見出し画像

看護師国家試験 基礎看護学

看護の本質

〇看護の目的と機能

・国際看護師協会(ICN)による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任は?

健康の増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和

〇看護理論

・主な看護理論について人名、主な著書、キーワードの説明をしてください
人名        主な著書         キーワード
ナイチンゲール,F.  看護覚え書        自然治癒力
ヘンダーソン,V.   看護の基本となるもの   14の基本的ニーズ
ブラウン,E.L.    これからの看護
         (ブラウンレポート)   看護教育の方向性
ペプロウ,H.E.    人間関係の看護論    患者—看護師関係の発達モデル
オレム,D.E.     オレム看護論       セルフケア概念
トラベルビー,J.   人間対人間の看護     ラポールの成立
ロイ,S.C      ロイ看護論        適応モデル
ワトソン,J.   看護:人間科学とヒューマンケア  ケアリング

・ラポールとは?
肯定的・建設的な相互関係性、信頼関係

看護の対象の理解

〇QOL

・QOLは何の略で、どんな概念?
quality of life(生命の質または生活の質)
個人を主体としたその人自身の生命と生活の質のことで、患者中心の医療の根幹をなす概念

・QOLで最も重要なものは何?
本人の満足感
QOLはどうやって判断される?
自分の価値観に沿って、自己実現がどの程度達成されるかによって判断される

看護倫理

〇医の倫理/看護の倫理

・医の倫理の歴史を説明してください
ニュルンベルク倫理綱領:世界で最初に医療における人権問題を扱ったもの
         「社会的利益のために被験者を犠牲にしてはならない」
      ナチス政権下のドイツで行われた人体実験の犯罪性を裁く基準
ジュネーブ宣言:現代版ヒポクラテスの誓い
        守秘義務など
        世界医師会が採択した医療の職業倫理
ヘルシンキ宣言:臨床実験の倫理原則
        人を対象とする医学研究を行う際の勧告
        インフォームドコンセントの重要性
リスボン宣言:患者の権利
       良質な医療を受ける権利
       医療における自己決定権、セカンドオピニオン

・医療倫理原則について説明してください
自立尊重原則:患者が自己決定し選択した内容を尊重する
善行原則:患者にとって有益なことを行う
無危害原則:患者に身体的損傷を与えない
正義・公正原則:すべての人に平等に医療を提供する
誠実・忠誠の原則:患者に対して偽りの情報を与えない

・アドボカシーとは?
権利の擁護
看護師は患者の自己決定を支え、時にはそれを代弁するアドボケーターの役割も求められる

・ノーマライゼーションとは?
障害者や高齢者を特別視するのではなく、一般社会において普通の生活が送れるような条件を整え、すべての人がともに生活できる社会・環境を作ることを目的とするもの

根拠に基づいた実践

〇EBN

・EBNは何の略で、どんな概念?
evidence-based nursing(根拠に基づいた看護)
ケアの質の保証のために科学的根拠を用い、臨床研究の実施や、研究論文の検討で得られた情報を根拠   
に看護を行うこと

。EBMは何の略?
evidence-based medicine(根拠に基づいた医療)

チームアプローチ

〇多職種間の連携・協働

・チーム医療のメンバーにはどんな人が含まれるか
医師、歯科医師や看護師、薬剤師などのコメディカル、さらに患者と家族も含まれる

・チーム医療の運営に重要なことは
情報共有し、議論した後に意思決定をすること

・NSTのメンバーにはどんな人が含まれるか
医師、管理栄養士、看護師、薬剤師など(患者と家族は含まれない)

コミュニケーション

〇コミュニケーション

・患者とのコミュニケーションで重要なことはなにか
受容と共感の態度をもって患者や家族に接すること
専門用語の使用は必要最小限とし、理解しやすい表現を心がけること
非言語コミュニケーション(表情、視線、ジェスチャー、タッチングなど)を活用する

・ジェスチャーとタッチングの違いを説明してください
ジェスチャーは身振り手振りで思いを表現すること。タッチングはタイミングや部位などを意識して意
図的に看護師が患者に直接触れることをいい、患者の痛みや不安を緩和する目的で行う。タッチングを
行う際は、患者の価値観や社会的背景を考慮する必要がある。

看護過程

〇看護過程

・看護過程の5段階を説明してください
アセスメント、看護診断、目標設定・計画→実施→評価(→アセスメントに戻る)

・アセスメントで行うことを説明してください
主観的情報や客観的情報などから得られたデータから、科学的根拠に基づいて情報の分析を行う

・主観的情報、客観的情報について説明してください
主観的情報:患者や家族などの対象者自身が発した言葉、訴え、要望等。患者自身が書いたメモなども
含む。
客観的情報:看護師の観察によって得られた徴候や症状などの所見や測定値などのデータ等

・看護過程において重要なクリティカルシンキングについて説明してください
クリティカルシンキングとは批判的思考のこと。客観的情報を重視し、収集した情報をそのまま受け止
めるのではなく、その信頼性を吟味しながら、客観的・批判的に解釈し、根拠に基づいて偏りのない思
考をすること。否定的という意味ではない。

〇看護記録

・看護記録の取り扱いの注意点を説明してください
チームメンバーと対象者の情報を共有するために、記録はできるだけ速やかに行う。
看護記録は客観的事実に基づいて記載する必要があるため、看護師の個人的な感想は記入しない。
記録改ざんの疑いがかからないように、間違えた箇所には修正液の使用や塗りつぶしなどはせず、2本線を引き、署名をして訂正する。
患者が実際に発した言葉と自分の考えが混在しないよう、患者の訴えは直接話法で記載する。
看護記録は「医療法」により2年間の保存が義務付けられており、診療録(看護記録を含むことが多い)は「医師法」により法的保存期間が5年間とされている。
対象者のプライバシーを守るため、コピーして配布資料にしてはいけない。

・問題志向型叙述記録(POS)とは?
患者のもっている医療上の問題を中心に、科学的・論理的に問題解決を図ることを目的とした記録
通常SOAP形式で記入する

・SOAPという記録方式について説明してください
S(subjective data)主観的情報:患者や家族の訴え、要望等
O(objective data)客観的情報:診察・観察所見(徴候、症状、測定値等)
A(assessment)評価、考察
P(plan)検査、治療、患者教育などの計画

・フォーカスチャーティングとは?
患者に起こった事実に焦点(フォーカス)を当て、それに関連する情報や看護行為とそれに対する患者の反応などを系統的に記載する経過記録
通常DAR形式(Data, Action, Response)で記入する

〇クリニカルパス

・クリニカルパスとは?
同じ疾患の患者が退院するまでにたどると考えられる臨床経過と、そこで提供すべき治療・看護を時系列に並べ、スケジュール表のようにまとめた標準計画

・クリニカルパスは何に利用されるか?
チーム医療において共有する医療管理計画手順書
医療の標準化

・クリニカルパスの欠点を挙げてください
・多数の疾患を抱えた患者には対応しにくい
・パス逸脱時(バリアンス)の対処が難しい
・患者の人間像が見えにくい

・医療の標準化とは?
患者や患者家族、医療従事者など、関連するすべての人々が公平に利益を受けられるように秩序化すること
メリットは医療の質の確保や効率性の向上

学習支援

〇学習支援総論

・個人および家族を対象とした学習支援での注意点は?
患者の生活や病歴、精神状態などの多くのプライベートな情報を扱うため、注意して管理を行う必要がある

・集団を対象とした学習支援の工夫の方法および具体例
グループワークなどの手法を用いて学習方法を工夫する
共通理解が求められる学生への感染症予防の指導、地域住民への食事指導、同じ症例の患者同士での体験共有
脈拍の計測方法は?
一般に橈骨動脈で測定する。第2,3,4指の指先を動脈の走行に沿って並べ、軽く当てて測定する。始めて観察する患者では、両側同時に測定し、左右差がないか確認する

観察/バイタルサイン測定

〇呼吸、脈拍、体温、血圧

・成人のバイタルサインの基準値を説明してください
血圧:収縮期<120mmHg、拡張期<80mmHg
呼吸数:12~20回/分
脈拍:60~100回/分
体温:36.0~37.0℃

・乳児のバイタルサインの基準値を説明してください
血圧:収縮期<80~90mmHg、拡張期<60mmHg
呼吸数:30~40回/分
脈拍:100~120回/分
体温:36.5~37.5℃

・体温測定部位で外部環境の影響を受けにくい順番を説明してください
直腸温>口腔温>腋窩温
測定値も高い順番

・口腔温はどこで測定するか
舌下中央付近

・主な熱型の特徴と主な疾患を説明してください
熱型   特徴  主な疾患
稽留熱  日内変動が1℃以内で38℃以上の高熱が持続する  重症肺炎、腸チフス極期、粟粒結核
弛張熱  日内変動が1℃以上あるが、37℃以下にまでは下がらない  敗血症、ウイルス感染症、悪性腫瘍
間欠熱  1日の体温差が1℃以上あり、37℃以下にまで下がる  マラリア発熱期、スティル病、フィラリア症
波状熱  発熱する時期と発熱しない時期とが区別され、不規則に繰り返し出現する  ブルセラ症、マラリア、ホジキン病、胆道閉鎖症

・血圧測定(触診法)の手順を説明してください
一般に上腕動脈で測定する。マンシェットの幅は13cm。
①橈骨動脈(または肘窩上腕動脈)を触知し、70mmHgまで速やかに加圧する
②脈を触知しなくなるまで10mmHgずつ加圧する
③脈を触知しなくなった点から、20~30mmHg加圧する
④1拍動につき2~4mmHgの速度で減圧する
⑤脈が触れ始めた時点の圧を収縮期血圧とする

・以下の血圧測定時の状況で血圧はどのように変化するか説明してください
①マンシェットの位置が心臓より高い
②血圧計の位置が心臓より低い
③マンシェットの巻き方が緩い
④マンシェットの幅が狭い
①低くなる、②変わらない、③高くなる、④高くなる

〇フィジカルアセスメント

・フィジカルアセスメントとは?
医療面接、視診、触診、打診、聴診の技術を用いて客観的データを収集し、患者の全身状態を判断する
こと

・フィジカルアセスメントの流れを説明してください
医療面接→視診→触診→打診→聴診
腹部は視診→聴診→打診→触診
触診や打診によって腸蠕動音に影響が出ることや、先に触診を行うことで痛みによりその後の手技が行えなくなってしまうことを避けるため

感染予防の技術

〇感染予防の原則

・スタンダードプリコーションとは?
標準予防策のこと。感染症の有無にかかわらず、患者の汗を除くすべての湿性生体物資(体液、分泌物、血液、排泄物、粘膜、損傷した皮膚など)を感染源とみなし対処する概念。

・スタンダードプリコーションの基本は?
手指衛生・個人防護具(PPE)の使用・リネンや医療器具・周辺環境への対策

・手洗い3種類それぞれの行う場面、方法を説明してください
日常的手洗い:通常業務の前後に行う
       流水・洗浄剤でこすり洗い(10~15秒)
衛生的手洗い:無菌操作時や感染性の強い病原体に感染する可能性があるとき
       流水・抗菌性石けん・洗浄剤含有の消毒薬でこすり洗い(10~15秒)
       手掌を洗う→手背→指間→拇指→指先・爪→手首
       もしくは、擦式消毒用アルコール製剤で手指消毒(10~15秒以上)
        指先・爪に薬液を刷り込む→手掌→手背→指間→拇指→手首
手術時手洗い:手術前
       流水・洗浄剤含有の消毒薬を使ってもみ洗い(120秒以上)
       さらに、擦式消毒用アルコール製剤で手指から肘まで消毒

・サージカルマスクとN95マスクの違い
サージカルマスク
5µmより大きい粒子を除去することができる
適応は飛沫予防策として医療者や患者、家族が着用、空気(飛沫核)予防策として患者が着用
N95マスク
0.3µmの微粒子を95%以上除去することができる
適応は空気(飛沫核)予防策として医療者や家族が着用

〇感染経路別予防策

・感染経路予防策について、接触予防策、飛沫予防策、空気(飛沫核)予防策の感染経路と病原体、個人防護具について説明してください。
接触予防策
感染経路:感染源に直接接触、あるいは患者が使用した物品や環境表面と間接接触する
病原体:多剤耐性菌(MRSAなど)、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、クロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル
個人防護具:入室時はマスク、手袋、ガウンを着用する
※陰部洗浄や口腔ケアなどを行う際はゴーグルも必要
飛沫予防策
感染経路:病原体を含む飛沫を吸い込み、それが粘膜に付着する
病原体:インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、マイコプラズマ、ムンプスウイルス、溶血性レンサ球菌、百日咳菌
個人防護具:入室時はサージカルマスク、手袋、ガウン、ゴーグルを着用
空気(飛沫核)予防策
感染経路:病原微生物を含む直径5µm以下の飛沫核が長時間空中を遊離して、空気の流れにより離れた場所まで飛散する
病原体:結核菌、麻疹ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス
個人防護具:入室時はN95マスク、手袋、ガウン、ゴーグルを着用

・個人防護具を着用する順番、脱ぐ際の順番を説明してください。
着用するときは、マスク→ガウン→ゴーグルもしくはフェイスシールド→手袋の順
脱ぐときは、手袋→ゴーグルもしくはフェイスシールド→ガウン→マスク

〇消毒、滅菌

・消毒と滅菌について説明してください
消毒:生存する微生物の数を減らすために用いられる処理方法
滅菌:芽胞を含むすべての微生物を死滅させる処理方法

・消毒薬について以下の質問に答えてください。
①芽胞に有効な消毒薬は?
②HBVなどのDNAウイルスに有効な消毒薬は?
③HIVなどのRNAウイルスに有効な消毒薬は?
④結核菌に有効な消毒薬は?
⑤ベンザルコニウム塩化物とクロルヘキシジングルコン酸塩は何に対して有効か?
⑥エタノールは何に対して有効か?
⑦血液で汚染された床の消毒には何が有効か?
⑧医療器具の消毒に用いられる消毒薬は何か?

①グルタラール、次亜塩素酸ナトリウム
②グルタラール、ポピドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム、エタノール
③グルタラール、ポピドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム、エタノール
④グルタラール、ポピドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム、エタノール、クレゾール
⑤一般細菌
⑥一般細菌、結核菌、真菌、HBV、HIV
⑦0.5~1.0%次亜塩素酸ナトリウム
⑧70%エタノールと0.1~0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩

・高圧蒸気滅菌法について簡単に説明してください
高熱の蒸気を用いる方法で、オートクレーブを使用する。
耐熱性、耐水性の器材の滅菌に使用する。
安全、低コスト、短時間で滅菌が可能、などの利点がある。

・高圧蒸気滅菌法が使用できない器材を滅菌する際に使用する滅菌法について説明してください
光学機器、電子機器、プラスチック製品、ガラス製品、鋼製小物は過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌法を用いる。低温低湿度、短時間で滅菌が可能だが、コストが高い。
プラスチック製品、ゴム製品、軟性内視鏡、紙、ラテックス製品はエチレンオキサイドガス滅菌法を用いる。ただ、有毒ガスを用いるため、エアレーションという操作で有毒ガスを除去する時間が必要となる。そのため、他の滅菌法が行えない場合に用いる。

〇感染性廃棄物の取り扱い

・以下について、廃棄物の区分は何ですか?

①血液が付着したガーゼ
②ばいじん
③臓器、組織
④血液が付着したメス
⑤廃アルカリ
⑥血液が付着した手袋
⑦特定有害産業廃棄物

①感染性一般廃棄物
②特別管理一般廃棄物
③感染性一般廃棄物
④感染性産業廃棄物
⑤特別管理産業廃棄物
⑥感染性産業廃棄物
⑦特別管理産業廃棄物

環境の調整

〇環境整備

・好ましい病室環境について、温度、湿度、照明、音、病室の床面積、窓の面積を説明してください
温度:夏…24±2℃ 冬…20±2℃
湿度:夏…45~65% 冬…40~60%
照明:100~200ルクス
音:40~50dB以下
病室の床面積:①病院の病室および診療所の療養病床
        患者一人につき6.4m2以上
       ②①以外の病室(診療所の一般病床など)
        個室の場合は6.3m2以上
        2名以上の場合は患者1人につき4.3m2以上
※医療法施行規則
窓の面積:床面積の1/7以上

食生活の援助

〇栄養状態のアセスメントと援助

・低栄養状態とはどんな状態か説明してください。
BMI:18.5%未満
アルブミン値:3.5g/dL以下(基準値:4.1~5.1g/dL)

〇日本人の食事摂取基準

・日本人に多い栄養摂取の偏りは何か?
鉄とカルシウムの不足、ナトリウムの過剰

・食塩の過剰摂取でリスクが増加する疾患は?
高血圧、胃がん

・食塩摂取の目標量は?
成人男性:7.5g/日未満 成人女性:6.5g/日未満

・1gあたりのエネルギー量について説明してください
糖質4kcal、脂質9kcal、蛋白質4kcal

・エネルギー比率の目標値について説明してください
炭水化物:約50~65%
脂質:約20~30%
蛋白質:約13~20%

〇誤嚥リスクのある患者の食事介助

・誤嚥しにくい体位について説明してください
座位または半坐位(ファウラー位)をとることで食塊移送をしやすくする
後頭部に枕などを置き、頸部後屈を防ぎ、頸部前屈することで食塊が気道に入りにくいようにする。

・半側麻痺がある患者さんに対し、誤嚥を防ぐための方法について説明してください。
麻痺側にクッションなどを用いて体幹を支持する。
食べ物はなるべく口腔内の健側に入れるようにする。
健側を下に側臥位にする。
※以下は麻痺のある患者さんに限らない
必要に応じて液体にはとろみをつける。
きざみ食は咀嚼はできない(義歯がない)が嚥下能力は十分にある場合などに限定される
一口量はティースプーン1杯が適量とされている

〇経腸栄養法(経鼻経管/胃瘻・腸瘻)

・経腸栄養法とは?                         鼻腔、胃瘻、腸瘻からチューブを挿入し、胃や空腸上部に栄養物を注入する方法。

・経鼻移管栄養について答えてください
①__を防ぐため、患者の体位は__、__とする。
②ガーゼに__を取り、チューブの先端に塗布する。
③__に合わせてチューブを鼻孔から噴門までの長さ(__)に、__ために__足した長さが入るように挿入する。
④チューブが咽頭を通過したかどうか、__確認する。
⑤咽頭部より先の挿入は、__を防ぐために__とする。
⑥チューブが胃内に入っているか確認する(注射器で__を__注入し、聴診器で音を確認する。また、__して胃液を確認する。また、__で__を確認する。)
⑦確認後、__する。
⑧__がある場合には__が疑われるため、__する。
⑨栄養剤注入の際に__を行う必要はないが、栄養剤の温度に注意する。温度は__程度とする。
⑩注入中、注入後は__・__・__などの有無を観察する。
⑪経管栄養でも__を起こすことがあり、__や__に注意する。予防のために__が必要である。

①気管への誤挿入、座位、半座位
②潤滑剤
③嚥下運動のタイミング、約50㎝、チューブを以内に確実に到達させる、5~10㎝
④患者に開口させて
⑤気管に入るの、頸部前屈位
⑥空気、10mL、内容液を吸引、エックス線、チューブの位置
⑦鼻翼を圧迫しないよう固定
⑧咳嗽、気管への誤挿入、直ちに抜去
⑨無菌操作、常温~体温
⑩悪心、嘔吐、下痢
⑪誤嚥性肺炎、発熱、肺音の異常、口腔ケア

・経管栄養剤の投与により、下痢が発生する主な原因について説明してください
栄養剤の浸透圧が体液より高いこと、投与速度が速いこと、
温度が低いこと、温度が高いことによる栄養剤容器内の細菌増殖

〇中心静脈栄養法

・中心静脈栄養とは?
血流量が多く血管が太い中心静脈(上大静脈、下大静脈)にカテーテルを挿入し、高カロリー輸液を投与する方法。上大静脈まで挿入する場合には、右前胸部から鎖骨下静脈に穿刺し、そこからカテーテルを挿入する。

・中心静脈栄養について答えてください
①合併症として__があるため、開始時や定期的に__の確認を行う。
②__すれば、__も可能。

①高血糖、血糖値
②刺入部位をドレッシング材などで保護、入浴、

排泄の援助

〇自然な排便を促す援助

・摘便を行う際のポイントについて説明してください
側臥位で行う、手袋を装着して行う、声掛けを行い患者の緊張を和らげる
指挿入時には患者に口呼吸を促し指を強引に挿入しない、プライバシーの確保に努める

〇床上排泄

。床上排泄について答えてください
①__をかけやすくすると排泄しやすいため、__たり、__よう声をかける
②洋式便器の場合は、__が_に来る向きで、和式便器の場合は__が_に来る向きで、__が受け口の中央に来るようにあてる

①腹圧、上体を少し起こし、膝を曲げる
②幅が広い方、腰側、幅が広い方、膝側、肛門部

〇導尿

・導尿のカテーテルの長さについて説明してください

男性の一時的導尿:18~20cm
男性の持続的導尿:20~23㎝
(男性の尿道の長さ:16~20㎝)
女性の一時的導尿:5~7㎝
女性の持続的導尿:5=7㎝
(女性の尿道の長さ:3~4㎝)

・導尿について答えてください
①感染による膀胱炎を防ぐために__で行う。
②女性は__で、__。男性は__で__。
③カテーテル先端には__の__を塗る。
④男性の場合は__なるよう陰茎を__の角度に保ち、カテーテルを挿入する。
⑤持続的導尿の際は、__にカテーテルを挿入後、__したら、__を考慮してさらに__する。そのうえで__を規定量注入し先端バルーンを膨らませて固定する。
⑥毎日__、__、__、__、__など尿の性状を確認する。
⑦カテーテルは、男性では__、女性では__にしっかりと貼付固定する。
⑧畜尿バッグは常に__より低く、かつ__位置に保持し、体動・移動時には尿が__しないよう注意する。
⑨膀胱留置カテーテル挿入中でも__や__は可能である。その際には入浴前に__する。逆流による感染予防に配慮し、バッグの高さを__する。入浴後は__を変えると良い。
⑩感染防止のため__は毎日行う。

①無菌操作
②仰臥位、両膝を屈曲して脚を開く、仰臥位、下肢を進展して肩幅程度に開く
③水溶性、滅菌潤滑剤
④尿道がまっすぐに、90度
⑤無菌的、カテーテル内に尿が流入、バルーンのふくらみ、2~3㎝挿入、滅菌蒸留水
⑥尿量、色調、浮遊物、混濁、臭気
⑦下腹部、大腿部
⑧膀胱、床に着かない、逆流
⑨シャワー浴、入浴、畜尿バッグを空に、腰より高くしないように、テープの固定位置
⑩陰部洗浄

〇浣腸

・グリセリン浣腸の作用について説明してください
洗腸液により腸内の弁を軟らかく滑らかにするとともに、腸壁を刺激して蠕動運動を促す作用がある。

・グリセリン浣腸の手順について答えてください
①グリセリン液を__℃に温める。
②患者は__とし、不必要な露出は避ける。立位は__の危険性があるため禁忌。
③潤滑剤としてチューブの先に__または__などをぬり、腹圧をかけないように__を促しながら肛門より__程度挿入する。
④浣腸液をゆっくりと注入する。__程度が望ましい。
⑤実施中の__・__・__の有無などを観察する。
⑥注入後の便意は__により、__程度こらえてから排便させる。
⑦実施後は反応便の__・__、腹痛や悪心、しぶり腹等の__、顔色や気分不快の有無、__などを観察する。
①40~41
②左側臥位、直腸穿孔
③ワセリン、オリーブオイル、口呼吸、5~6cm
④50mL/15秒
⑤気分不快、悪心、腹痛
⑥浣腸刺激、3~5分
⑦量、性状、腹部症状、バイタルサイン

活動・休息の援助

〇ADL

・ADLとは?
日常生活動作のこと。ひとりの人間が独立して生活するために行う、基本的な、しかも各人共通に毎日繰り返される一連の身体活動群を指し、IADL(手段的日常性活動)とBADL(基本的日常生活活動)に分類できる。ADLを評価する指標として、バーセルインデックスと機能的自立尺度(FIM)がある。

・IADLとBADLとは?

IADL:買い物、洗濯、電話、服薬管理等、道具を用いるやや複雑な活動を指す
BADL:食事、排泄、入浴、整容等、基本的欲求を満たす身の回りの活動を指す

〇基本的な体位

・良肢位について答えてください

①肘関節 ②膝関節 ③足関節 ④肩関節 ⑤手関節 ⑥股関節

①屈曲90度、回内・回外0度
②屈曲10度
③底屈・背屈0度(中間位)
④外転10~30度、屈曲外旋肘を曲げたときに顔に手が届く角度
⑤背屈10~20度
⑥屈曲10~30度、外転外旋0~10度

・体位について答えてください
①エネルギー消費量が大きい順
②心拍数が最も減少するのは?
③循環血液量が最も減少するのは?
④肺血流量が最も増加するのは?

①立位、座位、半座位、臥位
②臥位
③立位
④臥位

〇ボディメカニクス

・仰臥位から側臥位への体位変換について説明してください
①腕を前胸部の上で組んでもらい、枕を頭一つ分右へ
②患者の体をベッドのやや左へ(両脚を広げて、しっかりと腰を落として)
③患者が回転する方向に立ち、なるべく垂直に両膝を立てる
④膝を右手で持ち、手前に回転させつつ、少し遅れて左手で患者の左肩を回転させる

〇患者の移動・移送

・ストレッチャーでの移送について答えてください。
①患者の視野が広がるよう、患者の_側を進行方向に向けて移送する。
②二人で移送を行い場合は、前方の看護者は__を向いて__し、後方の看護者は__しながら移送する。
③上り坂では__側を先に、下り坂では__側を先にし、頭部が低くならないようにする。

①足
②進行方向、安全を確認、患者の状態を観察
③頭、足

・車椅子の移乗・移送について答えてください。
①片麻痺がある患者が車椅子へ移乗する場合は、__の位置に車椅子を置く。
②乗り降りの際には__。
③段差を上がるときには__を踏み、__を浮かせる。
④下り坂を下るときは、__。

①健側45度
②ブレーキをかける
③ティッピングレバー、前輪
④振り向きながら下る

〇睡眠の援助

・睡眠を促す方法を6つ挙げてください

日中は日光に当たる
軽い運動を行う
気分転換を図る
入浴(ぬるめの湯)、足湯を行う
マッサージを行う
温かい飲料を摂る


・サーカディアンリズムとは何か説明してください
外界の刺激を与えない状態での、ほぼ1日周期の変動である。光や温度、食事などの外的刺激で修正される。

清潔・衣生活の援助

〇入浴

・入浴の効果を4つ挙げてください
温熱作用、浮力作用、静水圧作用、リラクセーション効果

・温熱作用について説明してください
微温浴(38~40℃)をすることにより、体温のホメオスタシス(恒常性)を保つため、副交感神経が有意になり、末梢血管が拡張して皮膚血流量が増加することにより得られる。42℃以上の高温で入浴すると、交感神経が刺激され、心拍数や血圧の上昇を招く。

・静水圧作用について説明してください
静水圧とは体表にかかる水圧であり、マッサージ効果が期待される。ただし、これによって静脈やリンパ管が圧迫されて静脈還流量が増大し、心臓や肺に負担がかかる。心臓や肺への負担を軽減するには、静水圧が大きい全身浴ではなく半身浴を行う。

・入浴時の回避事項とその根拠について説明してください
食後の入浴:消化管血流量の減少による消化不良を招くおそれ
浴槽からの急激な立ち上がり:脳血流量の減少による立ちくらみや転倒のおそれ
脱衣室と浴室の大きな温度差:末梢血管の収縮・拡張により血圧が急激に変動し、心疾患や脳血管疾患を引き起こすおそれ。特に冬場は注意が必要で、脱衣室と浴室の温度は22~26℃に調節する。
長時間の入浴:疲労や脱水症状を起こすおそれ。脱水症状を防ぐためには、入浴前後の水分摂取をする。

〇全身清拭

・全身清拭はどのように行うか説明してください
湯は50~55℃で準備し、マッサージ効果を得るため、四肢では筋肉の走行に沿って、腹部では腸の走行に沿って行う。

・部分浴の効果を4つ挙げてください
感染予防効果、リラクセーション効果、循環促進効果、睡眠を促す効果

〇陰部洗浄

・女性、男性、膀胱留置カテーテル挿入患者に陰部洗浄を行う際の手順について説明してください

女性:尿道口→膣口→肛門
男性:尿道口→陰茎→陰嚢→肛門
膀胱留置カテーテル挿入患者:挿入部→周辺部 
水分を拭きとる位置も同じ方向で行う

〇寝衣

・寝衣交換のポイントについて説明してください
障害がある場合には健側から脱がせ、患側から着せる
点滴をしている場合は、点滴をしていない側から脱がせ、点滴をしている側から着せる
点滴ボトルが心臓より下にあると、ルート内血液が逆流する危険があるのでそうならないよう注意する
和式寝衣は、着脱が容易ではあるものの活動しにくく、回復期の患者には不向きである。直用させる場合は、左側の前見頃を上(右前)にして重ね、ひもが縦結びにならないよう注意する

呼吸・循環の調整

〇酸素療法

・ベンチュリ―マスクについて説明してください
ダイリューターと呼ばれる酸素濃度調整器具によってベンチュリ―効果を生み出す酸素吸入器具である。ダイリューターの選択によって24~50%に酸素濃度を調節することができる。

・酸素ボンベを使用する際の注意点を5つ挙げてください
40℃以下に保つ
直射日光に当てない
使用しない時にバルブを閉める
火気のそばに置かない(酸素は支燃性の高い物質であるため)
倒れやすいのでボンベ台やカートに載せるか、チェーンなどによる転倒防止処置を行う

〇吸引

・口腔吸引・鼻腔吸引のポイントを7つ挙げてください
実施者は必ずディスポーザブル手袋を使用する
カテーテル挿入時は陰圧をかけず、患者の吸気に合わせて挿入する
吸引中は無呼吸となるため、1回の吸引時間は10秒以内とする
終了後は、気道内の分泌物がきちんと吸引できたか呼吸などで確認する
口腔吸引、鼻腔吸引は無菌操作の必要はないが、気管吸引は無菌操作で実施する
鼻腔吸引の際、吸引チューブを回転させながら吸引すると鼻腔粘膜の損傷を防ぐことができる
気道粘膜の損傷や低酸素状態、解放の虚脱などを防ぐため、気管吸引をする際の吸引圧は最大で20kPa(150mmHg)とする

〇罨法

・温罨法・冷罨法の禁忌について説明してください

温罨法の禁忌
出血傾向のある場合、血栓がある場合、急性炎症のある部位、悪性腫瘍のある部位、血圧変動が激しい場合、消化管内腔に狭窄や閉塞がある場合
冷罨法の禁忌
循環障害がある場合、血栓を形成しやすい場合、急性炎症消退後、寒冷蕁麻疹やレイノー現象がみられる場合、開放性損傷がある場合

・湯たんぽ、氷枕の温度・湯量(氷の量)などの使用上の注意点について説明してください

湯たんぽ
ゴム製60℃、プラスチック製70~80℃
湯の容量 1/2~1/3
空気を抜いてから栓をする
低温熱傷を防ぐため、必ず布製カバーをかけ、皮膚面から10cm以上離す
氷枕
氷1/2~2/3 水をコップ1杯
空気を抜いてから栓をする
水漏れしないように栓をする
凍傷や感覚麻痺を起こさないように専用カバー(もしくはタオル)をかける

創傷管理

〇創傷の治癒過程/創傷管理

・創傷について説明してください

創は皮膚・粘膜の連続性が断たれた損傷(開放性損傷)、傷は皮膚・粘膜の連続性が保たれた損傷(閉鎖性損傷)を意味する。


・創傷の治癒過程について説明してください
①血液凝固期(止血期)
 出血した血液が血小板とフィブリンによって凝固し、創部を一時的に閉鎖する時期
②炎症期
 血管透過性の更新による滲出液の創への貯留、創面の異物や細菌などを貪食、清浄化するために好中球やマクロファージの遊走がみられる
③増殖期
 線維芽細胞によるコラーゲンの生成と、血管内皮細胞による毛細血管の新生により肉芽組織が欠損部を埋め、創を収縮させる時期
 基底細胞(上皮細胞)は炎症時から遊走しはじめ、上皮細胞が創面を覆う上皮化反応は肉芽組織が整った増殖期を中心に行われる
④成熟期
 線維芽細胞や毛細血管が減少し、膠原繊維(コラーゲン線維)の再構築が行われ、肉芽組織が成熟、背安定した瘢痕組織へと変化する

・一次治癒と二次治癒について説明してください
一次治癒
 清潔で感染のない小さな切開創で、組織の損傷が最小限
 縫合により創縁を接着させることにより、肉芽組織の形成がわずかで、瘢痕が少なく修復できる
 例:外科手術による縫合創
二次治癒
 感染があり、創面が開放している大きな創傷、組織の欠損が大きい
 欠損部を覆うため肉芽組織が多量に形成され、大きな瘢痕組織が形成される
 例:潰瘍、褥瘡、熱傷などによる皮膚欠損

・創傷治癒の促進方法について説明してください
感染がなければ消毒はせずに生理食塩水、蒸留水、水道水などで洗浄を行い、ドレッシング材で被覆して湿潤環境を保つ

・ドレッシング材で密閉してはいけない創の状態について説明してください
壊死組織が存在する:まずは壊死組織を除去する
炎症期にある(創周囲の発赤・熱感):出血を生じやすく、密閉しない方が良い
感染している(膿性分泌物の付着)

・創傷治癒の遅延因子について説明してください
低酸素、低栄養(血清アルブミン低値)、ビタミン(A,B,C)欠乏、微量元素(鉄、銅、亜鉛)欠乏、高血糖、感染、循環欠乏

〇褥瘡

・褥瘡について説明してください
皮膚や皮下組織などが長時間圧迫されることにより局所的に血流障害となり、阻血性の壊死が生じて発生する難治性の皮膚潰瘍

・褥瘡の発生要因について説明してください
圧迫、ずれ、摩擦といった外力が加わっている状態にあり、活動性・可動性の低下、知覚・認知障害などによって回避能力が低下することによって外力が集中する状況が継続しており、皮膚の浸潤、浮腫、低栄養状態、末梢循環障害などによって組織耐久性の低下があると壊死・潰瘍が発生し、褥瘡となる。

・褥瘡の対処法について説明してください

壊死組織があると皮膚の再生が阻害されるためでブリードマン(壊死組織の除去)を行う。壊死や感染徴候がない場合、消毒は不要で、微温湯(蒸留水、水道水)または生理食塩水での洗浄後にドレッシング材を貼付し、湿潤環境の保持に努める

・仰臥位での褥瘡好発部位について説明してください
踵部、仙骨部、肘頭部、肩甲骨部、後頭部

・褥瘡発生の危険度を評価する方法は何か?また、その観察項目について説明してください
Braden(ブレーデン)スケール
知覚の認知、湿潤、活動性、栄養状態、摩擦とずれ

・深達度による褥瘡の分類は何か?またその分類法について説明いてください
米国褥瘡諮問委員会(NPUAP)の褥瘡分類
DTI疑い:深さ不明
ステージⅠ:皮膚損傷がなく、圧迫しても消退しない発赤
ステージⅡ:真皮までの損傷
ステージⅢ:皮下脂肪組織までの損傷
ステージⅣ:筋・腱組織、骨までの損傷
判定不能:皮膚または組織の全層欠損―深さ不明

・褥瘡の予防法について説明してください
体位変換を行うほか、エアマットレスなどの体圧分散寝具や局所的褥瘡予防用具を患者の状態に応じて使用する。座位での褥瘡予防にはプッシュアップ動作を20分ごとに行うことが望ましい。30度側臥位などの体位で体圧を効果的に分散する。また、褥瘡は栄養状態の悪化によっても発生するため、十分なエネルギーとタンパク質も必要となる。
各種包帯法について説明してください
環行帯:同じ位置に重ねて巻く包帯法
螺旋帯:先に巻いた包帯に1/3~1/2が重なるように螺旋状に巻く包帯法
麦穂帯:8の字を描くように交差させながら巻く包帯法
亀甲帯:関節部位を交差させながら交互に巻く包帯法

〇包帯法

・包帯法について以下の空欄を埋めてください
巻き始めは__から行い、巻き終わりは結び目などが__の上に重ならないような注意も必要
__を補助するため、包帯は__から__に向かって巻く
固定しやすい部分、静脈の還流、末梢、中枢

〇止血法

・各種止血法について説明してください

一時的止血法と永久的止血法があり、一時的止血法には直接圧迫法、間接圧迫法、止血帯法、永久止血法には血管結紮法、熱凝固による止血、局所止血剤による止血などがある。

・一次的止血法と永久的止血法について説明してください
一次的止血法:手指やガーゼ、バルーンなどを用いた圧迫法による止血法
永久止血法:臓器損傷などによる体内の出血に対して行う止血法

・一次的止血法について説明してください
直接圧迫法:出血部位を明らかにした後、手指やガーゼなどで出血部位を圧迫する方法
間接圧迫法:直接圧迫法では止血できない場合、動脈性出血が持続する際に出血部位が出血部位よりも中枢の動脈を圧迫する方法 圧迫部位は心臓よりも高く保つ
止血帯法:出血している部分より心臓に近い部分を幅の広い(3cm以上)タオルなどで固く結び、棒を結び目に差し込んで回転させ固定する 止血時開始時間は明確に記録し、30分ごとを目安に1分ほど解除する

与薬

〇与薬方法

・点眼薬を滴下する方法について説明してください

眼瞼結膜と眼球結膜の間で、下眼瞼結膜の中央にある結膜嚢に滴下する

・バッカル錠の服薬方法について説明してください
頬と臼歯の間にバッカル錠を入れ、唾液でゆっくり自然に溶かして口腔粘膜から徐々に吸収させる
錠剤をかんだり飲み込んだりはしない

・吸入薬の服薬方法について説明してください
薬剤による副作用を防ぐとともに、口腔内の清潔を保つため、口腔内にたまった吸入薬は飲み込まずに含嗽を行う

〇経口与薬

・経口与薬の服薬時間について、起床時薬、食前薬、食後薬、食間薬、頓用について説明してください

起床時薬:起きてすぐ
食前薬:食事前30分以内
食後薬:食事後30分以内
食間薬:食事の2~3時間後
頓用:症状が現れたとき

〇注射(皮内・皮下・筋肉内・静脈内)

・皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射の注射部位、穿刺部位について説明してください
皮内注射:刺入角度はほぼ水平に、表皮と皮下組織の間の真皮に注入する
     通常、前腕屈側に穿刺する
皮下注射:刺入角度は10~30度で、皮下組織と筋肉組織の区別をつけやすくするために皮膚をつまんで、皮下組織に注入する
     上腕伸側、三角筋上部
筋肉内注射:刺入角度は45~90度で、筋肉組織に注入する
      三角筋、大腿四頭筋、中殿筋
静脈内注射:刺入角度は15~20度で、静脈内に注入する 
静脈血採血の場合、21~23Gを使用し、穿刺部位の7~10㎝中枢側を駆血帯で巻いてから、母指を中にして手を握ってもらう
      肘正中皮静脈、橈側皮静脈、尺側皮静脈、手背静脈網など

・アンプルとバイアルについて説明してください
アンプル:筒状で先端を熔封したガラスやプラスチック製の容器
バイアル:ゴム栓とアルミなどでキャップがついたガラスやプラスチック製の容器

〇輸液

・輸液の目的について説明してください

水分、電解質、薬剤の投与
経口摂取の代替
静脈路の確保
急激に喪失した血液の置換

・輸液ポンプの目的と、設定項目について説明してください
目的:薬剤を正確な量で使用する場合や、薬剤を微量投与する場合などに用いられる
設定項目:流量と予定量(医師の指示に基づいて設定する)

・輸液での注意点とその要因と対処法について説明してください
注意点:刺入部位の発赤、熱感、腫脹、疼痛がないか観察する
要因:細菌感染、輸液による静脈炎、輸液の血管外漏出が考えられる
対処法:直ちに輸液を中止し、針を抜去する

・成人用輸液セットと小児用輸液セットの1mLあたりの滴下数は?
成人:20滴  小児:60滴

〇採血

・採血において穿刺を避ける場所について説明してください
①麻痺側:血腫や神経損傷が起きてもわからず、重症化する可能性がある
②乳房切除を受けた側の腕(リンパ節廓清後):駆血帯の装着や針の穿刺が原因となり、リンパうっ滞を引き起こす可能性がある
③透析シャント部位:シャント血管は動脈血が混入しているため、圧が高く止血が困難である
シャントの狭窄・閉塞、感染のリスクもある
④炎症部や感染部:感染が悪化したり、感染部から菌が血中に入ったりする可能性がある
⑤輸液の中枢側:輸液中の成分が血液に混入するため、検査結果に影響する

〇血糖測定

・患者自身が血糖を測ることを何というか?
血糖自己測定(SMBG:self- monitoring of blood glucose)

生体検査

〇生体検査総論

・検体検査と生体検査について説明してください
検体検査:生体から採取した被検査物(臨床検体)について検査を行う
生体検査:人体(患者)を対象として、色々な機器を使って身体の機能や状態について検査を行う

・PET-CTについて説明してください
グルコースにポジトロン核種(陽電子を放出する核種)を結合させた18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)を静脈内注射して撮影するCT 
癌細胞は正常細胞よりもグルコースを取り込みやすいという代謝上の特徴を利用した検査

・造影CTの際に注意が必要な患者について説明してください
アレルギー歴(特に造影剤)、気管支喘息、腎障害、糖尿病、甲状腺疾患

〇動脈血酸素飽和度

・酸素飽和度とは何か、その基準値について説明してください
血液中の総ヘモグロビンに対する酸素下ヘモグロビンの割合
基準値:95%以上 90%未満で呼吸不全

・SaO2とSpO2について説明してください
SaO2:動脈血採血によって測定した動脈血酸素飽和度
SpO2:パルスオキシメータによって測定した経皮的動脈血酸素飽和度

・パルスオキシメータに表示される数値と、使用する際の注意点について説明してください
数値:SpO2、脈拍
注意点:マニキュアは除去、指先に冷汗がある場合は温めてから装着する
    手指が測定不可能な場合、足指や耳朶で測定する

診察・検査・処置の介助

〇穿刺法

・各穿刺法について、目的、穿刺部位、体位について説明してください
胸腔穿刺:胸水の採取・排出、気胸の排気
     胸水:中後腋窩線中間の第6~第8肋間
     気胸:鎖骨中線上第2~第3肋間
     半座位(ファウラー位)または座位
腹腔穿刺:腹水の採取・排出
     腹水貯留部
     仰臥位または半座位
腰椎穿刺:髄液の採取、治療薬・麻酔薬・造影剤の注入
     ヤコビー線(腸骨稜の最高点を結んだ線)を目安とする
     側臥位で両膝を抱え背中を丸めた姿勢、ときに座位
骨髄穿刺:骨髄液の採取(血液疾患の検査)
     胸骨または後腸骨稜
     胸骨:仰臥位
     腸骨:腹臥位

〇中心静脈カテーテル

・中心静脈カテーテルの適応について説明してください
高カロリー輸液を行う場合、作用や毒性の高い薬剤を投与する場合、中心静脈圧の測定を行う場合

・中心静脈カテーテルを挿入する血管は何?
鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈
固定しやすく感染のリスクも少ないため右鎖骨下動脈から行われることが多いが、気胸を起こしやすい欠点がある

・中心静脈カテーテル挿入時の合併症について説明してください
空気塞栓、気胸、動脈穿刺(血腫、血胸の原因)、カテーテルの血管外逸脱などがある

〇胃洗浄

・胃洗浄を行うときの体位は何?
左側臥位で頭を15度程度まで低く(もしくは足を15度程度挙上)した体位
胃の幽門部を高くすることで胃内容物の流出を防いで洗浄効率を上げられる
側臥位なので嘔吐した場合の誤嚥を防ぎやすい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?