お菓子イベと氷川紗夜について(cpの話ではない)

※さよひなでもさよつぐでもなく、氷川紗夜と「大切な妹」と「特別な友人」の話をします。何かを否定するわけでも押し付けるわけでもありません。

2017/10/31から開催されたイベント「ちぐはぐ!?おかしなお菓子教室」。紗夜が羽沢珈琲店で開かれるお菓子教室に参加し、つぐみとともにクッキーを焼く話でした。その第5話における台詞を引用します。

つぐみ「ひょっとして紗夜さんって、犬好きなんですか?」
紗夜「は、はい……私は犬が好きなんです……」
紗夜「………………………あと、日菜も」
つぐみ「そうなんですか。なら、日菜先輩にプレゼントしたらきっと喜んでくれますね!」

ここでまずわかるのは、紗夜はつぐみに対してなら「犬が好き」と言えるということ。これはつぐみがほとんど何の接点もない(学校も学年もバンドも担当楽器も親も何もかも違う)からこそ、「風紀委員の氷川さん」でも「Roseliaのギタリスト」でも「おねーちゃん」でもない、ただの「紗夜さん」でいられるということ。それでいてつぐみは茶化したりせず話を聞いてくれる。受け止めて、否定しないでいてくれる。そういった意味でつぐみは「特別な場所」であるということ。
そして思い出してほしいのが、Roseliaバンドストーリー1章6話。

日菜「じゃーさ、じゃーさ、リビング行かない?おねーちゃんの好きなわんこの番組、お父さんが見てるよ」
紗夜「録画してあるから、あとで見るわ。今忙しいの。だいたい、日菜は犬、別に好きじゃないでしょ」
日菜「でも、おねーちゃんは好きじゃん?」

日菜は犬、別に好きじゃないんですよ。

「私は犬が好きなんです。あと、日菜も」←この解釈。
「日菜も」と言っているからには、「私は犬が好きです」のどこかが「日菜」にも当てはまるわけです。けれど「日菜は犬が好きなんです」ではない。つぐみは(というか普通は)そう聞こえるけれど、紗夜は日菜が犬好きじゃないことを知っているので。照れ隠しにしてもあまりに不自然。照れ隠しならこんなに言い淀むことないので。
そうすると残るのは「私は日菜が好きなんです」しかないわけです。なぜ急にそんなことを?というのはいくつか解釈があると思いますが、個人的にはお菓子イベの20日前「秋時雨に傘を」へのアンサーなのかなと。

「……いいよ。あたしのこと、嫌いでも」

日菜に対しては直接言えなくても、つぐみになら言える……かもしれない。直接的には言わないけれど。ここでも「特別な場所」であることが効いている。

紗夜にとってつぐみは、抱えすぎている重荷を下ろせる貴重な場所であり、傷つけられて傷つけて、それでも大切な妹と向き合っていくために重要な存在であることが示され、そして同時に氷川紗夜の変化、成長の兆しを提示するイベントだったわけです。

(cp云々は別として)公式の関係性としての「紗夜と日菜」「紗夜とつぐみ」「日菜とつぐみ」ってどれもとても大切なんですよね。なのでcp論争に巻き込まれて公式の関係性ごと否定されてしまうと結構悲しくなってしまいます、という4年越しのお気持ちでした。終わり。

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