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看護師国家試験 基礎医学

細胞
〇細胞小器官


・主な細胞小器官を列挙し、それぞれについて説明してください
細胞膜
細胞内外の環境の境界であり、細胞外との物質やシグナルのやりとりをしている

DNAを格納・保存しており、タンパク質合成のためのDNAの複製、RNAの転写が行われる
リボソーム
RNAに転写された遺伝情報をもとにタンパク質合成(翻訳)が行われる
ミトコンドリア
クエン酸回路(TCAサイクル)や電子伝達系などエネルギー代謝に関わる反応系の酵素が存在し、エネルギー産生(ATP産生)を行っている
リソソーム
細胞外から取り込んだ物質や細胞内で不要になった物質、細胞小器官の分解を行う

DNAとタンパク質合成
〇DNA
・DNAについて説明してください
DNA
核酸の一種であり、ヌクレオチド(塩基、糖、リン酸の複合体)が連なってできたもの。2本のポリヌクレオチド(ヌクレオチドが多数つながった鎖)が合体してできた二重らせん構造をとっている。体細胞分裂の際に複製されて2倍になったのち、分裂に伴いそれぞれの細胞に半分ずつ分配される。

〇タンパク質合成

・タンパク質合成の過程について説明してください
核内でDNAの塩基配列情報をもとに1本鎖RNAであるmRNAが合成され(転写)、mRNAはtRNAによって核外のリボソームに運ばれ、mRNAの塩基配列情報に基づき、アミノ酸がつながりタンパク質を合成する(翻訳)。

組織の解剖生理
〇上皮組織

・主な上皮組織の種類とそれぞれの存在する部位について説明してください
単層扁平上皮:血管(内皮)、腹膜
単層円柱上皮:胃、腸
多列円柱上皮:気管、鼻腔
移行上皮:膀胱、尿管
重層扁平上皮:角化…表皮 非角化…口腔粘膜

〇筋組織

・筋肉の種類について説明してください
筋肉は横紋がある横紋筋と、横紋がない平滑筋に分けられる。横紋筋には身体を動かす骨格筋と、心臓を動かす心筋がある。このうち骨格筋は意識的に動かすことができる随意筋だが、心筋や平滑筋は不随意筋である。

〇神経組織


・神経組織について説明してください
神経組織は、神経細胞(ニューロン)と支持細胞(神経膠(グリア)細胞)からなり、ニューロンには樹状突起と軸索という特殊な構造が存在する。

・活動電位について説明してください
樹状突起には、他のニューロンから伝達された情報を受け取る役割があり、情報の入力を受けたニューロンの細胞内電位は、-から+に傾き、脱分極する。この変化が一定以上に達すると(閾値に達すると)、ニューロン内に活動電位が発生する。

・跳躍伝導について説明してください
髄鞘をもつ有髄神経のみで生じる刺激伝達の様式で、刺激が髄鞘を飛び越えて、ランビエ絞輪間のみを経由して跳躍的に伝わるため、伝導速度が速い。

・主な神経伝達物質について説明してください
グルタミン酸:脳でニューロンを興奮させる
GABA:脳でニューロンの興奮を抑制する
アセチルコリン:運動神経終末から放出され、骨格筋を収縮させる
        副交感神経系の刺激
ドパミン:身体の運動、意欲、学習などを引き起こす
ノルアドレナリン:脳の興奮や交感神経系の刺激
セロトニン:気分、食欲、睡眠を制御する

生命活動
〇ホメオスタシス

・ホメオスタシスについて説明してください
ホメオスタシス(恒常性)とは、温度や光の変化といった外部刺激や、運動、摂食といった内部刺激があっても体内環境が一定の状態に維持されることをいう。
間脳の視床下部や下垂体、脳幹が関与し、おもに自律神経とホルモンの負のフォードバック機能によって働く。
視床下部の浸透圧受容器によって体内の水分量、血圧を一定に保ったり、延髄の中枢化学受容体によって体内の酸素、二酸化炭素濃度を一定に保っている。

〇体温調節


・体温のセットポイントが高くなったとき、低くなったときの反応について説明してください
セットポイントとは、体温を一定の範囲に維持するための目標値または目標範囲
体温のセットポイントが高くなると、通常の体温を低すぎると認識し、体温を上昇させる反応が起きる。その結果、筋肉をふるわせて熱を産生したり、末梢血管を収縮させて放熱を防いだりする。
体温のセットポイントが低くなると、通常の体温を高すぎると認識し、体温を低下させる反応が起きる。その結果、発汗を促進して汗の気化熱で冷却したり、末梢血管を拡張させて放熱したりする。

〇体液と浸透圧


・成人の体内水分量の体重に占める割合、細胞内液と細胞外液の分布比について説明してください
成人では体重の約60%は水分
そのうち2/3(体重の約40%)は細胞内液で、1/3(体重の約20%)は細胞外液

・細胞外液と細胞内液の電解質の濃度の違いについて説明してください
細胞内液ではカリウム濃度がナトリウム濃度よりも高く、細胞外液ではナトリウム濃度がカリウム濃度よりも高い
細胞内液
陽イオン:カリウムイオン>マグネシウムイオン>ナトリウム、カルシウムイオン
陰イオン:リン酸イオン>重炭酸イオン≧硫酸イオン
細胞外液
陽イオン:ナトリウムイオン>カリウムイオン>カルシウムイオン>マグネシウムイオン
陰イオン:塩化物イオン>重炭酸イオン>リン酸イオン、硫酸イオン

・膠質浸透圧について説明してください
膠質浸透圧とは、血漿中に溶けている、血管壁を通過できない高分子によって生じる浸透圧のこと
アルブミンは血液中の主要なタンパク質であり、高分子などで血管壁を通過できず、血液中の浸透圧の維持、pHの調節、脂溶性分子の運搬などの役割を担っており、膠質浸透圧はアルブミンの濃度に強く影響される
膠質浸透圧が低下すると、毛細血管から間質へ水分が移動し浮腫となる

・生理食塩水の塩化ナトリウム濃度、輸液に使われるブドウ糖溶液の濃度について説明してください
塩化ナトリウム濃度:0.9%
ブドウ糖溶液の濃度:5%

〇酸塩基平衡


・体内の酸塩基平衡について説明してください
通常、動脈血のpHは7.40±0.05の範囲に保たれている。
動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇すると体内は酸性に傾き、減少するとアルカリ性に傾く
HCO3-イオンが上昇すると体内はアルカリ性に傾き、減少すると産生に傾く

・pHに影響を及ぼす主な要因について説明してください
気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、CO2ナルコーシス:呼吸機能低下…PaCO2上昇…呼吸性アシドーシス
過換気症候群:呼吸数上昇…PaCO2減少…呼吸性アルカローシス
腎機能低下:HCO3-イオン調節機能低下…HCO3-減少…代謝性アシドーシス
下痢:腸液喪失…HCO3-減少…代謝性アシドーシス
糖尿病:ケトン体の蓄積…H+増加…代謝性アシドーシス
嘔吐:胃酸の喪失…H+減少…代謝性アルカローシス

〇サーカディアンリズムと睡眠


・サーカディアンリズムについて説明してください
生物がもっている生体内時計のことで、ホルモン濃度や体温などが約24時間の周期で変動することで、概日リズムともいわれる

・睡眠について説明してください
睡眠はレム(REM)睡眠とノンレム睡眠に分けられ、通常成人の睡眠では約90分を1サイクルとして一晩に4~5回繰り返す
レム睡眠の時には急速眼球運動があり、全身に骨格筋が弛緩する
大脳皮質の活動が活発で、夢を見る
脳波は低振幅速波になる
心拍数、血圧、呼吸数が変動する
ノンレム睡眠の時には大脳皮質の活動が低下しており、
脳波は高振幅徐波になる
心拍数、血圧、呼吸数が規則的になり低下する

〇人間の死


・死の三徴候について説明してください
心臓の停止、自発呼吸の停止、瞳孔散大(および対光反射の消失)

細胞の病態生理
〇細胞の死


・細胞の死について説明してください
細胞の死にはネクローシス(壊死)とアポトーシスがある
ネクローシスは熱傷や感染などの物理的・化学的な障害によって起こる病的な細胞死
周辺には炎症細胞浸潤などが見られる
アポトーシスは発達の段階などで見られるプログラムされた細胞死で、生理的現象でもある
周囲に炎症細胞浸潤は見られない

基本的な病変・病態
〇循環障害


・循環障害の分類、それぞれの病態と疾患について説明してください
充血
炎症などにより、血液や血漿が増加した状態
結膜炎
うっ血
静脈中の血液の流れが妨げられ、血液が停滞した状態
下肢静脈瘤
血栓
血管内に異常な凝血(血栓)が生じた状態
心筋梗塞、脳梗塞
塞栓
血栓、脂肪、空気などの異物が血流によって運ばれ、血管の内腔を閉塞した状態
肺血栓塞栓症、潜水病
虚血
主に動脈が狭窄・閉塞することにより、その下流の組織への血流量が減少した状態。血栓、塞栓がその原因となる
狭心症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、レイノー現象

〇浮腫


・浮腫について説明してください
浮腫とは、体液のうち組織液が以上に増加した状態を指し、体重増加がみられる
浮腫の原因は
①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血漿≒低栄養など)
②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)
③リンパ管の閉塞によるリンパうっ滞
④血管透過性の亢進(アナフィラキシーなど)
に大別できる

〇炎症


・炎症の四徴、五徴について説明してください
四徴:発熱、発赤、腫脹、疼痛
五徴:発熱、発赤、腫脹、疼痛、機能障害

・急性炎症と慢性炎症について説明してください
急性炎症
血管透過性が亢進し、血液中の好中球が炎症部位に遊走し、侵入物を貪食する
次いで単球(マクロファージ)などが反応し、死細胞を貪食する
慢性炎症
急性炎症が遷延すると慢性炎症に移行する
慢性炎症ではリンパ球や形質細胞の浸潤、線維組織の増生が見られることが特徴的である

〇脱水


・脱水の分類とそれぞれの原因について説明してください
脱水は水分とナトリウムの喪失の程度によって分類される
水分をより高度に失った高張性脱水(水欠乏性脱水、一次脱水)
ナトリウムをより高度に失った低張性脱水(ナトリウム欠乏性脱水、二次脱水)
水とナトリウムを同程度に失った等張性脱水(混合性脱水)がある
高張性脱水の原因として飲水不足や発汗がある
低張性脱水の原因として頻回の嘔吐や下痢がある

・脱水の症状について説明してください
脱水の初期症状として口渇感(高張性脱水で顕著)、口唇・口腔粘膜の乾燥、尿量減少、頻脈、頭痛、食欲不振、便秘などがある
進行に伴い、血圧低下や意識障害が生じるため、十分な観察が必要

〇腫瘍


・良性腫瘍と悪性腫瘍について説明してください
良性腫瘍は、無制限に増える自律性増殖はするが、構造は成熟している。正常組織との間に明確な境界があり、転移しないため全身への影響は少ない
悪性腫瘍は構造は未熟で、無制限に増える自律性増殖、周囲組織を破壊して広がる浸潤、体腔やリンパ、血液を介して遠隔臓器に移動する転移の3つの特徴があり、全身への影響が大きい

・TNM分類について説明してください
がんは、TNM分類によって病期を分類することができる
T:原発腫瘍の進展範囲
N:所属リンパ節転移の有無と進展範囲
M:遠隔転移の有無

薬理総論
〇薬物動態


・薬物の投与経路について説明してください
経口投与:消化管から吸収され、肝臓で初回通過効果を受ける
     作用発現までに時間がかかる
静脈内注射:吸収が不要で、薬効発現が最も早い
筋肉内注射:吸収・作用発現は静脈内注射より緩やか
皮下注射:吸収・作用発現は筋肉内注射より緩やか
吸入投与:吸収速度が速く、呼吸器疾患に有効
直腸内投与:吸収速度が速く、経口投与が難しい患者に投与できる
初回通過効果を一部回避できる
舌下投与:吸収速度が速い
     ニトログリセリンの投与経路
     初回通過効果を一部回避できる
経皮投与:ゆっくりと持続的に吸収される

・初回通過効果について説明してください
内服した薬剤が吸収された後に門脈を通り、肝臓において代謝されること

〇薬物の有害事象


・有害な作用を予測するために収集する情報について説明してください
過敏症の有無

・有害事象が発生しやすい薬剤について説明してください
血中濃度の安全域が狭い薬物
ジゴキシン(心不全治療薬)、テオフィリン(気管支喘息治療薬)、バルプロ酸ナトリウム(抗てんかん薬)、フェニトイン(抗てんかん薬)、炭酸リチウム(抗躁薬)、リドカイン塩酸塩(抗不整脈薬)

〇薬物相互作用

・以下の薬物を服用時に避けた方がよい食品について説明してください
カルシウム拮抗薬、テトラサイクリン系抗菌薬、ワルファリンカリウム
カルシウム拮抗薬:グレープフルーツ
テトラサイクリン系抗菌薬:牛乳
ワルファリンカリウム:納豆、海藻(ビタミンK)

薬物の作用と副作用
〇抗菌薬

・主な抗菌薬の分類について説明してください
ペニシリン系、セフェム系、グリコペプチド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系

・メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)に有効な抗菌薬について説明してください
バンコマイシン塩酸塩(グリコペプチド系)

〇抗ウイルス薬

・抗ヘルペスウイルスの薬剤名を答えてください
アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩

〇抗がん薬

・抗がん薬の副作用について説明してください
悪心・嘔吐、脱毛、骨髄抑制、口内炎、食欲不振・味覚障害、倦怠感、末梢神経障害、便秘・下痢

・骨髄抑制について説明してください
抗がん薬により骨髄中の幹細胞の血球産生機能が障害され、血球数が正常より低下した状態
これにより赤血球や白血球、血小板などのすべての血球が減少する汎血球減少が生じると、易感染状態や出血傾向、貧血などの症状が現れる

・性機能障害を起こしやすい抗がん薬について説明してください
シクロホスファミド水和物などのアルキル化薬

〇自律神経作用薬

・抗コリン薬について説明してください
アセチルコリンを抑制し、副交感神経系の働きを抑制する薬物

・抗コリン薬の副作用について説明してください
副交感神経の抑制による排尿困難、顔面紅潮、口渇、めまい、便秘などの副作用があるため注意する

・抗コリン薬の禁忌症について説明してください
閉塞隅角緑内障(眼圧を上昇させるため)
前立腺肥大症(尿閉を誘発するため)

〇強心薬

・強心薬について説明してください
心筋収縮力を増強する作用(強心作用)をもつ薬物

・主な強心薬について説明してください
ジギタリス製剤(ジゴキシン)、カテコールアミン(アドレナリン(エピネフリン))、ホスホジエステラーゼ(PDE)Ⅲ阻害薬

・ジギタリスの副作用について説明してください
ジギタリス中毒(悪心・嘔吐、食欲不振、不整脈、めまい)

〇狭心症治療薬

・狭心症の薬物療法に用いる薬物について説明してください
抗血小板薬、カルシウム拮抗薬、硝酸薬、β遮断薬、脂質異常症治療薬

・狭心症発作時に用いる薬物について説明してください
ニトログリセリン(硝酸薬)
冠動脈を直接拡張して冠血流量を増加させ、心筋血流を改善することで心筋虚血を改善する
血管拡張により低血圧を起こしやすいため、仰臥位または座位で服用させ、安静を促す
肝臓での初回通過効果で不活化されるため舌下投与する

〇降圧薬

・主な降圧薬とその作用機序について説明してください
利尿薬
腎臓からのNaおよび水の排泄を促進し、循環血液量を減少させる
交感神経抑制薬(β遮断薬)
左心室の収縮力を規定するβ受容体を遮断し、左心室の収縮力を抑制して心拍出量を低下させる
アンジオテンシン阻害薬
昇圧作用のあるアンジオテンシンⅡの作用を阻害し、降圧作用をもたらす
血管拡張薬(カルシウム拮抗薬)
血管平滑筋細胞内へのカルシウムイオンの流入を抑制し血管を拡張させる

・降圧剤の副作用について説明してください
起立性低血圧、ふらつき、湿疹
転倒・転落のリスクが増加するため、急な起立を避けるよう指示し、高齢者には特に注意が必要

〇利尿薬

・多くの利尿薬の作用機序について説明してください
尿細管でのNaの再吸収を抑制して尿細管腔内のNa濃度を維持させることで、浸透圧を高く保持する
これにより水の再吸収が抑制され、結果的に尿量を増加させる

・利尿薬の副作用について説明してください
ナトリウムの再吸収の抑制に伴い、カリウムの再吸収も抑制されるため、低カリウム血症を起こしやすい

〇抗血栓薬

・抗血栓薬の分類とそれぞれの作用機序、代表的な薬物について説明してください
抗血小板薬
血小板凝集能の抑制
アスピリン
抗凝固薬
凝固因子の活性化を抑え、フィブリンの生成を抑制する
ヘパリン、ワルファリンカリウム
血栓溶解薬
プラスミンを活性化し、フィブリンを分解する
t-Pa、ウロキナーゼ

・抗血栓薬の禁忌、休薬を検討する必要のある場合について説明してください
禁忌:出血傾向の患者
休薬:手術や出血を伴う検査

・アスピリンの抗血小板薬以外の使用方法について説明してください
抗炎症作用(解熱・鎮痛作用)
少量投与で抗血小板薬として扱われる

・ワルファリンと拮抗作用のある食品について説明してください
納豆、青汁(ビタミンK)

〇副腎皮質ステロイド薬

・副腎皮質ステロイド薬の代表的な薬剤、作用、対象疾患について説明してください
代表的な薬剤
プレドニゾロン、デキサメタゾン
作用
抗炎症作用、免疫抑制作用
対象疾患
アレルギー疾患、自己免疫疾患

・副腎皮質ステロイド薬の副作用について説明してください
易感染性、骨粗鬆症、血糖値上昇、眼圧上昇、クッシング症候群様症状(満月様顔貌、水牛様肩、中心性肥満)
※副作用が出現しても服薬を急に中止するとステロイド離脱症候群、副腎クリーゼによるショック症状が起こる可能性があるため、まずは原疾患のコントロールを行い、副作用に対しては対症療法を行う。

〇糖尿病治療薬

・インスリンの副作用、その際の症状、対処法について説明してください
副作用:低血糖
症状:冷感や動悸
対処法:糖類(単糖類)の摂取

〇精神疾患治療薬

・抗精神病薬の副作用について説明してください
定型抗精神病薬(古いタイプの抗精神病薬)
錐体外路症状(EPS)、自律神経症状、乳汁分泌や性機能障害(高プロラクチン血症)、悪性症候群
非定型抗精神病薬(新しいタイプの抗精神病薬)
糖代謝異常(高血糖)

・錐体外路症状について説明してください
投与開始後早期から見られるもの
パーキンソン症候群
無動、安静時振戦、筋強剛、姿勢反射障害
アカシジア
じっとしてられず動き回る
急性ジストニア
異常な筋緊張により奇妙な姿勢になる
長期投与後にみられるもの
遅発性ジスキネジア
咀嚼様運動、舌の突出・捻転、顔をしかめる

・悪性症候群について説明してください
向精神薬の開始初期に筋強剛などの著しい錐体外路症状、高熱、自律神経症状などが出現する病態

・自律神経症状について説明してください
抗コリン作用による口渇など
これにより多飲となりやすく、抗精神病薬長期投与による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が加わると水中毒を引き起こす場合がある
水中毒では低ナトリウム血症となり、易疲労感、頭痛、食欲不振などの症状が見られ、多飲・多尿により体重の日内変動が激しくなる

・抗うつ薬の作用発現までの時間と副作用について説明してください
時間:服用から作用発現まで2~4週間程度
副作用:セロトニン症候群(不安、混乱などの精神症状、錐体外路症状、発熱、発汗などの自律神経症状)

・気分安定薬である炭酸リチウムの副作用について説明してください
リチウム中毒
初期症状として発熱や消化器症状(悪心・嘔吐、下痢など)、中枢神経症状(めまい、運動失調、構音障害など)が見られる。重症化すると急性腎不全や意識障害、全身けいれん、ショックを引き起こし、死に至ることもある。

〇オピオイド(麻薬性鎮痛薬)

・オピオイドについて説明してください
主に脳や脊髄などの中枢神経にあるオピオイド受容体と結合することで鎮痛効果を示す化合物で、主にがん疼痛の緩和ケアなどに使用される
弱オピオイド(コデインリン酸塩水和物、トラマドール塩酸塩)
強オピオイド(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル)
※がん性疼痛に使用できるオピオイド製剤の貼付薬はフェンタニルのみ

・オピオイドの副作用について説明してください
便秘、眠気、悪心・嘔吐、呼吸抑制、排尿障害、せん妄、幻覚

〇非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

・NSAIDsについて説明してください
副腎皮質ステロイド薬の構造を持たず、鎮痛・解熱・抗炎症作用を有する薬剤の総称
アスピリン、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、セレコキシブなどがある
COXを阻害し、炎症物質であるプロスタグランジン類(PGs)の産生を抑制することで効果を発揮する
ただ、PGsには胃の保護作用や止血作用もあるため、NSAIDsの副作用として消化性潰瘍などの胃腸障害や出血傾向、さらに腎障害、肝障害などがある。

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