『コロコロボールからイメージを広げて 児童発達支援センターの色と形』 4 米光智恵 Chie Yonemitsu 2021年5月14日 14:33 『児童発達支援センターの子ども達が 教えてくれたこと』週に1度、児童発達支援センターを訪れます。児童指導員という役職で子ども達に関わり、早くも3年と半年が経ちました。子ども達の探求する眼差しや表現する手を、カメラにおさめてきました。小さくて可愛い手が、いつの間にかお兄さんお姉さんの手になっています。中学校、高校へ進学するためにセンターを卒業していく子もいます。世の中がどんな逆境にあっても、 子ども達の成長はいつも現場に新しい風を送ってくれます。時間をかけて自分の特性を知り、自分という存在を知った子ども達は自信に満ちています。ありのままの自分を受け止めてくれる大人がいる。仲間がいる。安心材料。安心できる人。安心できる場所。3つの『安』を得て、自分を愛でることができた子ども達は、友だちを思いやることができるのです。6年生になったカンタ(仮名)が、新しくセンターに入所した3年生のタロウ(仮名)を見て職員にこう尋ねます。「あの子はさ、障害があるの? あるようには見えんけど。 まぁ、障害とかあんまり関係ないけどな。」その口調から、「障害」という言葉の意味について、誰よりも深く考えてきたカンタの強さが見えました。自分が何者か分からなくなるくらいのパニックと闘ってきたカンタだからこそ、友だちの困り感に寄り添うことができるのです。また、中学に入学したばかりのミヨ(仮名)は最近こんな言葉をかけてくれました。「ミヨな、陸上部に入るねん。あんまりセンターに 来れなくなるけど、週に1度は先生に会いたいねん。 ミヨが会いに来れなくても先生が会いにきて? だってミヨ、すぐに人の顔を忘れてしまうから。」ワーキングメモリー。記憶の器は人によって違うのです。けれども器の大きさや杯を入れ換える頻度は、皆違うからこそ、多様性が生まれます。ミヨは自分の記憶があるうちに、仲間を傷つけないように色んなことを報告してくれます。生活や勉強のパターンも1年生から全く変わりませんが、繰り返し行うことの大切さを教えてくれます。また、辛かったこと、苦しかった記憶をリセットし、いつも新しいアイデアに溢れています。指導するのではなく、子どもの納得がない独りよがりな支援ではなく、子ども達によって気付かされることの連続の中で、大人の価値観は変えられていく。感性がアップデートされていく。センターで得た教訓です。 大人の図工塾管理人 米光智恵コロコロボールからイメージを広げて 児童発達支援センターの色と形 https://youtu.be/yJwC4gGFWFEhttps://www.facebook.com/831521756997621/posts/1902568019892984/?d=n https://youtu.be/yJwC4gGFWFE 4 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート