【連載小説】ふたり。(9) - side J
前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
6月28日 13:09 - 恵比寿第一高校 2年3組 教室「あ゛〜、終わったぁ…」
「それはどっちの意味だい、大空氏?」
野木氏こと、野木睦美ちゃんが余裕の表情でわたしに訊く。
「両方…」
前期中間試験は無事に終了した。わたし自身はあまり無事じゃないけど。
赤点、ありませんように…。
そういえば、かおちゃんも試験は受けに来てるんだった。まだ保健室にいるかな?
いや、やめよう。
学校で人と会うのは負担が大きいと、かおちゃんが自分で