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看護師国家試験 看護の統合と実践

看護管理
〇看護ケア提供システム/看護管理

・臨床現場における看護管理について説明してください
患者の社会復帰支援においてよりよい看護を提供できるよう、多(他)職種の医療従事者と連携をとりつつ、看護管理者が全体を組織化、調整、統制する一連の過程

・日本看護協会による「看護管理基準(2016年改訂版)」の意義について説明してください
基準が設定されることにより、患者に提供すべき看護内容が明確化され、看護の質が保証される

・リーダーシップスタイルについて説明してください
民主型:メンバーそれぞれが意思決定する自由を与えられる
専制型:リーダーがすべて意思決定する
放任型:リーダーによる権力の行使をできるだけ避け、すべてメンバーの自由采配に任されている
教示型:リーダーが具体的に指示し、メンバーの行動を促す
説得型:リーダーは自らの考えを説明し、フォロワーからの疑問に答える
参加型:メンバーの自主性を促し、その考えを尊重しつつ討議し環境を整備する
権力型:メンバーの活動はリーダーが決める
カリスマ型:リーダーがカリスマとなり絶大な影響を及ぼす
奉仕型:リーダーがまず相手に奉仕し、相手を導く

・主な看護ケア提供システムについて説明してください
チームナーシング
各チームにリーダーを置き、リーダーの指示・協力を得ながら、複数のメンバーナースがケアを実施するシステム
モジュール型継続受け持ち方式
1つの看護単位をいくつかのモジュール(チーム)に分割し、その中で専属の継続受け持ち方式をとる方法
プライマリーナーシング
1人の看護師が特定の患者を継続から退院まで継続的に担当するシステム
患者との関係が深めやすく、個別性に応じたケアができるが、負担が大きい
機能別看護
患者に提供される看護業務の係を決めて分業するシステム
効率的で機能的な方式だが、患者との関係が作りにくい

看護師のキャリア
〇専門・認定看護師制度


・コンサルテーションについて説明してください
専門看護師や認定看護師が患者や看護師の相談に応じること

情報のマネジメント
〇診療情報の提供


・診療情報の提供の目的、方法、求められた場合の対応について説明してください
目的
患者との信頼関係の強化
情報共有による医療の質の向上
患者自身が治療や検査などを理解し、自己決定を行うこと
方法
口頭による説明
説明文書の交付
診療記録の開示など
求められた場合の対応
セカンドオピニオンを希望する場合など、患者から診療記録の開示を求められた際、原則として医療従事者は応じなければならない

〇診療情報などの電子化と医療情報システム

・電子カルテのメリット・デメリットについて説明してください
メリット
医療の質の向上や効率化
医療安全の推進
事務の省力化
デメリット
操作ミスによる患者の取り違えや投薬ミス
個人情報の漏洩
システムダウンによる業務停滞
などのトラブルが起こりうること

医療事故の防止
〇医療安全管理

・安全管理において目指すシステムについて説明してください
人の記憶に頼らないシステム
作業プロセスを標準化し、人の監視能力に依存しないシステム
操作ミスが生じにくい医療機器の導入

・PDCAサイクルについて説明してください
Plan(計画・目標設定)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクル

・特定機能病院に確保が義務付けられている体制について説明してください
医療安全管理者と院内感染対策の担当者を配置すること
医療安全部門を設置すること(各部門に属さない組織横断的な位置に設置する)
患者からの安全管理に関わる相談に応じる体制を確保すること

・医療法における病院の医療安全対策の法的に義務付けられていることについて説明してください
医療安全管理のための指針の整備
委員会の開催
職員の研修
改善のための方策

・患者誤認防止のために行うことについて説明してください
患者本人に氏名を名乗ってもらう
ネームバンドやベッドネームの確認

・タイムアウトについて説明してください
手術に関わる医師や看護師などのメンバー全員が、一斉に手を止めて患者及び手術部位、術式などを確認しあうこと

・感染制御チーム(ICT)について説明してください
医療法によって設置が義務付けられている感染制御委員会(ICC)のもとに構成されるチーム
院内感染対策の実施や感染症のサーベイランス(調査、監視)など、広く感染に関する相談事項を取り扱う

〇インシデント・アクシデント

・ハインリッヒの法則について説明してください
1件の重大事故の背景には29件の軽傷事故、300件のヒヤリハット、無数の不安全行動・状態があるという考え方

・インシデント・アクシデントが発生しやすい状況について説明してください
患者急変時、ナースコールなどで作業を中断する際

・インシデントレポートの目的について説明してください
状況報告と原因究明、再発防止策の検討
個人に対する責任追及・処罰のために用いられるものではない
※さまざまな職種間で共有することによって、それぞれの専門性を生かした事故防止策をとることが可能となる

〇医療事故/医療過誤

・医療過誤で問われる法的責任について説明してください
民事責任:民法
刑事責任:刑法
行政上の責任:保健師助産師看護師法

災害看護
〇災害の定義とサイクル

・災害サイクルにおける災害医療と災害看護の役割について説明してください
超急性期:発災~72時間
急性期:発災~1週間
災害医療
災害医療体制(医療管理(CSCA))の確立
C:Command&Control 指揮と統制
S:Safety 安全
C:Communication 情報伝達
A:Assessment 評価
現場・応急救護所における3Tの展開
Toriage トリアージ
Treatment 応急処置
Transportation 搬送
災害看護
現場・応急救護所におけるCSCATTTの展開

亜急性期:~3週間
災害医療
感染症予防
災害看護
感染症予防
こころのケア
廃用症候群の予防
慢性疾患患者(透析患者、精神疾患患者など)の急性増悪予防・対応
 服薬を中断しないよう支援、処置に必要な物品を手配

慢性期・復興期:~数か月・数年
災害医療
心的外傷後ストレス症候群(PTSD)への対応
災害看護
こころのケア

・災害による心理的ストレスが身体反応として最も現れる時期について説明してください
発災後数日

・災害の急性期に注意することについて説明してください
まず自分自身の安全を確保し、その後患者や病院の職員を含む災害現場の安全確保を行う

・災害時の身体障害者への支援について説明してください
避難所では居住空間の確保や、生活支援・医療支援に関する適切な情報の提供、周囲の人々との情報共有と理解の促進などの支援を行う必要がある

・災害拠点病院について説明してください
災害発生時に広域災害医療に対応し、医療救護活動の中核を担う病院
都道府県によって指定される
災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣機能を持つ

・災害派遣医療チーム(DMAT)について説明してください
急性期の被災地における医療支援と広域医療搬送などを担う医療チーム
被災地域内での患者の搬送も行う

・医療計画における5疾病5事業について説明してください
がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患
救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療

・災害対策基本法における災害時の要配慮者について説明してください
高齢者、障害者、乳幼児、その他の特に配慮の必要なもの

〇こころのケア

・心的外傷による反応の分類について説明してください
心的外傷後ストレス反応(PTSR)
PTSRは心的外傷に対する正常なストレス反応
心身に変調が生じるが、時間経過に伴って徐々に回復に向かう
異常な出来事に対する正常な反応であることを伝え、ASD、PTSDに移行を防ぐことが重要
急性ストレス障害(ASD)
心的外傷後ストレス症候群(PTSD)
 災害などによって非常に強い精神的打撃を受けた後、明らかな精神症状(フラッシュバックや回避症状など)が継続し、著しい苦痛があるか、または社会生活を送ることが困難となった場合、ASDあるいはPTSDと診断される

・災害直後、極度の不安を訴えた場合に最初に行うべきことについて説明してください
精神的要因が考えられた場合でも、最初にバイタルサインを測定する

・被災した子供に対する対応について説明してください
大人の側から語りかけ、スキンシップの時間を増やし、遊びを通して感情表出を促す機会を設ける

・災害派遣精神医療チーム(DPAT)について説明してください
被災地の情報収集、精神保健医療のアセスメント、地域精神科医療機関の機能の補完、被災のストレスによる精神的問題を抱える住民への対応などを行う

〇トリアージ

・トリアージについて説明してください
災害時などの制約がある条件下で、治療・搬送の優先順位を決めること
医療資源を効率的に分配し、最善の救命効果を得ることが期待されている

・トリアージの赤色について説明してください
第一順位 緊急医療最優先治療群 赤色
生命・四肢が危機的状態にあり、直ちに処置が必要
気道熱傷、呼吸困難、大量出血、ショック状態など

・START式トリアージにおける赤色の判断方法について説明してください
歩行不可能
→自発呼吸なし→気道確保によって自発呼吸あり
→自発呼吸あり→呼吸回数30回/分以上、9回/分未満
       →呼吸回数10~29回/分→橈骨動脈触知不能
                   →橈骨動脈触知可能→簡単な命令に応じない

・トリアージの原則について説明してください
トリアージ実施者(トリアージオフィサー)はトリアージに専念するが、気道確保と圧迫止血は行う
傷病者の状態や周りの状況が変化することもあるため、トリアージは時間がある限り、繰り返し行う

・トリアージタッグについて説明してください
患者名、優先度、傷病名を記入する
基本的に右手首関節部に装着するが、左手→右足→左足→頸部の順で装着する

国際看護
〇グローバル化と看護

・在留外国人・在留外国人妊婦への対応について説明してください
在留外国人
国内に3か月を超えて在留する外国人は日本の公的医療保険に加入しなければならない
在留外国人妊婦
妊婦健康診査費用の公費による助成を受けられる

〇多様な文化と看護

・外国人への対応について説明してください
日本語が十分に話せない場合には、医療通訳を依頼する
母国語と日本語の対応表やフェイススケールによって患者から訴えや要望を伝えやすくなるよう工夫する
文化的な背景を考慮する
ケアの内容や院内のルールを説明し、患者が納得できる解決策を話し合う必要がある

〇国際協力

・政府開発援助(ODA)について説明してください
開発途上地域の経済・社会発展や生活向上のために政府によって行われる資金・技術提供
主として国際協力機構(JICA)によって実施されている

・世界保健機関(WHO)の目的と主な活動について説明してください
目的
すべての人が可能な最高の健康水準に到達すること
感染症などの国際的な健康問題におけるリーダーシップの発揮
国際保健に関する規範や基準(国際疾病分類(ICD)など)の設定
倫理的・科学的根拠に基づく政策課題の提唱
各国への技術支援

・持続可能な開発目標(SDGs)について説明してください
2015年の国連サミットで採択された、持続可能な世界を実現するため、先進国を含めたすべての国を対象とした2016年から2030年までの国際目標
乳幼児や妊産婦の死亡率の削減や、気候変動や経済的不平等などに対応することを目標としている

〇国際疫学・統計

・HIV陽性者が最も多い地域について説明してください
サハラ以南アフリカ
近年治療の向上により陽性者は減少

・5歳未満の子供の死亡率が最も高い地域について説明してください
サハラ以南アフリカ

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