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第14回EDIX 教育総合展(東京)

去る2023年5月10~12日の3日間、東京都江東区有明の東京ビッグサイトにて第14回EDIX教育総合展(東京)が開催され、地理・地図関連では帝国書院・東京書籍・平凡社地図出版が出展を行った。

帝国書院は、「デジタル教科書・教材」を前面に出し、デジタル化された現在の教科書を児童・生徒が学習者用端末で閲覧して使用する「ちょう教科書」と、指導者用を含む支援ツールについての紹介。

「デジタル教科書」を中心とした帝国書院のブース

東京書籍は、教科書には直接触れず、その周辺ツールとしてのドリル教材・Webアプリ教材や校務支援システムなどで教育DXを実現していこうという趣旨が見て取れた。

広く教育用デジタルコンテンツの紹介を行う東京書籍のブース

一方で平凡社地図出版は、地図に特化した内容で、ベース地図に様々な主題図を重ねることで生徒たちに「気づき」をもたらそうという趣旨。使用する地図も大縮尺ではなく、中・小縮尺の図を重視ししたオリジナルの地図を製作している。

デジタル教育における地図の品質そのものを問いつつ、様々なテーマ図を提供しようとする
平凡社地図出版のブース

今回の展示会では、STEAMについても光が当てられていた。特に経済産業省は、STEAM Libraryと称するコンテンツ類を紹介。各教科での学習を実社会での問題化発見・解決に活かしていくための教科横断的な学習としてSTEAMを推奨する姿勢が見えた。

STEAM Libraryを紹介する経済産業省のブース

いずれも、公立・市立を問わず学校教育機関におけるネット環境が整備され、一人ひとりの児童・生徒にタブレット端末などの機器がいきわたることが前提となろうが、それを見据えての教科書・教材会社や国の機関の動きが活発になっていくことは、確実だ。
そのような中で、いずれのブースで話を伺って共通していたのは、例えば地理において「GISを用いて・・・」となると、これはもう現場教育者の方がついていけなかったり新たな負担が生じてしまい、なかなか受け入れてもらえないだろうということだ。特に複数科目を教えねばならない教員にとっては、ある科目にだけ特別な技術を身に着けるということが現状の忙しい校務をこなしつつでは困難だとの共通の見方だ。教員にとって意識せずに自然に受け入れられるインターフェイス、この点が今後更に重要な開発課題になってくるのだろう。

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