経営者?起業家?投資家?

以下は2019年に書いた記事です。

「経営者になりたいから、ゆくゆくは起業かな」「知り合いの経営者がね、」こんな会話をよく聞くのだけど、「経営者」って定義がかなり曖昧だなと。

そんなこんなで考えたのだけど、日常で聞く曖昧な「経営者」は、「事業家」と言い換えた方がスッキリすると思う。

さらに、事業家は規模に応じて ①個人事業家、②起業家、③経営者の3種類に分類できる。

ちなみに、事業家と対立する概念は投資家で、投資家も個人投資家やベンチャー・キャピタル、プライベート・エクイティ・ファンド*、機関投資家などに分類できる。

*PEには事業家・投資家双方の側面がありますね。

事業家に話を戻します。

周りの事業家の方々を見ていると、その種類に応じて、求められる役割や能力はかなり違うように感じられるんですね。それを以下に書いてみます。

1. 個人事業家

一人しかいないわけだから、すべて自分でこなさなければならない。税理士とか弁護士とか外部の専門家を雇うにしても、会計も法務もファイナンスもビジネスも戦略も、ある程度自分でわかっておく必要がある。失敗も成功も自分次第。

2. 起業家

仲間の中心である自分が積極的に動きつつ、少数の仲間と協働する。個人事業家ほどではないにしても、ある程度すべてに目を向けつつ、専門家がいない領域を自分が柔軟にカバーしたり。多くのケースでは株式の過半数を保有しているなど決定権も成功の見返り(株式売却益など)を受ける権利もある。

3. 経営者

自ら動ける領域は狭く、自分の指示で他人の集合体である組織を動かす。すべての専門家である必要はなく、詳細に把握するのはそもそも不可能だが、自分が動かした人のパフォーマンスに関して責任を持つ。オーナー経営者でないかぎり保有株式は僅かで、見返りは「経営の成果」に対する賃金。

上記に則ると、最初は起業家のつもりでも、IPOでもして株式を放出して組織のサイズも拡大したら、経営者になる必要があるんですよね。(あくまで起業家を続けたい人は会社を辞めてまた起業する。いわゆるシリアル・アントレプレナーになるってわけですね。)

というわけで、僕は(狭義の)経営者に興味があるわけで、今のところ個人事業にも起業にも興味はないのです。

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