手に職がない状態で初海外生活半年で生活基盤をどう築くかー活動内容と結果ー
問題と目的
日本で13年間ホテリエとしての社会人生活を経て、新しいことにチャレンジしたくなり一念発起、生活の基盤を韓国に移そうと考えた。ここではその背景は省略する。2021年現在、ビザがなければ入国や長期滞在ができないことを受けて、韓国の語学研修学生の資格を取得し、学生として入国に成功。学校に在籍する6ヶ月間でこの先の生活基盤をどう築くかを主題とする。
また、語学研修ビザを取得した学生は入国から6ヶ月間は就労不可となる。語学学校で成績優秀者に与えられる奨学金を獲得して収入としたい。さらに、現時点ではほぼ収入にならないが、もともと絵を描くのが好きだったことを活かし、自身のイラストを販売して少しでも報酬を得られるようにする。語学学校修了後は韓国での就職を目標とする。
実験方法
【奨学金獲得】学費の50%(約85,000円)
過去の情報を調べた結果、得られる条件は3つであった。
・所属級において成績上位者であること
・2学期以上在籍し、次の級に進級していること
・無遅刻無欠席
奨学金の給付は次級進学した後に支給者の発表がある。春学期にオンライン受講して得られた経験をもとに、奨学金獲得に向け勉学に励む。
具体的な方法は次のとおり。
予習と復習を行う。
可能な限り韓国語で情報を理解する(日本語を介した理解頻度を減らす)
→わからない語はインターネット上の韓韓辞書で調べる。韓日辞書は適度に使用。
春学期では書き取りの点数が著しく悪かった。日常的に韓国語の文章をよく読み身体に染み込ませる。
日々の宿題でも文章を書くことに注意し、日頃からミスをなくす。
中間/期末試験では全科目95/100以上を目指す。
課外活動を行い、韓国語でのコミュニケーション能力を育む。
学校担当者とのオンライン相談などを通して韓国の就職情報を入手する。
【イラストでの収入を得る】
ランサーズその他インターネット上にある絵に関する仕事獲得数を増やす。
→収入や集客につながりそうなことを考え実行する
国内外問わず自分の作品をおおくの人の目に触れられるようにする。
Instagramなどでコミッションオープンする。
報酬を得られるようにpaypalビジネスアカウントを作成する。
printshopに作品を登録・販売する。
結果
【奨学金】
奨学金の獲得はできなかった。今回の実験を通して明らかになったのは、読み・書き・聞き取り・会話すべてのジャンルにおいてA評価を取らなければ奨学金の獲得にはつながらないということだった。会話力の評価をする口頭試験では、主にふたつの主題について自由回答が求めれらた。なお、質問に対する回答内容はいかに出題範囲内の文法や単語を使って話すかに重点が置かれており、生徒の回答内容が現実や真実に基づいていなくても文法や単語さえ盛り込んでおけば確実に高得点を得られる仕組みであった。その他の科目については、一般的な教育を受けた日本人であれば、授業をしっかり聞き、ふくsyさえしておけば90点を切ることはまずないといえた。筆記試験は9割以上が教科書から出題された。のこる1割は教科書の内容をややアレンジしての内容であり、やはり授業を理解していれば高得点を得れらる仕組みであった。
【イラスト収入】
ランサーズでは一件も受注できなかった。6か月間の総提案数は33件だった。インスタグラムの発信は月2回程度、作品が仕上がるごとに行っていた。
paypalビジネスアカウントは海外にいるのが一時的であるために手続きが煩雑であきらめた。
その他、韓国におけるcoconaraのようなサービスにも登録はしたが、韓国国籍を持っていない外国人では仕事の受注ができない規約であった。
考察
韓国語学堂における奨学金獲得は結果的に叶わなかった。以前の記事でも記述したが、延世大学韓国語学堂は1級が初級で6級が高級である。私は入学試験の結果3級からはじまり、初めての試験では勝手がわからず点数を取れなかった。4級ではその点を踏まえて総合評価Aを獲得したが、口頭試験がうまくいかずに奨学金は得られなかった。学校ごとに特性があると思われるので、1級ないしは2級から始めていれば3級で容易に奨学金を得られたものを思われる。4級は文法が、5級は内容自体が社会や学問が絡んできて複雑になるので、3級が最も奨学金を獲得しやすい級であえるといえる。また、口頭試験では質問に対する答えの内容は関係なく、出題範囲内の文法や単語をいかに詰め込むかに焦点があてられる。私はでまかせが言えない質なので、回答にかなり窮した。また正確な発音も評価対象にはなっているようだったが、それよりも質問に対して無駄だと思えるくらい長い回答をすることが、口頭試験で高得点を得る秘訣だった。その他の筆記試験は教科書さえ押さえておけば恐れることはない。3級以降では作文問題があるが、これも指定の文章数などを超えていれば十分に点数が取れる。말하기である発表試験に関しては、十分な準備と内容の把握・暗記をしていてば確実に点数になる。他の生徒の発表に質問をすると追加点が得られるので確実に奨学金をに狙いたい場合は最低3回程度質問しておくといいだろう。質問の内容がむつかしければ高得点を得られるわけではなく、参加する積極性を見られているようであった。余談ではあるが、奨学金獲得は口頭試験と発表試験の積極性が大きく関わってくるため、外交的な人のほうがストレスなく目指せると感じた。韓国に友達のいる人たちは総じて口頭・発表成績が良好であったようだ。
イラストでの収益を得ようと韓国でのスキル販売サイトに登録したものの、どのサイトも韓国人でなければスキルの販売はできないという規約であったため、韓国市場の開拓は断念した。可能性を感じていただけに非常に残念であった。paypalのビジネス口座開口も、一時的に海外にいる身としては手続きが大変複雑であり、こちらも断念せざるを得なかった。結果、韓国にきて新たな市場開拓はひとつもできなかったことになる。しかし、ただで日本に帰るわけにはいかないので、Adobeソフトを使用した技術を学び、日本に帰ってからデザイン関係で働けるようにスクールに通いはじめた点は大変な収穫であった。イラストレーターとフォトショップの使用方法を2カ月で叩き込み、11月現在はパッケージデザインを、12月からインデザインと並行してポートフォリオ作成をするスケジュールとなっている。留学生活で金銭的に困窮している中、清水の舞台から飛び降りる覚悟でスクールに登録したが、これまでに獲得したスキルだけみても、とても将来性を感じられる。日本に帰国後は故郷・北海道に戻り、札幌でデザイン関係の仕事に就き、実力を養い、経験を積みたいと考えている。30代半ばのホテリエがまったく別の畑であるデザイン関係に飛び込むのは簡単なことではないだろうが、必ず道はあると思う。今は就職準備として魅力的なポートフォリオ作成に注力したい。
結果的にいえば語学堂で奨学金を獲得はできなかったが、新たな道を見定めて歩みだすことができた。韓国語とデザイン能力を培い日本に帰ることで新たな道を切り開いてゆきたい。いずれ力が付いたら、また韓国に戻ってきて韓国の地で暮らしたい。10年はかかるだろうか。挑戦は続く。
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