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通訳するのは言葉じゃない!

先週の日曜日は、カフェに行って隠れた事業コンセプトを探す遊びをしてみた中塚智恵です。

今日は、3連休初日。
オーストラリアに3年間住んでいたことから、通訳の依頼をもらったし、これから通訳の依頼も受けていきたいなと思うので、
ちょっとここらで、通訳について整理したいと思います。


通訳のライセンスを持っている方たちの完璧性ではなく、
あくまで個人的な向き合い方なので、読み間違いなく読み進めていただければ嬉しいです。


通訳するのは感情

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通訳って、多言語を行き来しますよね。


だからこそ、通訳するのは、実は言葉ではないんです。


なぜなら、英語から日本語、日本語から英語っていうときにぴったりのワードがないことが多々あります。

早速結論から言いますが、

通訳するのは感情です!!!!!

感情を言葉で通訳するのです

えっ!?何それ?


感情=言葉だから、結局一緒じゃん!!!

ってなるかもしれないけど、

ここが大事なポイントです。

「応援する気持ち・チャレンジする気持ち」を伝えていきたい!

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2年前、オーストラリアに、視覚障害者向けの美術館のツアーを研究したいと日本から大学院生がやってきました。

その通訳にと、ネット上で私を見つけ、オファーしてくださったのです。英語はまだタジタジ(初の通訳に挑戦)の時期だったけど、お受けしたんです。

私も、障がいについての取り組みをみて回るため開拓の真っ最中。どうにかチャンスをもらう行動の取り方で、次々に壁に挑んでいる最中だったし、たくさんの人が力を貸してくれたから、それが還元できればいいなと。


そして当日。

その大学院生の方は、卒論に直結する研究目的で、通訳まで手配して本気でオーストラリアにきたわけなんですが、

肝心の美術館のスタッフに面談の依頼をメールで行なったが、返事が来ずにアポが取れていなかったのです。


そこはきっちりと役割を明確にしてたので、その大学院生の役割だったんですが、すぐにイメージつきました。


オーストラリアの企業や団体は、初対面のメールとかでのコンタクトは、返ってこないこと多いんです。
せめて、電話の方が反応が良いんです。


でも電話だと英語のハードル高くなりますね。


だから、ツテを辿ってお願いしたりするんですよね。


でももう当日なわけで、手ぶらで帰ることになるだけはしてもらいたくなくて、作戦会議。

美術館でのツアーの開催予定の時間に合わせて行き、直談判することにしました。


もう、そこでやったことはただ一つ。

「どうしても話が聞きたい」

と猛烈に伝えること。勝負は一回ですが、聞いてもらえるならしっかり伝えようと。


自己紹介や目的などももちろん説明しますが、
「日本の大学院からわざわざこのためにオーストラリアに来て、滞在期間は4日しかないけど、学んで持ち帰りたい。どうしてもここの美術館の取り組みが気になったので教えて欲しい」

と。もはや、失うものはありません。

起こりうるとしたら、

迷惑がられるだけですね。

一回しかチャンスないし、もう訪れることもないだろうから、知ったこっちゃないです。


ドキドキの中、経緯を説明してたら、責任者を読んでくれて再度説明。

なんと、責任者に思いが伝わった!!!!!!!!


有難いことに
・キャンセルにもなった視覚障害者向けのツアーを、特別に再現しながら、解説付きで体験させてくださって
・オーディオディスクリプションという視覚障害の方のためにつける映像につける字幕(「仕事終わりのA子がタクシーからおりてきた」みたいな状況のナレーション+セリフのテロップ)を作っている第一人者を紹介してくれて1時間じっくりと面談できた!どんな視点で書いているか、裏の意図もしっかり聞き取って。名刺交換もしてもらえた。
・そしたらその第一人者の方が、聴覚障害のツアーがあるとの情報をくれて、その人の名前を言ったら聴覚障害じゃなくても参加できるよと言ってくれて、参加してきました!!!!!!

(しかもこの体験が、先日2020年3月の登壇機会で私の役にも立ちました)

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当たって砕けろで行ってみた甲斐あって、
実はチャレンジする人には、柔軟に応援するオーストラリアマインドを実感した瞬間でした。

これが、「言葉ではなく、感情を通訳している」です。


やるならチャレンジする人を後押しするプロジェクトで

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感情をしっかり通訳していきたい

というのは私の方向性で、

もっと因数分解すると、

チャレンジする人を応援する気持ち・励ます気持ち・一歩踏み出してって思う気持ちを通訳する

のは最高だと気づいた。

だから、そんなプロジェクト(機会)で通訳をやっていきたい。


それにはプロジェクトの趣旨とか、そのメンターの人が話す特有の表現を、本当の意味で理解してると、通訳に信頼性が高まる。


チャレンジする人の葛藤を例にすると、
*どうかな〜って軽くスッキリしない気持ちで感じている
日本語:〇〇だな〜って思ってるんです。
英語:I am wondering 〇〇(ここはthinkingではないんですね。)

*不安に思っている、心配しているような時
日本語:「〇〇のことがね、ちょっと。。」「〇〇のことが気になってて」
英語:I am concered(I am worriedでも良い ) about〇〇

そう、日本語って、意外と心配している時に心配してます!落ち込んでます!とか言わないんですよね。もしかしたら自分がどんな気持ちか的確に言えるタイミングでもないかも。「あなたのことが心配なのよ!」ってやや逆ギレ気味の時には使っても。笑。でも、英語だと、どんな状況でも誤魔化さずに感情に合った言葉を選択しなきゃならないから、やはり感情とセットで言葉を覚えると使いやすくなりますね。


背中を押す側では、
*一歩踏み出せって言いたい時
日本語:「自分に限界を設けずにやってみな」「自分の殻を破れ、できることだけやるな」「固定概念にとらわれるな」
英語:順番に「No limits」「Get out of your comfortzone」「Think out of box」

*褒め称える時
日本語:「すごい決断をしたね」
英語:「That is a bold move」
となり、ここでも感情に合わせて覚えるです。

もはや日本語をそのまま英語にしても、ネイティブスピーカーには伝わりません


懐かしの通訳シーン:OZ Day 10K 2019 全豪放送にて、ロードレースでの優勝者インタビュー通訳を行いました。

今なら、通訳のプチミスいっぱい見つかるけど、テンションの高いスポーツ大会での通訳。期待感・ワクワク感・達成感・とにかく盛り上がりたい感が交差しているシーンでした。

選手の方が落ち着いてる?感も。
まあ、これも良いか。


ありえない待遇を受けた!怒りMAXという時どうしますか?

ついでに、相手の無神経さとか言い訳の繰り返しにイラっとして、
怒り極限に達した時、英語で喧嘩する場面もあるかもしれませんね。

日本語:あなた、そんなことして人としてどうなの?
とついつい言っちゃう方もおられると思いますが、
英語圏の人に道徳論でかざしてもスルーされちゃうか、耳を塞がれます。


道徳論破や人格を否定しても、人としての在り方への感覚はみんな違うので。
「なに言ってるの?」とあしらわれて終わりです。これが私だからって。
(冷静に考えてみると、一理あります。自分の在り方を決めるのが得意な人が多いから。)


響く言葉は、
英語:Why did you do that?
なんでそんなことしたの?です。
正しくは、
「なんでそんなことするのかちゃんと説明してよ!!!!」です。
人格を否定するような道徳論での言い方より、感情・原因を追求する、WHYの方が訴えかけられて最強です。笑。
(あくまでも個人の経験に基づく。)


留学や海外赴任の際、自分ならではの最強フレーズとか理論を見つけながら、どんな場面でも渡り歩くのも、海外滞在の楽しみ方ですね。

話し手の言葉から感情を読み取って、その感情を違う言語感覚の人に、一番伝わりやすい言葉を選んで表現する
ですね。


中塚智恵



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