる破滅的な思想、祭り上げられ有頂天な緑化憧れインフルエンサー、利益を求める果てに狂っていく世界、販売される「限りなくとうめいな水」(もちろんその水は濁っています)、踊らされている人々、投げやりになっていく人々…。

そんな中、「緑化」を当たり前のこととして純粋に受け入れて生きていた一人の少女が、ついに指先に双葉を見出し、慈しみ育て、いよいよ自分が完全に緑化する時が来たと判断し、前から決めていた秘密の静かな森に向かう途中、一人の男に出逢います。(彼のイメージはスナフキンです。達観してる感じ)
彼は小高い丘の上で、破滅に向かっていく世界を眺めています。

ポツポツと交わされる会話の中で、ふと少女は彼との未来を想像する。
その瞬間、生えていたはずの双葉がなくなっているのに気付きます。
慌てて探す少女。何よりも、双葉のことを心配して慌てている。
あの子達、まだ小さくて…とうめいな水をあげなきゃ、とうめいな水を…!

彼は気付きます。
「なんだ、そうか。とうめいな水は、君から溢れ出しているじゃないか」

その時、遠く空の向こうから、静かな歌声が聴こえてきます。
それは、あの、伝説の少女の声なのでしょうか?
耳を傾けながら、ふと少女も気付くのです。

「とうめいな水をたくさん浴び、そしてとうめいな水をたくさん与え、わたしはいつか大地になるのだ」

少女のこの最後の台詞は、あえて、脚本には入れていません。
その代わりに「とうめいな水」を歌っています。
歌を聴きながら「とうめいな水ってなんなんだろう??」って考えてもらえたら成功だなって思って。

今ここでも、はっきりとは書きません。
でも、だいぶんヒントは言ったかなww

ちなみに、最後に少女と会話するこの男。スナフキンのイメージの彼ですね。この人ね、緑化爆弾を開発した人なんです。これは日比谷カタンのアイディア。もしテレビドラマなら、彼が着ている上着に印字されているロゴで、彼がどこに所属している人間かがわかるようにしたいところ。ふふ。

自分が開発した緑化爆弾で狂っていく世界を見下ろして、彼は何を思っていたのか。
そして、少女に出会って、彼は何を思ったのか。

少女と彼はこの後、どうなっていくのか。

それはまた、別の話。

今回、この演目ができたのは、ひとえにメンバーの皆さんの尊いご協力とシルバーエレファントのPA さんの素晴らしい技のおかげです。
特に、生のライブでテレビドラマのように「歌詞の入った歌をバックにセリフを言う」なんて、なかなか大変な演出です。それを実現させてくれた皆さんにはもう、感謝してもしきれません。

セリフのバックに使わせてもらった「みづうみ」の曲はどちらも本当に素敵で、候補として那須くんが挙げてくれた時にすぐに「これだ!」と思いました。

実は今、この一回で終わらせるのはもったいないということで、再演、そして遠征の案も出ています。
まだどうなるかは分かりませんが、すぐには叶わなくても、必ずまたやりたいなと思います。

まぁ、そんなこと言いながら、また新しい脚本の制作に走っちゃったりするんですけどね、チエカタンは。アイディアだけはどんどん出てくるもので、仕方ないですね。

でも、またやります。うん。やりたいです。

そんなことを強く思ったのは、共演の「内核の波」さんの影響もあります。
とにかく「バンド」を見せつけられました。素晴らしかった。
これがバンドだ。うん。カッコ良すぎた。

チエカタンはあくまで普段ソロでやってる二人の不定期ユニットであり、今回のバンド編成もまたそれぞれ別に活動しているメンバーたちの集まりであって、どうやったって内核の波みたいな「バンド」の強さは出せない。
でも、それならそれで私たちが融合して生み出すものの強さを、もう少し追求してみたい。そんなふうに思ってしまいました。
そして、それをさせてもらえるメンバーなんじゃないかと、先日の打ち上げの狂乱カラオケ祭りの時にもしみじみ思いました。いや、笑い事じゃなく、マジで。

チエルームソロも頑張らんとな。うん。
歌の方はこれで無事ライブ復帰したしな、弾き語りソロも焦らずぼちぼち、な。

というわけで、長くなりましたが、久々のライブレポートでした。

なすひろし(Vo./ G ) ex.QooSue/みづうみ
秋桜子 (Vo./ Pf.) ex.みづうみ
那須健二(Vo./ B ) ex.QooSue Pablo
小林拓馬 (Vo./ Dr.) ex.Conti
日比谷カタン(Vo./ G)
チエルーム(Vo.)
内核の波 カッコ良すぎた!!
狂乱のコラボ
妙にエロいと評判だった白衣姿。無駄に。
実は天城越えの時、もうちょっと上で結んでたはずの紐が緩くて
登場直後に引っ掛けてずり落ち、めっちゃ焦ってたのだった。
胸元がはだけそうな危機を隠しての「山が〜燃える〜」の背後で
無邪気にペンライトを振るかずみんが愛おしい…

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